飲食店開業する場合「個人事業主」が圧倒的に有利な3つの理由

飲食開業手帳

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(2016/09/12更新)

生き残りが難しいと言われている飲食業界。初めての開業ならなおさら「緻密な計画を立てた上で、開業に臨みたい」と思うはず。特に「融資」や「税務」を考えたとき、「個人」か「法人」の判断は重要なポイントです。

今回は、飲食店を開業する場合の「個人にするか法人にするかのポイント」と、「メリットデメリット」について、まとめてみます。

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「個人」か「法人」かで言えば、「個人」がお得!

初めて飲食店を開業する方にとって、「個人事業」と「会社設立」どちらで開業するかは悩みどころだと思います。

しかし、ご安心ください。私があなたの悩みを解消します。結論から言いますと、「個人事業」での開業が、圧倒的に有利です。これから詳しく「融資面」と「税務面」の話をお伝えしますので、「個人」「法人」どちらで開業するか迷っている方はぜひ参考にしてください。

「個人」でも審査上、不利になることはない

飲食店の開業を検討されている方の中には、「会社を設立した方が日本政策金融公庫の融資審査上、有利なのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、審査面で言えば、「個人」と「法人」どちらが有利というのはありません。

違うとすれば、融資時の責任です。日本政策金融公庫の融資制度である「中小企業経営強力化資金」を利用して、無担保・無保証で融資を受けた場合、個人の場合ですと、万が一事業が傾いたときの融資責任は個人に帰属します。一方、法人の場合、法人の自己破産という形になるので、個人生活に直結するほどの影響はありません。

「個人」の方が、すぐに融資申請ができる

融資申請をする際に、法人の場合は法人化しないと融資申請ができません。つまり、法人設立をしている間は、融資を受けられないことになります。しかし、個人の場合すぐに融資申請ができるので、融資の審査スピードで見れば個人の方が有利と言えるでしょう。

融資ありきのビジネスモデルを計画している法人の場合、融資の審査が通らなければ、そもそも会社を設立することができず、設立費用を無駄にしてしまうリスクもあります。

税務面を考えても、まずは「個人」がオススメ。

資本金1000万円以上の基準期間がない法人の場合、原則的に2年間消費税が免除されます。※参考:納税義務の特例(国税庁HP)、特定期間の特例(国税庁HP

一方、個人で開業した場合、一年超消費税が免除されます。

つまり、消費税が課税される年度の少し前に個人から法人になれば、約3年間消費税が免除されることになるのです。※飲食店の開業日および造作の法人への譲渡金額によって消費税の免許期間は異なります。

さらに、法人化して個人の所得規模が大きくなった場合も、役員報酬を受け取ることで消費税以外の税金を抑えることができます。個人の所得税は所得が増えれば増えるほど高くなる「累進課税」になるため、一定の所得に達した場合は、法人化をした方がお得です。

具体的に、1000万円の所得があった場合の例をご紹介します。ある企業が法人化して仮に代表が役員報酬で1000万円を取り、会社の利益が0円だったとしましょう。その場合、会社で支払う税金と代表たちが役員報酬から引かれる源泉所得税と個人住民税の合計は約190万円になります。一方、個人の場合個人税金の合計額は約270万円となり、年間で80万円もの差額になるのです。

これらの事実を踏まえると、開業当初から爆発的な利益が実現できる場合を除き、まず「個人」で始めた方が賢明と言えるでしょう。

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共同(2名以上)で開業する場合は、「法人」がオススメ。

2名以上で出資して複数の代表を立てる場合、税金支払いの平等性の観点から、法人でスタートした方が賢明と言えるでしょう。共同経営しているにも関わらず個人事業で飲食店を始めてしまうと、誰か1名を代表にする必要があります。

代表の所得は「事業所得」という形で税金を計算する必要がありますが、その他共同経営者たちの所得は「給与所得」で税金計算をすることになり、平等な「可処分所得」にすることができなくなります。そのため、共同で出資して複数の代表を立てる場合には、法人化して全員役員として平等に役員報酬を受け取る方法が最善と言えるでしょう。

家族に給与を払う場合は、注意が必要!

旦那様が経営する飲食店に奥様が専業すること自体は、個人でも法人でも問題ありません。しかし、旦那様が「個人事業」で、奥様がパートなどで収入を得ている場合、旦那様は奥様の給与を経費にすることができません

※個人事業で経営している飲食店で働く専業の奥様に給与を支給する場合、「青色事業専従者給与に関する届出書」を期限までに提出する必要があります。

もし、他に収入がある奥様に支給した給与を経費計上したい場合は、法人化して奥様を役員にして役員報酬にすれば問題はありません。ただし、奥様が勤めている会社の就業規則に「掛け持ち禁止」と書かれている場合は、規則違反になるので注意が必要です。奥様が掛け持ちをする場合は、まず奥様の勤め先に確認・相談した上で、法人化して奥様を役員にすることをオススメします。

まとめ

「融資」「税務」の観点から「個人」「法人」のメリット・デメリットについてお伝えしてきましたが、いかがでしょうか。まだ、どちらで開業するか迷っている方もいらっしゃるかもしれませんが、私個人としては「個人開業」を強くオススメします。

勿論、状況によっては法人開業の方がいい場合も十分にあります。今回はお伝えしていませんが、「融資」「税務」だけでなく、「社会保険」も考慮した上で、検討してみるといいかもしれません。

当然、ここに記載した内容は私個人の意見なので、他にも様々な意見があると思います。あくまで代表的な例として参考にしていただければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事のポイント
  • 個人事業が融資の審査で不利になることはない
  • 個人事業のほうがスピーディーに融資の審査申請ができる
  • まず個人事業で開業し、一定所得に達してから法人化するとお得
  • 共同出資して複数の代表を立てる場合は法人がオススメ
  • 個人事業の場合、収入のある親族の給与を経費計上できない
  • 結論、飲食店を開業するなら、「個人事業」で始めた方がいい

(監修:ITA大野税理士事務所 大野晃 飲食店開業融資専門税理士)
(編集:創業手帳編集部)

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