“休眠会社”を勧めない理由。開業も売買も税金面でもデメリットが多い!

創業手帳

会社を休眠させる、「休眠会社」とは。売買のメリット・デメリットを解説します!

dormant-company

(2016/11/17更新)

この記事では、休眠会社とは何かということや、休眠会社にすることのメリット・デメリット、休眠会社を買って開業することのリスクについて解説します。経営者は、知っておいて損はない情報なので、是非ご一読いただければと思います。

本文を読む

休眠会社とは

休眠会社とは、文字通り「休眠した会社」ということで、登記自体はされているが、実際には経営などの事業活動が長い間なされていない会社のことをいいます。具体的には、最後に登記したあと、12年が経過すると休眠会社となります。実はこの休眠会社、国内で9万社近くが存在しているとも言われています。

休眠会社にするのは、どんな場合?

なぜこのような休眠会社がかなりの数存在するのでしょうか。メリットとデメリットをみていきたいと思います。

メリット|廃業コストと手間が省ける

休眠会社にすることのメリットは、何よりも費用や手間がかからないという点です。高齢化や後継者不足、急な怪我などで会社の活動が一時停止してしまったときに、会社を解散するよりも、「清算決算」を行ったり、「解散登記」などをする手間や費用がかからない休眠会社にする、という選択をする方が少なくないのが現状です。

また、再開するときの手間が省けるというのもメリットでしょう。休眠会社にする際は、市区町村や税務署に休業届を提出します。再開した場合、特に税務署への届けは必要なく、通常通り確定申告するだけで済みます。都道府県と市町村には、休業届を出した時と同じく、「異動届出書」を提出すればOKです。

デメリット|手続きを怠ると色々と面倒

ここまでみると、メリットの方が大きいように思えますが、デメリットも注視しておく必要があります。

まず、休眠会社にしたとはいえ、会社自体は存続している状態なので、毎年税務申告が必要となってきます。売上があってもなくても同じです。もし税務申告を怠ると、青色申告の承認が取り消されます。

2つ目に、税金面でもデメリットがあります。自治体によって異なるので一概には言えませんが、休眠会社にすることで、「法人地方税の均等割」が課される場合があります。休眠会社にしているとはいえ、税金がかかってしまうのです。

3つ目に、事業をしていないとはいえ、一定期間が経過すると、役員変更の登記手続きが必要となります。また、これも怠ると過料(罰金)が課せられます。

最後に、冒頭でも述べた通り、最後に登記したときから12年間登記せず放置すると、みなし解散となり、解散登記がなされます。

image2

休眠会社の売買(開業)におけるメリット・デメリット

ここまで、休眠会社にすることのメリットやデメリットを見てきました。続いて、休眠会社を買って、その会社で開業することのメリットやデメリットを考えていきたいと思います。

休眠会社を買って開業することのメリット

休眠会社はサイトのドメイン(****.comなど)と同じように、長く会社を営んでいることの恩恵を教授できる場合があります。例えば、社歴。起業して間もない頃は、社歴が短いためどうしても取引先への信頼度が低くなってしまいます。そこで、休眠会社の社歴を受け継ぐことで、形だけでも社会的信用を得ることができます。

また、信用度でいうと、資本金もそれに該当します。買いたい休眠会社の資本金情報も受け継ぐことが出来るので、そういった面でも社会的信用を形だけですが、得ることができます。

そして、もっと実務的な役に立つメリットでいうと、特定の業種で必要になる「許認可」を休眠会社が得ていた場合です。許認可を得るための手間やコストを省くことが出来ます。

役に立つメリットは他にもあります。買う会社が多額の繰越欠損金を持つ場合、節税になる可能性があります。しかしこれは、青色申告が切れていない場合なので、休眠会社にはあまり望めないメリットとも言えます。

休眠会社を買って開業することのデメリット

さて、続いて休眠会社を買い取って開業することのデメリットです。実は、会社の存続に関わるような項目もあるので、是非きちんと確認いただければと思います。

まず、一番最悪なパターン。それは買う休眠会社が、金融機関のブラックリストにのっているような場合です。休眠会社にするに至った経緯が、「多額の借金を抱えて返済できなくなった」だとか、「借金を踏み倒した」だとか言った場合は、最悪です。もちろん融資を受けることもできません。

また、前述の通り、青色申告が出来ない可能性が高いという点です。休眠会社は、休眠期間中に各種申告を行っていない場合が多いです。そういう場合はもちろん、青色申告が取り消されています。取り消されていた場合、白色での申告を余儀なくされ、繰越欠損の利用や、少額資産の即時償却など、節税に関わる恩恵は受けられなくなります。

まとめ|休眠会社での開業は、おすすめしません!

いかがでしたでしょうか。メリットが多いように見える休眠会社ですが、もし自分が休眠会社にする場合は、手続きなどの煩雑さを加味して、将来会社を復活させる場合は選択肢として考えるのもアリでしょう。一方、休眠会社を買い取って開業する場合は、リスクが多すぎるので、正直おすすめしません。知り合いの会社などの場合は選択肢として入れるのもアリでしょう。

売上を可視化するために ~顧客数・購入回数・客単価の関係~
売上方程式――3年で7割が廃業する中で生き残るための考え方

(執筆:創業手帳編集部)

この記事のタグ:
創業手帳

カテゴリーから記事を探す