どれがベスト?経営スタイルは4種類!【美容室・サロンの開業手帳 ~1.開業の心構えと起業形態~】

創業手帳

オリジナル・業務委託・のれん分け・フランチャイズのメリットとデメリットをまとめました

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(2015/10/08更新)

「キレイになって喜んでもらいたい」「美しくなって夢を叶えたい人をサポートしたい」という想いだけでは生き残れないのが、美容業界。

業界規模は、約2兆円ですが、美容室の数はコンビニの約4倍と言われ、非常に競争の激しい業界です。

また、近年増えているサロンですが、廃業率は1年以内が6割、3年以内が9割と言われています。

美容室・サロンは、店舗の固定費がかかるため、開業前に廃業するかしないかが決まっていると言っても過言ではありません。

開業前に情報を集め、きちんと準備をして、必ず成功させましょう!

美容室・サロンの開業前から開業後までを、ゼロから解説する、開業手帳シリーズ。今回は、「1.開業の心構えと起業形態」です。

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美容室・サロン開業時の心構え

健康に美しく生きることを求めるのは、女性だけではありません。

ヘアスタイルをはじめとしてボディケア全般、美しい筋肉や皮膚など身体のさまざまなパーツに気を配る人が性別も世代も超えて増えてきている今、彼らをターゲットとした美容室・サロン経営を目指す方々もまた増えています。

華やかでハイセンスな表のイメージの一方、その実情は他店との差別化競争や技術スタッフの独立・引き抜きといった人員の入れ替わりの激しさから来るクオリティ維持の難しさ、1000円カットといった格安理容店がサービス内容を充実拡大してきている背景など、経営面において数多の難しさがある業界でもあるのです。

今回はこの業界で経営者になることを目指す方々が知っておかなければいけない4つの経営スタイルについてご説明しましょう。

1.「オリジナルサロン」とは?

オリジナルサロンには、他者に気がねなく何から何まで開業者の好みを反映できるという素晴らしい魅力がありますが、同時にそれだけ自己責任も負担も多くなります。

物件取得費用、店舗内外装工事、美容器具設備、ホームページ開設や情報誌などへ広告掲載する際の広告宣伝費など、開業に必要となる初期費用の丸ごとすべてを開業者側が負担しなくてはなりません。

また、開業直後から黒字化というわけにはなかなかいきません。しばらくは赤字覚悟の経営を余儀なくされます。

この赤字期間を極力短くすることと、赤字が続いても持ちこたえる体力としての運転資金を十分に確保することが、美容室やサロンを成功させる上でもとても大切な要素となります。

運転資金は、最低でも毎月通常支払うお金の3ヶ月分、可能であれば6ヶ月分を確保することをお勧めします。

そのなかにはとうぜん人材確保や教育も含まれます。給料を払うからには技術力や人間力においてサロンを支えることのできる人材を採用し教育しないといけません。

技術力にばかり目が行きますが、基本は接客商売です。スタッフ間の、ゲストとのコミュニケーション力も必要となってきます。

つまり誰もが夢見る自分だけの店オリジナルサロンは、ある程度の開業資金が準備できる方で、サロン経営についての豊富な過去経験や知識がある方、そして即戦力となるスタッフへのコーチング(教育)ができる方などに絞られてくるでしょう。

またオリジナルサロンはオープンするまでに多くの業者との連携が必要になりますので、当然きちんとした事業計画書が必要になります。文書関連の準備も万全を心得ましょう。

2.「業務委託型サロン」とは?

業務委託型サロンは、開業者が店舗の運営や現場でのマネジメント管理全般を担当し、パートナー側が初期投資の出費やサポートをおこないます。

いわゆる二頭立ての馬車、経営に関する実務と現場運営を二分割する手法です。

この場合、開業者は初期投資を負担することなくサロン運営に専念でき、パートナーは開業者側にサロン経営を委託することになりますので経営リスクを負わず、初期投資の回収までサポートを続けていきます。

業務委託型サロンは経営面でのサポートだけを期待している方で現場マネジメントには自信のある方には最適でしょう。

しかしイニシャルの資金力を他者に依存する形でスタートを切ることから、パートナーの考え方や彼らのメリットを絶えず心に留めてサロンを運営していくことが求められます。立ち上げ時においては、開業者一人の意思だけで全てを進められないのです。

あなたが技術力も店舗マネジメント力においても卓越した手腕を持ち、その手腕や将来性をパートナーが高く評価している限りは、まさに二頭立ての馬車の馬力で店舗経営はスムーズに進むでしょう。

しかし、いったんベースとなる二者の関係が崩れるとその影響は全スタッフや、経営そのものにも影響を与えることがあります。

3.「社内のれん分けサロン」とは?

それまで働いていた職場の力、つまり元職場の経営力を活用する経営方法です。

社内のれん分けサロンというのは、それまで働いていたサロンとあなた自身が契約を結び、元職場のブランドや経営ノウハウを利用しながら開業する方法です。

内装や器具等開業にかかる初期費用は全て開業者が負担しますので、初期投資リスクはオリジナルサロンとそれほど変わりません。

オリジナルサロンとの違いはブランドやノウハウを使用する代わりにロイヤリティを本部となるサロンへ支払う必要があるということ。

初期投資リスクは負いますが、すでに確立されたノウハウを使用し安定的に経営できるメリットがあるのが、社内のれん分けサロンの特徴です。

ビジネスの手法もサービスも十分に経験のある手法からスタートできるわけですから、開業後の現場マネジメントは、オリジナルサロンとして立ち上げるよりも遥かに手馴れたものになるでしょう。

社内のれん分けサロンはある程度の技術力もノウハウもあるが、まだ完全に独立して経営者になるにはちょっと自信がない、またはそれまで努めていた職場のオーナーやスタッフたちと、そのエリアにおいて極めて良好な関係を築いており、人間関係を維持しながら自分自身がもうすこしステップアップしたいという方に向いた手法といっていいでしょう。

4.「フランチャイズサロン」とは?

いわゆる全国区で有名なサロンのブランド力、集客力を全面利用した開業パターンです。

前述の、社内のれん分けサロンは、開業者自身がそれまで働いていたサロンと十分に馴染んだ人間関係を土台にして新契約を交わすものですが、このフランチャイズサロンは勤務経験などない外部のサロンと、一から契約を交わすという形になります。

その大きなメリットとしては圧倒的なノウハウやブランド力を全面活用できること。開業までのサポート体制の充実は言うまでもなく、商圏分析等の情報も与えられるので立地条件から一緒に選んでもらうことが可能です。

つまり本部のサポートにより安定した客数を見込める立地に出店できるのです。

また、チェーン店の全てが同じ内装のマテリアルを使うため設計施工費用も比較的安く収まり、店舗宣伝やスタッフ募集などの求人告知出しすら他店舗と同時に行えるため、全体的な広告宣伝費用も安く収めることができるのです。

信頼あるブランドのため、例えば物件の契約交渉や審査にも強く、開店後のサポート体制も万全です。データー分析やスタッフ教育などの運営支援をはじめとした、大手ならではの優れたサポート体制を受けることができるのです。

しかし一方で、こういったメリットがデメリットになる場合もあります。没個性化です。

ビジネスとしてここまで全てがマニュアル化されると、とうぜん開業者のオリジナリティや個性を生かした創意工夫ができる場面は限られてきます。自分の店でありながら、開業者の醍醐味をあまり味わえない場合も多いのです。

お店のコンセプトや運営方針は自分で作れず基本的に本部に従わなければなりません。店が赤字の場合でも一定のロイヤリティを収めることを当然のように要求されます。

最後に

理想のサロン経営のスタイルはありません。4つそれぞれにメリットもあればデメリットもあり、どの手法を選んでも、結局は開業者となるあなた自身の自己責任と経営力が勝敗を決めます。

いずれの場合も開業前に徹底したリサーチが必要であり、どの経営手法を選ぶのかを始めとして、自身やスタッフの技術力や保有しているノウハウがどこまで市場で通用するのかというスキルチェック、客層の絞り込みや価格帯の設定などオーナーとしての心構えも含めた現実的な戦略が不可欠です。

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(編集:創業手帳編集部)

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