収入印紙を貼らなきゃいけない書類と印紙税の基礎知識

資金調達手帳

知らなかったじゃ済まされない!3倍課税されるかも?

(2016/03/16更新)

領収書のやり取りなどで使う印紙。これ、れっきとした税金なのをご存じですか?印紙税とは、「印紙税額一覧表」に掲げられている20種類の文書に対して課される税金です。収入印紙を貼らないといけない書類を知らずにいると、本来の印紙税の3倍の金額が課税されるケースもあります。今回は印紙税についての基本的な知識を身につけましょう。

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印紙税って、どんな税金?

印紙税とは、日常の経済取引に際して作成する契約書や領収書など、「印紙税額一覧表(※)」に掲げられている20種類の文書に対して課される税金です。

ただし、表に掲げられているものでも、記載された金額が一定額未満のもの、特定の文書、国や地方公共団体などが作成した文書などについては非課税文書とされ、印紙税はかかりません。

※印紙税額一覧表 国税庁HP参照(PDF)

収入印紙を貼らないといけない文書かどうかを判断するポイント

印紙が必要かどうかは、文書のタイトルではなく実質で判断されます。

ポイント1:個々の内容について判断する

文書の全体を一つとして判断するだけでなく、文書に記載されている個々の内容についても判断します。

たとえば、表題が「覚書」であっても、その覚書の中に「保証金100,000円を受領した」という金銭の受取があったことについて書かれていれば、課税文書である「金銭また有価証券の受取書(第17号文書)」に該当します。

ポイント2:文書の名称や記載されている言葉の字句のみをとらえて判断しない

たとえば、デパートで発行される「レシート」には「お買い上げありがとうございました」「済」「了」などの表示はありますが、「受領しました」という文言が記載されていないことがほとんどです。

しかし、このレシートは、「受領しました」という文言がなくても、慣習的に受取書としての認識を有していることから、課税文書である「金銭また有価証券の受取書(第17号文書)」に該当します。

印紙税の納付ってどうすればいいの?

印紙税は、他の税金とは異なり、銀行窓口で振り込む必要がなく、課税文書を作った人が、決められた金額の収入印紙を課税文書に貼り消印すれば納付が完了します。

具体的には

①納付はいつ?

印紙税は課税文書を作成したときに納付します。
具体的に作成したときとは

  • 受取書や株券など相手方に交付する目的で作成される文書・・・交付の時
  • 契約書など契約当事者の意思の合致を証明する目的で作成される文書・・・証明の時
  • 定款など認証を受けることによりその効力が生ずる文書・・・認証を受ける時

②誰が納付するの?

冒頭にも記載しましたが、印紙税は課税文書を作成した人が納付することになっています。

なお、一つの課税文書を2人以上の共同で作成した場合には、連帯して印紙税を納める義務があります。

この場合、そのうちの1人が印紙税を納めたときは、他の人の納める義務はなくなります。

③どのように納付するの?

原則として、収入印紙を課税文書に貼付します。

収入印紙で納付する以外にも、税印押なつ(※1)印紙納税付計器の使用(※2)印紙納税付申告書(※3)を提出しての金銭による納付などの方法もあります。

※1)税印押捺
あらかじめ印紙税を金銭で納付して、特定の税務署に設置されている税印押なつ機により税印を押すものです。

 
※2)印紙納税付計器の使用
あらかじめ印紙税を金銭で納付して、税務署長の承認を受けて設置した印紙税納付計器に、納付した金額をセットし、そのセットした金額の範囲内で、その課税文書の作成者が自ら納付印を押すものです。

※3)印紙税納付申告書
税務署長の承認を受けて、課税文書に一定の書式を表示するとともに、1か月間の作成数量を翌月末日までにとりまとめて申告し、その申告に係る印紙税額を金銭で納付するというものです。

収入印紙を間違って貼ってしまったら?

印紙を貼る必要がない文書に収入印紙を貼ってしまった場合や、収入印紙の金額を間違って貼ってしまった場合にはどうしたらよいのでしょうか。

この場合、消印をする前であれば、その印紙を丁寧にはがして、再度使うことができます。

「えっ消印してしまったよ」という場合も大丈夫です。少し手間はかかりますが、印紙税を返してもらえます。

具体的には、税務署に備えてある「印紙税過誤納確認(充当)申請書」に必要事項を記入し、間違って貼った文書と一緒に提出すれば、間違って貼ってしまった印紙税額を返してもらえます。

ただし、この還付が認められるのは、その間違って貼ってしまった文書を作成した日から5年以内に限ります。

印紙税額と記載金額について

契約書や領収書のような文書に、契約金額や受取金額などとして書かれている金額が記載金額です。

印紙をいくら貼るのかを判定するのに、記載金額はとても重要なものですから、以下のポイントに注意してください。

①一つの文書に同じ号の記載金額が2つ以上ある場合

これらの金額の合計額が、その文書の記載金額になります。

(例)
1通の請負契約書にA工事費200万円、B工事費300万円と記載しているもの⇒ 記載金額500万円(200万+300万)の第2号文書

②一つの文書に2つ以上の号の課税事項(印紙税がかかるもの)が記載されている場合

・記載金額が区分して記載されている場合は、その所属することとなる号ごとに判定します。

(例)
不動産と売掛債権の譲渡契約書に不動産700万円、売掛債権200万円と記載しているもの
⇒第1号の1と第15号に該当 この場合、第1号文書とするルールがありますので、
記載金額700万の第1号の1文書

・異なる号の記載金額が区分して記載されていない場合は、その合計金額が記載金額になります。 

(例)
不動産と売掛債権の売買契約書に不動産と売掛債権合計900万円と記載したもの⇒記載金額900万円の第1号の1文書

③予定金額、概算金額、最高金額または最低金額が記載されている場合

それぞれが記載金額となります。

(例)
予定金額250万円と記載したもの
⇒記載金額250万円

④契約金額の一部だけが記載されている場合

記載された一部の契約金額が記載金額となります。

⑤単価と数量のみ記載されている場合

その単価や数量によって算出された金額が記載金額となります。

ちょっと余談

では、印紙の貼っていない領収書を受け取ってしまったら、その支払いについて費用として認められると思いますか?それとも認められないと思いますか?

答えは、「費用として認められる」です。

理由は、法人税法と印紙税法は別の法律だからです。

法人税では、間違いなく取引が行われていれば、その取引にかかるものは費用として計上することを認めています。

とはいっても、証明するものがないと架空の費用計上を認めてしまうことになるので、誰からいくらで購入したかを証明する領収書は必要です。

そしてその領収書に印紙が貼ってなくても、証明力が弱いということにはなりますが、費用としては認められるのです。

まとめ

印紙税は、課税物件表の第1号〜第20号文書に対して課税されます。

そのため、作成した文書が第何号文書に該当するかの判定はとても重要です。

一つの文書に2つ以上の号に該当するものが書かれている場合の判定には一定のルールがあったりと、判断が難しいことも多くあります。

その場合は、税理士や最寄りの税務署で必ず確認するようにしましょう。

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(監修:ゆう税理士事務所 税理士 小林優子
(編集:創業手帳編集部)

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