動員数約3万人!「東京ガールズコレクション」CFOが語るイベント成功のコツ

創業手帳

株式会社W TOKYO 取締役CFO 田嶋 康弘インタビュー

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(2018/08/28更新)

日本を代表するファッションフェスタ「東京ガールズコレクション」。今年3月にさいたまスーパーアリーナで開催された「マイナビ presents 第27回 東京ガールズコレクション 2018 SPRING/SUMMER」では、動員数が延べ約30,000人を記録するなど、巨大な規模で展開されていることでも知られています。

今回は、その「東京ガールズコレクション」を運営している株式会社W TOKYOの取締役CFO 田嶋 康弘氏に、イベントの成功の秘訣や、CFOとしての仕事について、お話を伺いました。

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会計士が飛び込んだベンチャーの世界

©マイナビ presents TOKYO GIRLS COLLECTION 2018 SPRINGSUMMER
ーまずは事業内容について教えてください。

田嶋弊社は、「すべての女性に、輝く舞台を。」という経営理念の下、「東京ガールズコレクション(以下TGC)」を主軸としたブランドビジネスを展開しております。

「TGC」は、「日本のガールズカルチャーを世界へ」をテーマに、ガールズマーケットに特化した、春と秋の年2回開催する史上最大級のファッションフェスタです。
AI、IoT、ドローン、ビッグデータなどの最先端のテクノロジーを取り入れ、常に最旬のトレンドを世の中に放ち続けてきた「TGC」は、ファッション業界において一過性ではない流行を巻き起こしてきました。

また、SNSが発達してきたことにより、現代は一般消費者一人ひとりが発信力を持つようになりました。その流れに合わせて、当社は「TGC」を「体験を発信する」のためのプラットフォームへと進化させています。同時に、最旬のトレンドや市場をいち早く察知し、クライアントの事業を加速させるお手伝いをさせていただいております。当社ではこれをアクセラレートモデル(加速化モデル)と呼んでいます。

この発信・拡散力を活かし、地方創生事業や国連が掲げるSDGs(※1)推進事業をはじめとし、企業プロモーションなどを中心とした事業を行っています。また、ブランド力を活かしたEコマース(ライブコマース)、Webメディア、アフィリエイト事業等を展開しています。

※1
SDGs:持続可能な開発目標。「貧困をなくそう」、「飢餓をゼロに」などの17のグローバル目標と169のターゲット(達成基準)からなる、国連の開発目標のこと。

ー田嶋さんが株式会社W TOKYOに入社したきっかけはどのようなものでしたか?

田嶋:私はもともと公認会計士として監査法人で会計監査やアドバイザリーなどの業務を担当していました。その後、監査法人を退職して上場企業に転職したのですが、その上場企業がW TOKYOを買収することになり、私が財務担当取締役として同社に所属することになりました。

当時は管理部門などほぼないような会社だったので、小うるさいことを言いながらひとつひとつ管理体制を構築していった感じですね(笑)。
ですが、従業員みんなが仕事の目標達成に対して責任を持つ意識が高い会社でした。そのため、「面倒くさいな」と思いながらもみんな協力してくれて、所属して2年ほど経った今では、当たり前のように行動してくれる環境になりました。

「TGC」成功の秘訣は「すべて壊すこと」

©TGC KITAKYUSHU 2017 by TOKYO GIRLS COLLECTION
ー「TGC」が成功した理由はどの点にあると思いますか?

田嶋:「TGC」は半年に一度、衣替えの時期の春夏、秋冬に開催していますが、事業内容のところで説明したとおり、常に妥協なく最旬・最先端のものを追い求めています。
そのため、「前回と同じでいいや」という発想はなく、毎回「TGC」が終わるとすべて壊してまたイチから作り直します。

もちろん、コストも時間もかかります。ですが、この作業をすることによって、前例を踏襲しない新しいものが毎回できる。これはビジネス全般において言えることですが、成功した理由は「いいものを創り上げるために妥協しないこと」を貫いているからだと思います。

口で言うのは簡単ですが、開催直前まで、コンテンツやタイムスケジュールなどが目まぐるしく変わっていき、現場は大変です。
ただ、この積み重ねが本当に重要な要素であり、これが「TGC」の一番の成功の秘訣ではないかと思っています。

ー新事業を展開する際に、意識していることはありますか?

田嶋これは弊社代表の考え方が強いのですが、「売り手良し」、「買い手良し」、「世間良し」という、3つの「よし」を意識した「三方良し」の精神でやっています。江戸時代に活躍した近江商人の心得ですね。

弊社は自社のブランドを活用した事業展開をしていく会社なので、他社との協業が多いです。新規事業展開を行う場合も、「TGC」のブランド価値を活用した新規事業展開である場合が多く、ステークホルダー(株主や協業企業などの利害関係者)との関係も重要になります。

「一時的に弊社だけが儲かる」という状況を作ることは可能だと思いますが、そんな状況は長く続きません。常に弊社を支えていただいているステークホルダーに還元できるような新規事業展開を行うことが、成功させるコツではないかと考えています。

会社を俯瞰して見ることがCFOの役目

ー田嶋さんはCFOという役職に就いておりますが、CFOの役目はどのようなものだと思いますか?

田嶋:おっしゃる通り、私はCFOという立場なので、ファイナンスはもちろんのこと、バックオフィス・経営企画も手がけています。また、社長と一緒に動くことも多く、大企業のトップや行政の方とも直接お会いしてお話する機会も多くあります。

今の立場で非常に重要だと感じるのは、常に全社を俯瞰して見ること。「株式会社W TOKYO」という会社を、世の中に向けて営業することだと感じています。まだ従業員30人ほどの会社なので、会社全体をどう伸ばしていくのか、どうブランディングしていくのかを考えて実行することはCFOの重要な役目だと思います。

ーこの仕事のやりがいはなんですか?

田嶋:私は公認会計士ではありますが、実はあまり数字と向き合っているのが好きではないんです(笑)。それよりも、会社の成長を考えたり、人と話したりすることのほうが好きなので、この規模で色々な役回りを演じながら動ける今の仕事にはすごいやりがいを感じています。

また、日々新しいことだらけなので、とにかく飽きません。これは人それぞれかもしれませんが、同じことの繰り返しにすぐ飽きてしまう私にとっては最高に楽しい仕事です。

ーベンチャー企業の経営や新事業の成功において、大事なことはなんだと思いますか?

田嶋自分ができる範囲を限定しないことです。なんでもやる、という精神ですね。
逆に言うと、「なんでもやること」ができるのがベンチャーの強みです。

それと、スピード感ですね。弊社の社長のスピード感を見ていると自分もまだまだ足りない部分を感じます。

また、ベンチャー企業に勤めていると、議論が前日と違う結論や方向性になることがよくあると思います。時にはそれに対し怒っちゃう人がいますが、大なり小なり新規ビジネスとはそういうものです。「やってだめなら違う方法の繰り返し」だと思います。

そのような状況を受け入れること・楽しめることも、重要な要素ではないでしょうか。

何かを発信すると、ものすごい縁に巡り会える

ー今後の展開について教えてください。

田嶋:「TGC」はおかげさまで若い女性の誰もが知るブランドになりました。

ちょっと前までは「TGC=イベント」という認識をされることが多かったのですが、今はそうではなく「TGC」のブランド力を活用したビジネスが柱となっています。
今後はそのような取組みを更に推し進め、ブランド価値を活用した事業を加速させていきます。

現在、「TGC×100の事業展開を行おう!」というミッションを掲げており、個人的な感覚では10個ほどやってきた感じです。ビジネスの種はまだまだたくさんあるので、どんどん仕掛けて行きたいですね。

ー最後に、起業家に向けてメッセージをお願いします!

田嶋:創業手帳の読者の中には、既に起業されている方以外にも、これから独立やベンチャーへの転職を考えられている方もいらっしゃるのではないかと思います。
今思えば半分ノリで飛び込んだこの世界は、とんでもないチャンスだらけで、自分が望めばいくらでもそれをできる環境にあります。

数年前まで監査法人で働いていた私にとって、まさかこのような形でインタビューいただける立場になっているとは、夢にも思いませんでした。
そんな私がアドバイスできるような立場ではないかもしれませんが、日々重要だと感じているのは、「自分から発信すること」です。
私は積極的に自分から発信するタイプではないのですが、それでも何かを発信すると、ものすごい縁に巡り合えます。

縁というのは形こそありませんが、魔法のようなすごい力を持っています。
その縁を呼び寄せるためには、発信することはもちろん、一つひとつの縁を大切にすることが重要です。一つひとつの縁を大切にして、次の縁を呼び寄せる。この繰り返しがチャンスにつながると思います。

(取材協力:株式会社W TOKYO/田嶋 康弘
(編集:創業手帳編集部)

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