「スタートアップワールドカップ2020 東京予選」 世界大会に進出するのは、株式会社Looop(ループ)!

創業手帳

11月28日に開催された東京予選の様子をお伝えします

(2019/11/29更新)

2019年11月28日に、都内で「スタートアップワールドカップ2020」の東京予選が開催されました。

スタートアップワールドカップは、ペガサス・テック・ベンチャーズ主催の、世界60地域以上で開催される世界最大級のグローバルピッチコンテスト・カンファレンスです。日本での地域予選を勝ち抜いた代表企業は、2020年5月サンフランシスコにて開催される世界決勝戦で、優勝投資賞金約1億円を掛けて競い合います。

東京予選では、スタートアップ10社によるピッチや、業界著名人等によるパネルディスカッションなどが行われました。白熱した会場の様子をレポートします。

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「日本にもう一度起業ブームを」代表アニス氏の想い

ペガサス・テック・ベンチャーズ代表のアニス・ウッザマン氏は、東京予選の開会にあたって

「世界中の起業家をつなげるプラットフォームを作りたいという思いから、2017年にこのイベントを始めました。17年には15か国、18年には27か国、19年は36か国と参加国が増えていき、2020年は60カ国、なんと世界で5万社からの参加の申込みがありました。

我々は色んな国の企業に投資してきましたが、日本はベンチャーの数が足りないという現状があります。投資金を用意しても、投資先がないのです。過去を振り返ると、第二次世界大戦後に、世界を代表するSONY、日立などの企業が生まれた起業ブームがありました。今、日本でもう一度起業ブームを作りたいと考えています。

4回目となる今回は、初の試みとして日本の学生向けの奨学金プログラムを立ち上げました。25人の学生を、無料で世界大会の決勝戦に招待します。私はこのプログラムから未来のスタートアップが生まれると確信しています。スタートアップワールドカップをきっかけに、みなさんも若い日本人の背中を推してほしいです」

と想いを伝えました。

パネルディスカッション「大手企業のイノベーション スタートアップ協業の必要性」

イベントは、「大手企業のイノベーション スタートアップ協業の必要性」と題したパネルディスカッションから始まりました。

法政大学経営大学院の教授であり、ペガサス・テック・ベンチャーズのアドバイザーでもある米倉誠一郎氏、株式会社資生堂の島谷庸一代表取締役副社長、株式会社クレディセゾン 代表取締役会長CEOの林野宏氏、アリババ株式会社の代表取締役社長CEO香山誠氏らが登壇し、大企業におけるオープンイノベーションの取り組みの最新事情について紹介しました。

中でも、アリババの香山氏からスタートアップへの

「資金が尽きた時など、ピンチのときこそアイデアが出てくるもので、大変な状況で取った対応がその後の事業を成長させる金鉱脈になることがあります。何が起きても諦めずに面白いビジネスをやってほしいですね」

というメッセージが印象的でした。

スタートアップピッチ登壇者を紹介

東京予選では、ファイナリストに残った10社の代表が登壇。事業の概要と、ポイントは以下の通りです。

株式会社サウンドファン

 

代表取締役社長 山地浩氏

「言葉」が伝わり、音のバリアフリーを実現する「ミライスピーカー(R)」の開発、製造、販売、及びサブスクリプションサービスを提供している。
5年後に70億円の売上を目指す。現在はBtoB向けのプロダクトを展開しているが、今後BtoC向けのモデルをサブスク型のサービスで利用してもらい、効果を実感した上で購入に進んでもらうという流れで認知を拡大する予定。

株式会社シナモン

 

代表取締役 平野未来氏

識字認証AIで無駄な業務をなくす。最先端の非定型帳票対応のAI-OCR 「Flax Scanner」を提供。
米テキサス州のオースティンに拠点を設けセールスを拡大中。開発面ではベトナム・台湾に150人のエンジニアを抱える。ドキュメント・音声認識の領域で、世界有数のAI人材を採用している。

株式会社ムスカ MUSCA Inc.

代表取締役CEO 流郷綾乃氏

 
ハエを活用した、栄養価の高い家畜向けの飼料・肥料を製造。食糧問題の解決に挑む。
大学との共同研究で、高品質な飼料・肥料の製造を実現。幼虫に抗菌成分が含まれているため、幼虫自体が飼料になる。

株式会社ハチたま(Hachi Tama Inc.)

代表取締役 堀 宏治氏

 
IoTを使って猫の健康管理ができるトイレ「toletta」を製造・販売。2,018年の販売開始から累計2000台以上販売。猫が抱える健康トラブルは、泌尿器の疾患が半数以上。tolettaでは結石・膀胱炎など初期症状をみつけることができ、早期発見・早期治療・QOL向上につながる。

株式会社ノルミー

 

岩田英三郎 代表

世界初のモバイルカメラによる静脈認証を開発し、個人認証プラットフォームとして提供。

JCBでの導入をスタート。日本でローンチ後、主に東南アジア狙った海外進出を目指している。現在はBtoB中心で、取引先はソフトバンクモバイル、Yahooモバイルなど。今後クレジットカード会社とBtoBtoC向けのサービスにも乗り出す。

トイメディカル株式会社

 

代表取締役 竹下英徳氏

食前に服用するだけで食品塩分の吸収を抑制できるサプリ「デルソル」の製造・販売。
4000万人いるという高血圧患者のうち、最低1%、約40万人のターゲットからの認知獲得を目指す。Webとドラッグストア1万店での取り扱い実績。

アップセルテクノロジィーズ株式会社

 

代表取締役社長 高橋良太氏

高橋代表は、大学を4年で中退した後、2004年に起業。翌年に四国電力グループに採用されたことでブレイクスルーのチャンスを得る。トークスクリプトと月間500万通話のデータを利用して売上を上げていく。

株式会社Lily MedTech

 

事業部 グローバルマーケテイング戦略 マネージャー・和田裕子氏が代表に代わって登壇

超音波を用いた乳がん検診用の画像診断装置を開発。

現代の超音波はX線での診察に劣る性能だが、Lily MedTechの技術はX線を使ったCT撮影に匹敵するデータを取得できる。乳房を圧迫することなくデータを取得できるので、治療中の患者の経過観察などに強み。

株式会社フローディア

 

代表取締役社長CEO 奥山 幸祐氏

電源を切ってもデータが消えない不揮発メモリーのライセンスを販売。

立ち上げたときにデータを転送する必要がなく。電話が入った瞬間に演算できる技術に強み。

株式会社Looop(ループ)

 

代表取締役社長 CEO 中村創一郎氏

ソーラー発電所の設置、太陽光発電システム機器などのインフラサービスを提供。
海外展開に向けて現地に法人を設立し、情報収集をしている最中。売上540億の内の営業利益は8億円。今は投資に回しているので、営業利益より売上を伸ばす。FIT(政府の買取支援制度)を脱却して再生可能エネルギーを広げていく。

世界大会のチケットを手にしたのは・・・

ピッチコンテストの審査は、審査員投票70点、Twitterでの投票30点により決定しました。審査員による評価は

  • 事業の経緯・問題意識
  • 市場規模・ニーズ
  • トラクション
  • 競合他社との比較
  • ビジネスプラン
  • チーム
  • プレゼンテーション

の7つのポイントを基準にしています。

白熱のピッチバトルを制し、世界大会への切符を手にしたのは・・・


株式会社Looop(ループ)

です!おめでとうございます!!

スポンサー特別賞を受賞した企業は以下の通りです。

セガサミーグループ賞・・・シナモン

日本マイクロソフト賞・・・ノルミー

サントリー賞・・・ムスカ

株式会社Looopは、2020年2月6日に大阪で行われる予選を勝ち抜いた1社とともに、日本代表として世界大会に臨みます。2020年は、日本の企業が世界優勝を勝ち取ることができるのか。期待が高まります。

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