赤裸々レポート!創業融資の専門家が実際に【創業融資】を受けてみた。

創業手帳

~創業融資体験記。事業計画書の作成から面談内容まで~

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(2017/02/04更新)

事業資金の調達方法は多種多様です。その中でも起業時に使える方法の紹介と、創業融資をメイン業務としている行政書士が実際に創業融資を申し込み、満額回答を得るために作成した事業計画書の種類、そして面談で質問された内容を公開します。

事業資金調達方法は何がある?

さて、前提として事業資金の調達方法はどのようなものがあるのかです。

1、融資を受ける

  • 親、親族、友人、知人からの借り入れ
  • 日本政策金融公庫からの融資
  • 信用保証協会の保証が付いた融資(自治体と連携した制度融資を含む)
  • 民間の金融機関からの融資
  • ノンバンクからの融資
  • 保険の貸付制度

2、補助金、助成金を使う

  • 経済産業省や総務省などからの補助金
  • 厚生労働省などからの助成金
  • その他の国や自治体、財団などからの返済がいらない資金

3、出資を受ける

  • ベンチャーキャピタルからの出資
  • 個人投資家からの出資
  • 少人数私募債を使う

4、その他

  • リース、割賦、クラウドファンディング等

以上のように、ここには書いていないものも含め事業資金の調達方法は多種多様です。
しかし、実際のところ起業時に可能な資金調達の方法はかなり限られてしまいます。

創業時に使える資金調達方法は?

では、起業する時に使える資金調達方法は何なのでしょう?
基本的にはこの2種類です。

  • 日本政策金融公庫からの融資
  • 信用保証協会の保証が付いた融資

なぜこの2種類なのか?その理由は?
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補助金、助成金は?

まず、補助金や助成金を使いたいところですが、これらは基本的に事業資金を使った後に後払い的に事業者に入金されるものなので、起業した当初に手元にあるお金ではありません。

出資は?

これについてはとてもハードルが高いと感じます。ほんの一握りの起業家さんだけといった印象です。

民間の金融機関からの融資は?

これから起業する方、起業して間もない方が都市銀行や地方銀行、信金、信組などの民間の金融機関から融資を受ける場合は基本的に信用保証協会の保証が付かないと融資をしません。もちろんすべてがそうとは限らないですが。(実際に信用保証がなくても融資するところもあります)
信用保証協会の保証がつかない融資(プロパー融資といいます)を起業したばかりの人にするのは民間の金融機関にとって非常にリスクが高いということです。

ノンバンクは?

これについては人によって色々ご意見もあると思いますが、私はおすすめしていません。
ノンバンク自体が悪いのではなく、使い方の問題です。使い方によっては非常に役に立ったりします。
ただ、創業融資のように基本的には長期間で借りて、しかも創業期は多くの方が資金繰りが厳しいという事を考えると、金利も高いノンバンクは創業資金には不向きであると思います。

そうすると残った起業資金の調達に使える制度は、日本政策金融公庫の融資と信用保証協会の保証が付いた融資この2種類になります。
私が融資を申し込んだのは日本政策金融公庫からの融資でした。
それでは次項から私の創業融資の体験談を書いていきます。

私が創業融資を必要とした理由。

私が融資を受けた理由

そもそもなぜ融資を申し込んだのか?その理由としては以下のようなものでした。

  • 手持ちの資金が少なくホームページを作成する費用が必要だった。
  • ホームページが完成してからの広告費が必要だった。
  • 広告費を含めその他の運転資金が必要だった。
  • 創業融資のサポートを自身のメイン業務にするためには、実際に自分で事業計画書の作成から融資の面談、担当者とのやり取りを経験する必要があった。

もちろんホームページ費用はとても重要でしたが、4番目の理由が私的には一番大きな理由でした。(隠れた目的として)
お客様のお手伝いをするなら、まずは自分が体験しなければ何もわからないということですね。

融資を申し込んだ時の条件

融資を申し込んだ金融機関:日本政策金融公庫
業種:行政書士
融資希望額:110万円(行政書士って他の業種に比べると低資金でできるんです)
自己資金:21万円(恥ずかしいですがフリーターの時に貯めたお金)
連帯保証人:なし
担保:なし

という条件で申し込みました。

実際に作成した事業計画書と気を付けるべきポイントとは?

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私が実際に作成した事業計画書の内容です。現在、開業する方のご支援をさせて頂く際も必ず添付資料として提出しています。

文章で自分の事業内容を説明したもの

 基本的な部分として、日本政策金融公庫の新創業融資制度を使う場合、公庫の新創業融資制度の既定の書類である創業計画書に記載してある項目は全て、別紙に詳しく書きます。
 各項目ごとにコツがありますが、ここでは書ききれなくなるので省略します。
それにプラスして、各個人の状況に応じた内容を書いていきます。

売上検討表3年分

 どの位の売り上げが上げられるのかを一月単位で3年分作ります。会社員としてお勤めの時の経験を基に数値を出していくと良いです。エクセルを使うと作りやすくなります。基本的に控えめに予測しましょう。
人それぞれ事業内容やその人の経験、強みなどが違うので、実際お客様のお手伝いをさせて頂く時、毎回ここが一番悩みます。

損益計画書3年分

 売り上げから原価や諸費用を差し引いた利益がどの位あるのかを予測します。これも一月単位で3年分作成します。エクセルで売上検討表と連動させると良いです。
 人件費、広告費、家賃、水道光熱費、減価償却費など必要な費用を計上していきます。

資金繰り予定表3年分

 これは損益計画書と違い、現金の入出金を表したものです。
 注意点として、例えば1月に売上が上がったがその回収期間が2か月後だった場合、損益計画書上の売上は1月に計上しますが、資金繰り表では2か月後の3月に売上金額が計上されます。現金が実際に手元に入った時を示します。

 この資金繰り予定表もエクセルで連動しておくと便利です。
 そして、私が今までお話をさせて頂いたことのある、現役の金融機関の方、昔、実際に審査していた方、皆さん口を揃えて出してくださいと言うのがこの資金繰り表です。某大手銀行の本部で審査をしていた方は「資金繰り表があれば審査に通ったのに…」という案件が何件もあったとお話しされていました。
 そのくらい重要な書類なので是非作成しましょう。

以上が私が実際に提出した事業計画書です。
創業融資を満額狙うならこの位は最低限作成していきたいです。
現在、お客様の事業計画書作成のお手伝いをさせて頂く中で、この時に作成した事業計画書を振り返って読んでみますと、自分で作成したものですがとてもお粗末な出来だったと恥ずかしくなるくらいの内容でした。スキルが磨かれてるということでしょうか。

融資の面談、何が聞かれるのか?

上記の事業計画書一式を作成して日本政策金融公庫の窓口に相談をしてから申し込みという流れになりました。

 私、申し込みの時に気を抜いていました。
 窓口でベテランらしき職員さんと雑談しながら、書類のやり取りをしていたのですが、その中の会話で実は重要なことを聞かれていました。

その質問とは。
 「自信はありますか?」
 「その根拠はなんですか?」
 などでした。あまりにも自然な流れで聞かれたので最初は無意識に答えていました。

この会話も実は重要で「自信ありますか?」「ちょっとわかりません。」とか答えてしまうと「この人に貸しても大丈夫かな?」となるわけです。この時点で審査に影響するかは定かではありませんが。

そして面談当日

 時間としては約1時間、最初の10分位緊張していました。担当の方はイケメンのお兄さん。まず最初は通帳など書類の確認から。その後で質問という感じでした。

 質問の内容は
 「どのように集客しますか?」
 「なぜこのタイミングなのですか?」
 「この仕事を選んだ理由はなんですか?」
 「差別化できること、強みはなんですか?」
 「事業内容はどのようなものですか?」
 「ご家族は何をされていますか?」

 あと事業計画書の内容について等、その他にもあったと思いますがその時のことで現在覚えているのはこの位でしょうか。
実際にお客様の面談に同席させて頂く時があるのですが、この様なことはやっぱり質問されます。しっかりと答えられるようにしておきましょう。
 

結果はどうだった?

 約1週間後担当の方から融資満額決定しましたと連絡がありました。

現在振り返って、やっておけば良かったことは?

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事業計画書をお金がぎりぎり足りるくらいの計画で作って、融資の申し込み金額を決めてしまったので、余裕資金を申し込むべきでした。
 現在お客様の融資をお手伝いする時は、余裕資金も一緒に申し込んでいます。

融資の効果としては?

 融資のお金でホームページを作成し、そのホームページを経由して融資のお問い合わせをして頂いてます。おかげ様で自分のやりたいことをさせて頂いております。

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(監修:かきざき行政書士事務所 柿崎満佳 (かきざき みつよし)
(編集:創業手帳編集部)

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