決済を導入するときに役立つ 「決済代行サービス」とは

資金調達手帳

キャッシュレス化に対応して顧客満足度をあげよう

(2019/04/18更新)

ショップの経営を始める上でひとつの検討事項となるのが「決済手段」です。以前は現金でのやり取りしかできませんでしたが、キャッシュレス化が進んでいる現代は、お客さんのニーズに合わせるため、お店の規模にかかわらず複数の決済手段に対応しているのが当たり前となっています。そして、実際お店を立ち上げる際には、クレジットカード決済や電子マネー決済など、複数社と契約して導入する経営者の方が多いようです。

複数の決済手段を導入する場合、それぞれの決済機関と個別に契約して導入することもできますが、その場合、複数の決済機関とのやりとりが発生して煩雑なだけでなく、それぞれの決済に対応した端末を準備する必要がありますし、支払いフローも分かれるので作業が大変になってしまいます。

そこで登場したのが「決済代行サービス」です。これは、決済代行会社と契約することで、複数の決済手段とシステムをまとめて導入できるサービスのこと。上手に活用することで、手間をかけずに顧客満足度をあげることができる方法です。

ここでは、決済代行サービスの仕組みやメリットについて分かりやすくご紹介します。決済手段の導入についてお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

決済代行サービスとは

「決済代行サービス」とは、クレジットカード決済、コンビニ決済、携帯キャリア決済、QRコード決済…といった複数の決済を、一括の契約とシステムで導入できるサービスです。キャッシュレス決済を望む多様なお客さんに向けて、できるだけ多くの決済手段に対応していることはお店としての強みのひとつになります。経済産業省も大阪・関西万博(2025 年)に向けて、キャッシュレス決済比率 40%の目標とする「支払い方改革宣言」をしています。より多くのお客さんを獲得するためには、キャッシュレス対応は不可欠です。

カード会社のブランドごとに決済を導入することもできますが、そうすると、導入のためのやりとりや契約が複数発生して非常に煩雑です。さらに、対応機器も複数必要になりますし、締め日・入金サイクルもバラバラに管理しなければいけなくなります。複数の決済手段を一括管理し、事務処理の手間を省くためのサービス…それが「決済代行サービス」なのです。

お客さんの入金手段の多様性、事務処理の簡略化という双方に対してメリットがあるため、決済代行サービスの利用を選択する経営者は多いです。

決済代行サービスの仕組み

もし決済代行サービスを導入していなかったら、クレジットカードや電子マネーなど、サービスを提供している会社にそれぞれ利用を申し込む必要があります。買い物をするとお客さんはクレジットカードを通して決済機関にお金を支払い、決済機関から店舗に支払いが行われることになります。また、さまざまな決済サービスを個別で導入することになるということはそれぞれの決済サービスに合わせたシステム開発が必要になります。

一方、決済代行サービスを申し込んだ場合を考えてみます。
この場合、クレジットカードや電子マネーの会社と店舗との間に「決済代行会社(決済代行サービスを行う会社)」が入ります。店舗側としては、決済代行サービス会社と契約するだけで、複数の決済機関と個別の契約や支払いを行う必要がありません。締め日や決済日が異なるクレジットカードや電子マネー等を利用していても「決済代行会社」がそれらをまとめてくれます。

決済代行サービスを導入するメリット5つ

決済代行サービスを導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

決済機関との契約が楽になる

例えば、クレジットカード決済だけ導入すればいいという場合であっても、1つのブランド(Visa、JCB等)とだけ契約すれば良いというわけではありません。複数ブランドとの契約がなければ、お客さんのニーズに対応するのは難しいからです。

この「複数社と契約する」というのが大きな課題です。カード会社ごとに決済処理や審査基準が異なるため、個別の手続きやシステムに対応しなければならないのです。ましてや、電子マネーやコンビニ決済、その他の決済手段まで含め多岐に渡った決済手段を導入するとなれば、そのためには膨大な対応作業が必要となり、ただでさえ開業準備で忙しい中、多くの時間を費やす必要が出てきてしまいます。

一方、決済代行サービスを導入すれば、上の図で見てもわかるように店舗は決済代行会社1社とだけやり取りすればよく、手間を大いに削減できることがわかります。その他の個別の契約作業は、決済代行会社がすべて代行してくれるのです。

ただし、決済代行会社ごとに対応している決済手段の幅には差があるので、自分の取り入れたい決済手段をカバーしている業者を選択する必要があります。その選定さえ間違えなければ、契約作業の手間を大いに省くことができるはずです。

複数の決済方法を導入しやすく、顧客拡大が狙える

契約がまとめてできるので、複数の決済方法の導入が簡単になります。最初はクレジット決済だけ導入すればいいと考えている方もいるかもしれませんが、今はキャリア決済や電子マネー決済、QRコード決済など決済方法も多様化しています。対応できる決済手段が多いほど、多くの顧客を取り入れることができます。海外顧客にも対応できるサービスであれば、インバウンド需要の獲得も期待できます。

運用コストを削減できる

ネットショップを経営している場合など、個人で利用契約をする場合に個別にシステム開発を行ったり、審査基準を満たす必要があります。特にシステム開発にかかるコストは大きく、そのシステムの保守運用もしなくてはなりません。
また、さまざまな決済機関との契約すると発生する「契約料」や「決済手数料」などを、それぞれの決済機関ごとに支払う運用コストも削減出来ます。

決済代行サービスを使うと、自分で個別に対応する必要がなくなります。決済代行サービスのノウハウの詰まったシステムなので、顧客側からしても使いやすい環境を整えることができます。

締め日を統一でき、入金照合、売上管理などの事務が楽になる

決済方法を複数導入すると、決済機関ごとに異なる締め日や支払日に対応する必要があります。管理も難しくなりますし、キャッシュフローの見通しも立ちにくいという状況になります。決済代行業者を利用することで、締め日や支払日も統一でき、経理処理の負担が軽くなります。

クレジットカード決済や電子マネー決済で支払われた代金は、すべて決済代行業者を通して支払われることになります。売上の入金がまとめて行われるので、経理処理がスムーズにできます。

機材のレンタルができる

決済代行会社は、クレジットカード決済や電子マネー決済に必要な機材もレンタルしてくれます。それぞれの決済機関と個別に契約すると、複数の決済機関から複数の機材を導入しなくてはなりません。実際に店舗で運用するときにも面倒くささが発生します。代行サービスの提供してくれる機材を使えば、コストや手間が削減できます。

まとめ

今回は、決済代行サービスの仕組みや、導入するメリットについてお話しました。顧客満足度や顧客獲得の観点から見ても、キャッシュレス決済への対応は必ず行っておきたい部分です。クレジットカードや電子マネー決済は、ハードルが高いと思われるかもしれませんが、決済代行サービスを導入することで簡単に取り入れることができます。カード決済や電子マネー決済などを取り入れたい場合は、前向きに利用を検討してみてください。

ただ、決済代行会社によってカバーしている支払い方法はさまざまです。キャッシュフローを任せる企業を選ぶということにもなるので、複数の会社を比較して目的にあったサービスを選ぶようにしましょう。

キャッシュレス決済に対応し、顧客満足度をあげよう
店舗がQRコード決済を導入するメリットとは|7サービス徹底比較

(編集:創業手帳編集部)

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