クレジットカード決済の新しいカタチ「スマホ決済」6つのメリット

スマホやタブレットがレジになる!今、注目のスマホ決済とは?

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取材協力Square株式会社
 

スマホ決済(スマートフォン決済)とは?

スマホ決済(スマートフォン決済:一般的に「モバイルカード決済」や「モバイル決済」とも呼ばれる)とは、クレジットカードで支払う「クレジットカード決済」機能に「モバイル」機能が付いたものだ。

従来のクレジットカード決済では、固定のレジに有線で取り付けられたカード読み取り端末を用いて会計を行っていたが、スマホ決済では、私達が普段使うスマートフォン(スマホ)やタブレットを用いる。スマホやタブレットに専用のカードリーダーを差し込むだけで、決済・レジの機能を果たしてくれる。

ここでは、2013年5月に日本でサービスを開始して以来注目を集めている「Square」を例に、スマホ決済(モバイルカード決済)のメリットをまとめた。

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スマホ決済導入のメリット

メリット1:売上向上が見込める

これはクレジットカード決済全体に言える事であるが、「いま手持ちの現金はないけど、カードが使えるならすぐに買いたい」という人は多い。クレジットカード決済を導入することで、これらの人々をあなたのビジネスの顧客にすることができる。

また、現金決済と比較して、クレジットカード決済の顧客単価は高いことが統計的にも明らかになっている。

これらの理由から、あなたのビジネスのお支払方法にクレジットカード決済を加えるだけで、売上向上が見込めるだろう。

メリット2:導入が手軽で費用も安い

従来のクレジットカード読み取り端末は導入コストが高かった(10万円前後かかる)。しかし、スマホ決済ならば、専用の読み取り端末も不要で、初期導入コストも低い。例えば、Square社のモバイルカード決済サービスでは、月額費用、振込手数料は無料だ。

また、初期コストだけではなく、決済手数料も3.25%程度とリーズナブルだ。従来のクレジットカード決済サービスは5.7%~が主流である。

起業して間もない創業期のベンチャー企業や、中小企業にとってはこの手数料の安さは魅力的である。

メリット3:売上後の入金が早い

スマートフォン・iPadに専用アプリをインストールしてリーダーを差し込むだけでレジが完成!

スマートフォン・iPadに専用アプリをインストールしてリーダーを差し込むだけでレジが完成!

中小企業・個人事業主がカード決済の導入に踏み切れない理由に、キャッシュフローの問題がある。従来のカード決済では、入金が1ヶ月後になるケースも多く、キャッシュフローに余裕がない起業直後の創業期のベンチャー企業や中小企業にとっては死活問題だった。

Square社の決済サービスでは、翌日〜1週間以内に入金と、現金払いと変わらないキャッシュフローを確保できる。

複雑な与信プロセスを解決し、リスクコントロールを行う。この独自のテクノロジーにより「最短で翌営業日入金」を可能にした。

メリット4:会計管理が楽になる

Square社の場合、クレジットカード決済システムだけでなく、無料POSレジアプリを提供している。これを使えば「売上の統計分析」も簡単に行える。

例えば「金曜日の午後は来客がいつもの 1.5倍」とか「夜間の顧客は単価が120%高い」などのデータも同時に集計できるのだ。

また、提携している会計ソフト「freee」 やレジアプリ「Airレジ」とのデータの連携による業務の自動化も可能で、忙しい事業主の手間を大幅に省くことができる。ある利用者によると、「それまでかかっていた経理の入力作業の手間が、スマホ決済で1日1時間も減った」とのことだ。

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メリット5:顧客の手間も軽減

クレジットカード決済を行うときに面倒なサインも、パネル画面上に入力する「電子サイン」でOK。レシートも「メール送信」が基本と、お客様の手間も省ける(紙に出力したレシートを印刷することも可能)。タッチパネルの感触など細部に至るまで緻密な設計をしており、漢字の「とめ・はね」までスムーズだ。

メリット6:どこでもクレジットカード決済ができる

どこでもクレジットカード決済を行うことができる。例えば、営業担当者が取引先のオフィスで代金を決済する、飲食店でお客様のテーブル毎にお会計をする、衣料品点で試着室の前でお会計する、移動販売や行商でもその場でお会計をする、等々、場所を選ばずどこでもクレジットカードで決済・お会計が出来るのだ。

iPadがレジになり、売上分析までスマートに行えるのがSquareの強みです

創業直後のスタートアップベンチャー企業や中小企業にとって、従来のクレジットカード決済を導入することの問題点は、導入や運用のコスト負担が非常に重いということだった。

しかし、ここまで紹介してきたように、クレジットカード決済代金を最短で翌営業日に入金してくれる手元資金の確保が大変なスタートアップ企業や中小企業には「大変ありがたい」サービスも現れはじめた。そのため、モバイルカード決済サービスによって、クレジットカード決済の導入のハードルは大きく下がり、小規模小売店や飲食店を中心に急速に普及しつつある。

今注目されるモバイルカード決済サービスのSquare(スクエア)を提供するSquare株式会社 カントリーマネージャーの水野氏に、サービスについて詳しくお話を聞いた。

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水野 博商(みずのひろあき)
Square カントリーマネージャー
新日鉄ソリューションズ株式会社において、多数の大規模インターネットシステムの開発に携わる。外資系コンサルティング会社を経て、2009年4月に日本オフィスの社員第一号としてペイパルジャパン株式会社へ入社。2013年よりSquare日本法人社長に就任。

当たり前のように店舗側に高い費用がかかる「カード決済」。これをなんとかしたいと思っていた。

−もともと水野さんがSquare日本法人の代表になった理由を教えて下さい。

水野:これまで、多くの中小企業の方が自分の店舗にクレジットカード決済を導入する際、当たり前のように高い費用がかかる状況がありました。

例えば、カード決済会社に払う手数料も高かったのです。加えて、そもそも創業直後の会社は一般的に信用が低いため導入自体を断られるケースもありました。このようなことをなんとかしたいと思っていたのです。Squareであればそれが実現できると考え、参画しました。

Twitterとの共通点は“何ももたない人”の力になりたいという想い

Square社は、Twitterの共同設立者のひとりであるジャック・ドーシーと、起業家、エンジニア、アーティストでもあるジム・マッケルビーによって設立された。その設立経緯は次のようなものだという。

あるときジムは「自分の作ったガラス細工作品を買いたいという人が、クレジットカードで支払えなかったため買っていかなかった」という苦い経験をし、それをジャックに電話で話した。それを聞いたジャックは「もしかしたらスマートフォンで、同じような悩みを抱えた人々を助けるパワフルなツールが作れるのではないか」と思いつく。

「なぜ全ての事業者がクレジットカード決済に対応できないのか?」と疑問に思った二人は、どんな人でも商売のチャンスを逃すべきではない、と創業を決心したという。

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−TwitterとSquareの共通点は何なのでしょうか?

水野:TwitterとSquareで共通しているのは、個人や創業者など“何ももたざるもの”のためのサービスだということです。

例えば、ある方が飲食店を開業しようとしたとします。その方がお店の支払いにクレジットカード決済を導入しようと思った場合、その導入手続きをします。しかし、これまでの場合、資金力も実績もない個人事業の方は信用力が劣るため、断られたり不利益を被ったりすることがありました。

Squareの根本には、そのような「信用がない」「お金がない」という方々も「力を持つ大企業などと同じようなツールを使う機会を得るべきだ」という想いがあります。私はここがTwitterとの共通点だと思います。つまり、Twitterはこれまで情報社会のなかで全く発信力がなかった「個人」に大きな発信力をもつことを可能にしましたが、このように“何ももたざるもの”に力をもってほしいという価値観が共通しているのではないでしょうか。

リアルタイムで決済状況を見守ることで、実績のない事業者も利用可能に

−これまで難しかった「個人や中小企業のクレジットカード決済サービス利用」を可能にした理由は何ですか?

水野:簡潔に申し上げれば、これまでの「クレジットカード決済サービスの“審査”の考え方」を変えたからです。これまでの審査の考え方というのは、簡単に言えば「その事業会社で起こりうるリスクで判断する」ものでした。ですから、資金力のない会社や実績のない会社はそもそも審査を通過できませんでした。

しかし、私たちの考え方は「まずはそのような方も信頼しよう」というものなのです。つまり、実績や資金力のあるなしに関わらず善意の事業であれば“皆様に”公平に機会を提供したい。中小企業の方でも、商売に集中していただくために、決済やその他ややこしいことは私たちに任せてほしいと思っています。そうすれば、商売することがもっと豊かに、自由になりますから。

ただ、単純に加盟店となるための審査をこれまでと変えたのでは、私たちのリスクにもなります。そこで、これを可能にするために「リアルタイムの監視体制」をつくりました。テクノロジーの力を借りて、お客様の決済状況を常に見守っています。不穏な動きがあればご利用を停止させて頂き、プラットフォームとしての安全性を保つようにしたのです。

このようにして、従来難しかった、小さな会社の方々にもクレジットカード決済をご利用いただける環境を実現しました。

クレジットカード決済を超えて業務効率化の手助けをする「POSレジ機能」や「売上分析」

Squareの考え方の根本には「皆様の商業活動をかんたんにする」という理念がある。水野代表は「ビジネスの規模に関わらず、全ての事業者を支える存在でありたい」と語る。

さて、ここで注視したいのは、Squareが目指すのは単なる「カード決済会社」ではないということだ。カード決済に囚われず、広く「事業者の業務を効率化する」ことを目指している。

−Squareは「商業活動をかんたんにすること」を理念としています。これはどのようなことでしょう?

水野:我々のサービスの根底にあるひとつは、お客様の業務を効率化したいということです。これは例えば、弊社の「無料POSレジアプリ」に表れています。弊社のPOSレジアプリを使う場合、お客様にはまずiPadなどのタブレットにご自身で商品登録をしていただきます。そうすると、タブレットをまるでPOSレジのように使うことができるのです。

また「いつ・何が・どれくらい売れたか」という売上分析も簡単にできるのがSquareの特徴です。これは、従来のレジではできなかったことではないでしょうか。売上分析ができると、より効果的な経営が可能になります。競合他社と比べると、自社で売上分析までできるアプリケーションを提供しているのは弊社だけです。

また、例えばカード決済後の「サインの感触」まで徹底してデザインしました。Squareのレジシステムでは、iPadなどのタブレットに差し込んだ端末でカードを読み取った後、お客様に指でサインしていただきます。

しかし、もしそのサインがやりにくかったら「ストレス」が生まれ業務に支障がでます。そこで、感度の最適化に工夫を凝らし、漢字があるため線が多い日本語でもストレスなく書けるようにしました。

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決済から入金までのサイクルが格段に短い

最後に、インタビューの中では語られなかったが、決済代金の入金サイクルが早いのもSquareの特徴だ。従来のクレジットカード決済では、売り上げがあったとしても、現金は翌月、場合によっては翌々月入金の場合がある。

Squareでは導入したお客様に、よりスマートな業務を行ってもらうため、翌営業日振込という「ほぼ現金と同じようなキャッシュフロー」を実現した。この背景には、常にお客様の決済状況をモニターする独自の監視システムがある。このように常に厳格に見守っているからこそ、翌営業日支払いを実現できている。

(インタビュー:田中 嘉)
(編集:創業手帳編集部)

ココ重要!
  • クレジット決済を導入すると、決済方法の多様化と顧客単価の向上により、売上向上が見込まれる。
  • Squareの決済サービスは、「個人や小さな会社など『何ももたざるもの』にも大企業と同じような決済ツールを使える機会を持ってほしい」という価値観に基づいて提供されている。
  • 顧客の将来の信用リスクではなく、今現在の信用状況を常にモニタリングすることにより、信用力の低いスタートアップベンチャー企業や中小企業でもSquareのモバイルカード決済が利用できるようになっている。
  • 従来のクレジットカード決済を導入することの問題点は、導入や運用のコスト負担が非常に重いことだったが、Squareを利用すると非常に安価な料金でクレジット決済を導入できる。
  • Squareは、決済代金は基本的に翌営業日~1週間以内の振込という「ほぼ現金と同じようなキャッシュフロー」を実現している。
  • Squareは、従来のクレジットカード決済だけではなく、「いつ・何が・どれくらい売れたか」などの売上分析も簡単にできる。
Square カード決済の新しいカタチ

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  • 手数料はカード決済時のみ
  • 主要カードが利用可能
  • その他の追加料金なし

>> Square公式ページ

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