Webマーケティング入門ー「マーケティング戦略」とは?マーケティングを進めるためのポイントを紹介

創業手帳

Webマーケティング初心者向けに、マーケティングの基礎知識や進める上でのポイントを解説します

マーケティング戦略

(2020/05/20更新)

事業を立ち上げ、ビジネスの準備ができた起業家の方で、Webマーケティングを始めようと考えている方も多いと思います。顧客の行動変化をとらえることができ、少額から始めることのできるWebマーケティングは、現在どのようなビジネスにおいても欠かせません。

しかし、Webマーケティングを始めるからといって、とりあえずウェブサイトを制作したり、リスティング広告を行えばいいというわけではありません。しっかりマーケティング戦略を立案することが重要です。

マーケティング戦略を立案するためのステップや、戦略を立案するときに活用できるフレームワークをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

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マーケティング戦略とは?

マーケティングの設定
マーケティング戦略とは、マーケティングを行っていく上で、プロダクトの強みはなにか、誰に向けてどのように売るのかなどを策定する戦略です。高度経済成長期頃の日本ではモノを作れば売れ、メディアもテレビやラジオ、新聞などと限られていたため、どのように売れるのかということをそこまで考える必要はありませんでした。

しかし、インターネットの普及やグローバル化の加速など消費者の価値観が多様化し、モノが溢れかえった結果、今までと同じような売り方が難しくなってきました。そこで注目されたのが、マーケティングです。

現在では、スマホの普及にともない、よりリアルタイムかつピンポイントにコミュニケーションすることが可能となっています。

消費者とのコミュニケーション方法が大きく変わってきたことにより、企業にとってマーケティング戦略は欠かせない考え方になってきているのです。

マーケティング戦略のステップ

Webマーケティングのステップ
具体的なマーケティング戦略の進め方をご紹介します。マーケティング戦略は、大きく4つのフェーズに分かれています。

1.環境分析
第一ステップは環境分析です。どのような消費者がいるのか、どのような競合がいるのか、自社にどのような強みがあるのかなど、自社が戦おうとしている市場環境を分析します。

この際には、3C分析PEST分析などのフレームワークを活用すると有効です。環境分析の精度が、競合とどのように差別化していくのか、誰をターゲットとして狙うのかなど、戦略の精度に大きく影響します。しっかり分析を行うようにしましょう。

2.STP戦略
環境分析ができたら、次はSTP戦略です。STP戦略はセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングから構成されており、それぞれの頭文字をとっています。自社プロダクトがどの市場を狙い、誰をターゲットとし、どのような価値を提供するのかを規定します。

3.セグメンテーション
セグメンテーションとは、市場を細分化することです。性別・年齢などで市場を細分化し、どこの市場をターゲットにするのかを選びます。

細分化の例としては、性別・年齢などのデモグラフィックはもちろん、趣味嗜好などのサイコグラフィックなどがあります。市場をどのように細分化するかにより、ターゲットや競合の設定も大きく変わります。

セグメンテーションの成功例としては、アパレル業界大手のユニクロが挙げられます。従来のアパレルは、若い男性向けなどの性別・年齢、職業などのデモグラフィック、ストリート系などの趣味嗜好をセグメントに設定して展開しているブランドがほとんどでした。

しかし、ユニクロは顧客ではなく、生産する商品の特徴でセグメントを設定し、自社のターゲットをカジュアルに着られるベースの服に設定しました。その結果、顧客の特徴に影響を受けず全世代向けに販売し、成功を収めることができました。

このように、セグメンテーションをどのように設定するかによって、企業の戦い方が変わってきます。

4.ターゲティング
セグメンテーションで市場が細分化できたら、次はターゲティングです。セグメンテーションで細分化した中で、自社のターゲットとしてふさわしい市場を設定します。選択しようとしているセグメントの市場成長性、市場規模、競合状況などをもとに判断しましょう。

ターゲットをしっかり絞り込むことで、施策を行う上で効率的な配分をすることができます。また、ターゲットへの理解も深まるため、ターゲットの悩みへの対応など顧客満足度も向上します。

5.ポジショニング
ターゲティングで自社の戦う市場を規定できたら、ポジショニングを設定します。ポジショニングとは、自社のプロダクトがターゲットに対して、どのような価値を提供するのかという立ち位置を規定することです。

ポジションを規定していくことによって、今後のプロダクトをどのように設定していくのか、コミュニケーションメッセージやメディアなど、どのようなマーケティング施策を行うのかの起点となります。

ポジショニングの設定で意識するべきポイントは2点あります。1点目は、競合の視点です。競合がどのようなポジショニングを取っているのかを把握した上で、差別化していくのか、それとも同質化していくのかを検討しましょう。

2点目は、ターゲットの視点です。ターゲットにどのような悩みがあるのか、またどのようなニーズがあるのかなどを検討した上で、自社のポジショニングを決めていきます。

このように、STP戦略は自社がどのように戦っていくのかを規定する重要なフェーズです。

6.マーケティングミックス
STP戦略で自社がどのように戦っていくのかを規定することができたら、次はマーケティングミックスで実際の施策を検討します。マーケティングミックスでは、プロダクトをどのようなものにしていくのか、どのような場所で売っていくのか、いくらで売るのかなどを決めていきます。

一つの視点だけではなく、流通・販売・価格・プロモーションといった様々な施策を組み合わせて戦略を実現していくことが、マーケティングミックスの特徴です。マーケティングミックスを検討する際には、4P分析、4C分析などのフレームワークを活用するのが有効です。

7.PDCA
マーケティング施策が検討できたら、あとは施策の実行です。施策を実行するだけでは意味がありません。実行した施策にどれくらいの効果があるのかなどの効果測定を行った上で、改善していくことが重要です。

とくに、Webマーケティングは即座に結果を把握することができるため、早いペースでPDCAを回すことによって、より効果の高い施策実行が可能です。

マーケティング戦略立案に活用できるフレームワークを紹介

マーケティングのフレームワーク
マーケティング戦略の大きな流れをご紹介してきましたが、より有効な戦略を立案するためにフレームワークを活用することをおすすめします。ここで、マーケティング戦略に活用できる代表的なフレームワークをご紹介します。

3C分析

3C分析とは、環境分析に活用できるフレームワークです。Customer(消費者)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つのCを分析することによって、自社がどのような市場にいるのかといった概要を把握するために活用されます。

Customer(消費者)では、どんな顧客がいるのか、どのようなニーズがあるのか、どれくらいの市場規模があるのかなど、市場や消費者の分析を行います。続いて、Competitor(競合)では、市場にどのようなプレイヤーがいるのか、それぞれどのくらいのシェアがあるのか、どのようなポジションなのかなどを分析します。最後はCompany(自社)です。自社にどのような強みがあるのか、ほかの企業と差別化できるポイントは何かなどを分析します。

このように、3C分析は市場の概要を理解するのに有効です。

PEST分析

PEST分析も3C分析と同じく、環境分析に活用するフレームワークです。3C分析がビジネスにおけるミクロな視点に対して、PEST分析はマクロな環境を理解するためのフレームワークです。

分析の視点は、法規制や政治動向などの政治面(Politics)、少子高齢化やライフスタイルの変化などの社会面(Society)、経済水準や所得変化などの経済面(Economics)、IoTや5Gといったビジネスに影響を与える技術面(Technology)の4点から分析を行います。

新型コロナウイルス感染症の流行などでもわかるように、マクロの環境はビジネスに大きく影響します。自社のビジネスだけではなく、マクロ環境の把握も忘れずに行いましょう。

4P戦略

4P戦略とは、マーケティングミックスで実際に施策を検討する際に活用するフレームワークです。商品(Product)、販売(Place)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)の4つの視点を組み合わせてマーケティング施策を検討します。

STP戦略で規定した自社戦略を軸に、それぞれの施策を検討していきます。Productでは、商品がどのようなスペックなのか、パッケージ等の商品概要を規定します。Priceでは、いくらで販売するのかといった値段を決めます。Placeは、どこで販売するのかという流通戦略を決めます。最後に、Promotionはどのように顧客とコミュニケーションをするのかといった施策を検討します。

4P戦略で重要なのは、STP戦略とそれぞれの視点に矛盾がないのかを確認することです。

カスタマージャーニー

最後に紹介するのは、カスタマージャーニーです。カスタマージャーニーとは、ターゲットがプロダクトを購入するまでのステップを視覚化したフレームワークです。購入するまでに時系列でターゲットがどのようなメディアに接触し、どのような心理になるのかを整理します。

カスタマージャーニーを整理することによって、どのような施策を実施すれば良いのか、どのようなメッセージを伝えれば良いのかなどを検討するときに活用できます。

マーケティング戦略に活用できる代表的なフレームワークを紹介しましたが、ほかにも様々なフレームワークが存在します。自社がマーケティング戦略を練る上で活用しやすいものを見つけ、有効な戦略を立案しましょう。

マーケティング戦略のポイントは“KGIとKPIの設定”

KPI・KGIの設定
最後に、マーケティング戦略を立案する際のポイントをご紹介します。

Webマーケティングを行っていく上で、マーケティング戦略を立案するだけでは意味がありません。もちろん、実行するだけでも最適な施策を実施できません。

重要なのは、PDCAを回すことで常に改善を行っていくことです。そのために重要なのは、目標・目的を規定することです。

マーケティングを行うことにより、どのような結果を得たいのか、そのためにどのような目標が必要なのかを設定します。

目的や目標を設定する際によく使われるのが、KPIやKGIです。KPIとは、Key Performance Indicatorの略語であり、重要評価指標と訳されます。KGIはKey Goal Indicatorの略語であり、達成目標指標と呼ばれます。

KGIは施策の最終的な目標に対して、KPIはそれを達成するための中間指標となります。

KGIは売上げアップなどの概念的な目標であるのに対して、KPIは顧客のお問い合わせ率を10%アップする、リピート率を20%アップするなど、具体的な数値で設定する場合が多いです。

とくにWebマーケティングでは、サイト運営などを何のために行っており、何をもって成功とするのかが曖昧になる場合が多いです。

そのため、事前にKPIやKGIをしっかり設定することが大切です

まとめ

Webマーケティングを行っていく上でも、しっかりと戦略をもって実施することが重要です。自社が誰に対して、どのような価値を、どのように提供するのかということを規定することによって、メッセージが明確になるだけではなく、施策の効率も上げることができます。

スタートアップや中小企業のようにリソースが限られているからこそ、しっかりマーケティング戦略を検討しましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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