超・働き方改革!「仕事の効率と残業ゼロを両立する!デッドライン仕事術」

創業手帳

~吉越浩一郎&創業手帳の超生産性講座~

働き方改革を考える上で思い浮かぶのが「生産性の向上」と「残業ゼロ」です。
一見、両立しなさそうな2つの課題に頭を悩ませている経営者の方も多いかもしれません。

そこで今回は、「まずは「区切る」から始めなさい! 吉越式「勝ち抜け人生」のためのシンプル思考術」の著者であり、創業手帳の役員でもある吉越浩一郎氏と、創業手帳代表の大久保が「働き方」をテーマに徹底討論。残業ゼロでも生産性が上がる仕事術について、お話を伺いました。

インタビュアー:創業手帳(株) 創業者 大久保幸世

仕事をシンプルに考えれば、改善点が見えてくる

ー日本は残業が多い会社も多く、特にベンチャー業界は長時間労働が当たり前になっていると言われます。どう思われますか?

吉越:日本は「仕事をちゃんとやろう」と考えると、「残業してやろう」という考えに陥ってしまうことが多いと思います。そうなると、日々どんどん疲れが溜まっていくわけですから、どんどん仕事の出来も悪くなってしまいます。しっかり休んで次の日の仕事に臨まないと、生産性はいつまでも上がりません。

大企業でも長年の慣習からか、そのような考えが根付いてしまっています。 つまり、残業ありきで業務の構造が決まっているところが多いということです。
残業をゼロにするように意識を変えるには、長年の慣習を一旦忘れるくらいのエネルギーと、それを先導してやってくれるトップの存在が必要になってくるんだと思います。

大久保:最近、働き方改革という言葉がよく出てきますが、働き方の他に休み方はどうでしょう?

吉越:そうですね。仕事が休みの日って、ゴロゴロして体力回復するようなイメージがありますが、そもそも休みの日って体力回復に使う日じゃなくて、気分転換に使う日なんですね。趣味に没頭してみたり、出かけてみたり、そのような気分転換が生産性に与える影響ってものすごく大きいですよ。

ーとはいえ、すぐに残業を無くすには、時間がかかってしまうかもしれません。徐々にでも残業を減らしていくためには、まずはどういうことに着手すれば良いでしょうか?

吉越:仕事というものはシンプルで、「計画を考える」、「6割くらい全容が見えてきたらすぐ実行する」、「それを決められた期日までに終わらせる」「結果に応じて改善する」というサイクルをこなしていくものです。

もし残業をうまく減らすことができていないのであれば、まずは「このサイクルがうまく機能しているのかどうか」を項目ごとにしっかり検討してみましょう。
すると、例えば、「計画を考える段階で決定権を持っている人がすぐに決定していない」、「期日が決められていない」、といった点が見つかってくるはずです。
そういう問題点を一つずつ解決していったら良いですね。

そして、足りない部分が見えてくることによって社内の状況が明確になってきます。社内が明確になってくると、トップもどんどん判断がしやすくなって、効率が良くなっていきます。

そのサイクルのなかでも、特に重要なのが期日、つまり「区切り」です。
「いつまでに、これをやる」という区切りをきっちりつけることができるようになれば、自ずと生産性は上がってくると思います。

効率よい働き方で成長する創業手帳流の仕事術

ーちなみに、創業手帳では生産性を上げるために、どういう事を実践しているのですか?

大久保:創業手帳は日本の全ての創業者に「創業手帳」という無料の起業のガイドブックを配布しています。起業で最初につまづく定番の情報を集めて本にしており、全国の支店、フリーダイヤルで無料相談をおこなっています。また、起業を考えている人や起業家向けにセミナー・イベントも数多く開催しています。商品の資料請求だけでも月1万商品以上ありますので、莫大な量の業務が発生しています。

生の声を届けるために基本的には直接取材を原則にしているので、記事を作るのにも時間がかかります。ベンチャー企業はおおむねどこも忙しいものですが、ウェブサービスとしての開発、リアルの展開を複合して行っているので、異常に多い業務量をこなしている会社だと思います。

ですが、様々な試行錯誤をして、役員に就任していただいた吉越さんの「吉越式仕事術」も取り入れ、今では高成長しながら、社員の残業時間は49分/日になっています。
吉越さんからは「残業はいつゼロになるんだ?」と言われていますが(笑)、広告×メディア×ベンチャーという長時間労働の多い3つの業界要素を持っているにしては健闘している方だと思います。

残業を減らすといっても、起業だと「ヒト・モノ・カネ・顧客・ブランド・ノウハウ」がありません。だから、大手企業よりもたくさん仕事しないといけないというのが前提としてあります。

そうなると長時間労働の方に行きがちですが、労働時間を長くするのは有限です。一方で、時間当たりの生産性を上げるのは言ってみると限りが無いので、ベンチャーでも短時間で集中して成果を上げるという方向にシフトしないといけないと思います。
とはいえなかなか難しいので、考え方やスキル、会社運営のちょっとした工夫が必要になってきます。そうしたノウハウが吉越さんの本には書いてあります。

創業手帳独自でやっているものとしては、例えば、こういうものがあります。

朝礼の時に「good&new」というものをやっています。朝礼の時に他部署の社員と2人1組になって、前日にあったニュースや良かった出来事を話し合う場を設けています。

私たちのようなベンチャー企業の場合でも、意識しておかないと他部署との繋がりは薄くなってしまいます。企画力やアイディアは情報の垣根が無い、開発と顧客の接する部門の共有密度が高いことが大事です。
「good&new」を行うことによって、お互いの業務状況を理解できますし、「こうした方が良い」といったアドバイスを交換し合うことができます。
ちょっとしたことですが、社員同士のコミュニケーションの場だけでなく、先ほど吉越さんがおっしゃった「社内の明確さ」にも繋がりますので、残業を減らすことにつながっています。

朝礼では続けて、「3分間改善」というものも行なっています。社内では通称「吉越式会議」と呼んでいます(笑)。
社員が改善したい内容を朝礼でプレゼンし、私を含めた社員全員その場で検討して3分以内に判断をする、というものです。
短い決断で決断、改善を繰り返していくことによって、生産性を上げていくことができます。

朝礼では、最後に「同じグループ内でのTODO」を行なっています。
少人数のグループで仕事内容を話し合うことにより、やるべきことが自身のなかで整理されます。自身で一日の仕事を整理して人に説明することで、自分で「気が付く」ということが大事です。

管理職の仕事って、意外に「仕事に対するアドバイス」と「〇〇をやったの?」みたいな確認も多いですよね。お互いに仕事内容をアドバイスするので、リーダーを育てる訓練にもなります。ベンチャーの場合はそこまで管理職を置けないので、自分で気が付いてもらおうという仕組みです。
いろいろやっているように思えますが、短く区切って全体で20分ほどで終わるようにしています。

業務時間内にも「がんばるタイム」というものを設けています。
毎日13:30~14:30の間は電話禁止、私語禁止、出歩き禁止でひたすら業務に集中する、というもので、吉越さんがいらっしゃったトリンプでも導入されています。

最後に、会社の経営の重要な指標を毎日更新して、オープンにする「日次決算」「TODO」があります。会社の重要指標、タスクを全て見える化しており、社員はおろか、外部の株主も希望される方は毎日公開されているので見ることができます。「見える化」「締め切りを作る」と頑張らざる得ない、早くやらざる得ないというのがあります。残業時間を減らすには、短時間で成果を上げるための工夫を一体で行う必要がありますね。

これらは創業手帳でも大きな成果が上がった方法です。
ベンチャーなので、会社を作った直後とかは、締め切り前に徹夜でやるっていうのもありました。徹夜でやると、仕事した気にはなりますし、起業するならそれぐらいのことは厭わない姿勢、覚悟も起業して社長になるような人は持っていることが多いと思います。ですが、徹夜でやると翌日生産性が落ちるので、結局のところ全体のパフォーマンスは少し下がってしまいます。

ただ個人の消耗の上に成り立つ、瞬間最大風速的な頑張りは長続きしないので、割と早い時期に、組織のレベルや生産性を上げて、安定的にパフォーマンスを出せる方向にシフトしました。働き方が安定すると業績も向上しやすくなると思います。再現不可能な頑張りで乗り切るのも起業では現実にありますが、持続可能な働き方になると再現性が上がるので、改善やイノベーションが起こりやすくなるわけです。

「ゆるっと働いて成果を追わない」ということと混同しがちですが、そうではありません。決められた時間内で成果を出すには、集中力を上げるか、やり方を変えるとかの工夫、つまり細かいイノベーションをセットにして起こすことが大事です。

「区切る」から始めると、足りないものが見えてくる

ー会社で働き方改革を実行できる権限がある人といえば社長になると思いますが、そのような方達に伝えたいことはありますか?

吉越:日本の企業はトップにいる人が現場を離れてしまっていることが多いです。そうすると、生産性を上げるにしても「何から手をつければ良いのか」がすごく見えづらくなってしまいます。

残業をゼロにして生産性を上げるためには、「社員たちが働いている現場では、今何が起きているのか?」から把握することが必要になってくるかもしれませんね。

大久保:社長という色々なものを変えていける立場を十分に活かしてほしいと思います。また、お客様やユーザーと話をして生の感覚をつかんでおくことが大事ですね。それをすぐやるのが難しいのであれば、ご紹介したデッドラインや朝礼の仕組みなどはそんなに時間もかかりませんし、コストもかかりません。できるものからはじめてみてはどうでしょうか。

ー上司が変わるのを待つだけじゃなく、自分からでも変えたい!という方に個人でもできるおすすめの方法はありますか?

吉越:「周りがやっているから自分も合わせなくてはいけない」という思いやりの気持ちは日本人特有の素晴らしいものですが、一緒に残業する、といった関係になってしまうと、やっぱり生産性が上がりません。

そのためには、前述しましたが仕事の期日などに「区切り」をつけていくことが一番です。「区切り」をつけていくことで仕事にメリハリが生まれてきて、残業ゼロにつなげることができますし、周りの仕事仲間にも教えていけばどんどん広がっていきます。

そうやって自分で働き方の流行を作っていけたら、会社全体を巻き込んでもっと良いサイクルを作り出すことができると思います。

ー最後に、読者に向けてメッセージを一言お願いします!

吉越:最近、働き方改革を国が進めていて、残業ゼロという言葉もよく出てくるようになりましたが、まだまだ浸透していないのが現状です。

社長や上司が変わることを待っていては、なかなか行動に移せません。
会社全体のサイクルを変えるというよりも、まずは自分が向き合っている仕事の「区切り」から見直してみると、残業ゼロに結びつくような発見があるかもしれませんよ。

吉越氏 著書についての詳細はこちら

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(取材協力:創業手帳/吉越浩一郎)
(編集:創業手帳編集部)

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