7つの工夫で売上10倍に!価値を伝えるキャッチコピー術

創業手帳

スタートアップ必見!ビジネス成功の秘訣【第1回】

良い商品のはずなのに、なぜか売れない、お客様に良さが伝わらない、どことなくダサい、そんな風に感じたことはありませんか?もしかしたら、それはキャッチコピーのせいかもしれません。そこで今回は、誰でもできるちょっとした工夫で成果を上げる方法をご紹介します!

全6回にわたりお送りする「起業家のためのビジネス成功の秘訣」。
第1回目となる今回は「価値を伝えるキャッチコピー術」について解説します。

松本全司
大学卒業後、マーケティング会社に入社、3年目にマーケティングコンサルタントとしてNo.1の業績をあげる。その業績を買われて住宅メーカー(ミサワホーム)に入社、市場調査部門、営業部門、アパート事業部門などを担当後、販売教育部門の責任者として12年間営業部門の教育を担当し、新卒から管理職までの研修体系を構築した。その後、元上司が創業したコンサルティング会社「サクセスウェイ」のマネージャーに就任し、リーダーの養成や営業支援活動を担当している。

商品価値、しっかり伝えられていますか?

ダイレクトメールでもチラシでもPOP(店内の商品につけるPR文)でも、キャッチコピーが最も重要です。ほとんどのお客様はキャッチコピーを見て判断をするからです。

ですが、お客様に商品を購入してもらう可能性を高めるためには、どんなキャッチコピーを考えれば良いのでしょうか?

キャッチコピーを考える際に最も大事なことは「商品の価値を伝えること」です。

「そんなことは当たり前のことじゃないか!」と思われたかもしれませんが、価値を伝えきれていない商品が圧倒的に多いのが現状です。
では、商品の価値をお客様に実感として伝えるにはどうすれば良いのでしょうか?実際に効果のあった事例とともに見ていきましょう。

キャッチコピー術1. 作った人の苦労やこだわりによって伝えよ

「価値を知っている人」つまり、「商品を作った人」の声を提供しましょう。商品を作った人の苦労話や工夫したこと、こだわりなどをキャッチコピーに表現できれば、お客様の気持ちを引きつけ、深い納得感を与えます。

例えば、あるお店のハチミツのPOPには、こんなキャッチコピーが使われていました。

“40カ国のハチミツを食べ歩いて巡りあったハンガリーのアカシアのハチミツ、極寒のハンガリーで生き延びたアカシアの強さが極上のなめらかさの秘密です”

このキャッチコピーによって売上はなんと5倍以上に増加しました!
キャッチコピーを作るときは、商品開発者の声に耳を傾けてみましょう。

キャッチコピー術2. お客様の声によって伝えよ

価値を知っている人は商品開発者だけではありません。買ったお客様にも価値を語ることができます。商品の購入者に「商品を使った想い(感動や驚き)」を書いてもらえれば、それがキャッチコピーになります。

例えば、あるお店で販売されている毛玉取りがものすごい売れ行きを見せています。そのキャッチコピーに使われているのはお客様のある言葉でした。

「毛玉を取れば長持ちする、毛玉取りはストレス解消になる」

このキャッチコピーを取り入れた結果、その店だけで売れるようになりました。

キャッチコピー術3. 売る人の想いや体験によって伝えよ

さらに、商品の価値を伝えることが出来るのは販売者である「あなた」です。
あなたやあなたの会社の社員が、商品を使った体験や今までの経験を基に「是非体験してほしい想い」を語れば、その想いはお客様に伝わります。

例えば、あなたがコンビニを経営しているときに、販売を強化していきたいドリンクがあったとします。そんな時は、こんなキャッチコピーはどうでしょうか?

「コンビニを始めて5年、一番好きな飲みものに出会いました。それがこの〇〇、どうしても飲んでほしいドリンクです。」

こんなキャッチコピーを書くことができれば、お客様の購買動機を確実に刺激するでしょう。

キャッチコピー術4. 使用イメージを伝えよ

お客様の頭の中にイメージをつくり出すことができれば実感が生まれ、その実感によって購買行動が促進されます。人の脳は、イメージを作ってから、そのイメージに基づいて行動するようにできているのです(条件反射や生理現象は対象外です)。

例えば、数ヶ月に1~2脚しか売れなかったある高価な椅子が、イメージの湧くキャッチコピーを付けることによって1ヶ月に9脚も売れました。そのキャッチコピーとは、

「読書するならこの椅子だ」

というものです。実際はどんな使い方をしても良いはずの高級椅子を、「読書用」として使用イメージを伝えています。あえて限定的にすることで、お客様に魅力を感じてもらうことのできる、切れ味の鋭いキャッチコピーになりました。

さらに、夏の冷酒の美味さを伝えるのに作ったキャッチコピーが

「涼しい酒そろえました」

というものでした。
「涼しい酒」=「夏に飲むべきお酒」というイメージを高める表現です。

キャッチコピー術5. ベネフィットを伝えよ

商品の価値をお客様に実感してもらうのに、もう1つ方法があります。それは、ベネフィット、つまり商品から得られるメリットや、悩んでいたことの解決策をイメージで伝える手法です。

お客様の頭の中にリアルなイメージを作るには、脳内に具体的なシーンを描かせる手法が効果的です。コピーによって具体的なシーンが湧いてくれば、購買意欲を高めることができます。

例えば、あるスーパーでの防水スプレーは、「防水スプレー980円」の表示を、こんな風に変更してみました。

「あっ、こぼしちゃった。せっかくの飲み会を台無しにしたくないあなたへ」

今までは1か月に1本も売れなかった防水スプレーが、このキャッチコピーに変更した結果、なんと月100本近くも売れるようになりました!

キャッチコピー術6. 商品名でイメージを伝えよ

商品名でイメージを伝え価値を感じてもらえば、抜群の訴求効果を発揮させることができます。これこそ究極のコピー術です。

例えば、銀座まるかんの大ヒット便秘薬「スリムドカン」
足がむれないことをイメージさせるネーミングで大ヒットしたレナウンの靴下「通勤快足」
「イボコロリ」「ゴキブリホイホイ」「タフマン」もイメージが湧き、価値が伝わる商品名ですよね。

いずれも大ヒットしています。

キャッチコピー術7. 値段の根拠を伝えよ

最後に、着実に購買に結びつく方法を提案しましょう。それは「お客様が買うための理由をキャッチコピー化すること」です。「この商品はなぜ高い値段をつけているのか?」、「なぜ多くのお客様から評価されているのか?」価値とその根拠を伝えて、お客様の納得を得ることができれば買ってもらえます。根拠を示せば、それがお客様の購買理由になるからです。

例えば、東京郊外にあるそばと肴のお店は、「1,200円の鴨の鉄板焼き」がランチタイムにまったく出ないことが悩みでした。そこである日、このメニューにこんなキャッチコピーを付けてみました。

「人気テレビ番組の特選素材に選ばれた青森県産本鴨を使用、本当の鴨の美味さが堪能できます。鉄板で焼くので遠赤効果で美味みは2倍に!」

このキャッチコピー効果で、オーダー数は以前の10倍にもなりました。

忘れてはいけない2つの考え方

ここまでキャッチコピーの技術について解説してきました。しかし、どう表現するかということ以前に、「商品の価値を見極めること」が何よりも重要であると心得ましょう。
商品の価値を見極めるためには、商品を作った人、商品を購入した人の声を集めること、売る人が商品を使用して価値を知ることが大事です。価値を見極めれば、素晴らしいキャッチコピーをつくることは難しいことではありません

そして、忘れてはいけないのは、「消費者であるお客様は2度評価する」ということです。購入時と購入後の2度です。

商品の購入を促進するために異常に恐怖や欲求を煽るコピーを時々見かけます。そのコピーを見て商品を購入したお客様は、購入後どんな気持ちになるでしょうか?

つまり、「購入時に異常に恐怖や欲求を煽るコピーは購入を促進するが、購入後、後悔させたり不満度を高めたりすることでリピートが発生せず、長い目でみると損失の方が大きい」ということです。そのことは忘れずにいてくださいね。

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(監修:株式会社サクセスウェイ 松本全司
(編集:創業手帳編集部)

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