資金調達の問題解決策!「クリエイティブ」を実現させる近道~クラウドファンディング~

創業手帳

株式会社ハイパーインターネッツ代表 石田光平氏 × お笑い芸人 長井秀和

資金調達は創業時に重要なテーマであるが、その方法は多岐に渡る。大別すると、お金を借りる「融資」、将来のリターンを見込んでお金を出してもらう「出資」があるが、この「出資」の中でも近年注目されている手段として「クラウドファンディング」がある。日本最大級規模のクラウドファンディング・プラットフォームを運営しているキャンプファイヤー代表の石田光平(いしだこうへい)氏に「間違いない!」のフレーズでおなじみの長井秀和氏がお話を伺った。

campfire CEO石田 光平さん

クラウドファンディングビジネス

長井:クラウドファンディングとは、具体的にどのような仕組みで、どのようなことが可能なのでしょうか?

石井:簡単に言うと、インターネットを通した資金調達手段の一つです。従来でしたら起業するためには資本金の準備が、事業や商店を始める為にはお金が必要でした。しかし、その部分をもっと細分化して、例えばCDを作る場合、ものづくりのクリエイティブな部分への資金調達が出来る仕組みで、インターネット上で行われているのが特徴です。

考え方としては古くからあるもので、例えば神社でお祭りをする時にお金を出し合い、見返りに自分の名前入りの提灯が並べられたり、自分の出身大学や高校へ備品を提供する為にお金を出し、イス等の備品に名前を入れてもらったりする事に近い感覚です。

長井:以前放映されていた日本テレビの「マネーの虎」のような感じですね。

石井:支援を望む人間であれば誰でも参加して資金を調達する権利を得られるシステムです。

長井:資金の調達というと審査が厳しく、それなりの主張や資本金の調査等が行われるイメージがあるのですが…

石井:審査内容は最低限の審査です。視点を変えたドキュメンタリー映像や、面白いコンセプトの写真集を作ったりするということ自体がクリエイティブだと私たちは考えています。ですから審査項目には、①日本に住んでいるか ②実現の可能性があるか ③クリエイティビティーがあるかといった内容をはじめ、いくつかの項目があります。CAMPFIREは特にクリエイティビティーを重要視しており、クリエイティブな分野に特化しているところがサービスのコンセプトでもあります。

プロジェクト開始

長井:審査が通るとプロジェクトの掲載が開始されるのですね。

石井:「こんなことをやってみたい」という内容と「目標金額」と「募集期間」を設定します。例えば、CDを作りたい場合、どのようなアーティストのCDをどのように作るのかをCAMPFIREのサイト上で詳しく説明したり、サンプルとなる楽曲を提示します。そして、必要な費用100万円(目標金額)を3か月間(募集期間)で集めると決めます。

この3カ月間は、CAMPFIREのサイト上で不特定多数の人々に対し、やってみたいことに関する様々なプレゼンを行うことができます。アイディア次第で賛同してもらえる人を増やすことが出来る仕組みなのです。

オール or ナッシング

長井:オールorナッシングという手法をとられていますが、内容はどのようなものなのですか?

石井:設定していた3ヶ月を経過しても、目標金額の100万円が集まらない場合は、それまでに集まっていたお金は全額支援者へ返金されて募集は終わります。一方100万円を超えた場合は、集まった金額の手数料20%を除いた額がその人のもとへ入り、プロジェクトを実現する資金集めが成立します。アーティスト、クリエーター、パフォーマーは支援してもらった人への責任が前面に出てきて、一人で取り組んでいるよりも良い効果が出せる事もあります。

長井:支援者が後押ししてくれていることは、良い物づくりに期待が持てますね。
※プロジェクトの例

世界一周

iPadをフロントガラスに搭載した車で世界1周をして、コマ送りで撮影した画像を作品にする。

花やしきで挙式

(一般の方当てはまりませんが)芸人さんが花やしきを貸し切って結婚式を挙げ、色々な人を呼んでエンターテイメント性を持たせる。


資金集めのハードルが低くなる

長井:話題の資金調達方法として、クラウドファンディングという仕掛けの波に乗っているという感覚はありますか?

石井:利益を得るというよりは、ヒットを生み出す仕掛けに関わっているという点が嬉しいです。大きな成果が生まれているアメリカではクラウドファンディングによって集められた資金で制作したCDや作品がビルボードでトップ10入りしたり、アカデミー賞候補になったりと、サブストリームからメインストリームになりつつあります。日本はまだまだ努力次第で成長して行けるのではないかと考えています。

不正な入札やコネや援護等がなくても、才能やアイディアや希望や熱意があれば一般の方が銀行から借りられないような金額を資金として集め、ビジネスを成功させることが出来る例が沢山あるということを日本の方に知っていただき、もっと利用していただきたいです。

長井:従来の借り入れや融資との相違点はどこにありますか?

石井:アーティストの方がCDを制作する為にお金を調達するとします。銀行から借りる場合、音楽にあまり興味のないような(銀行の)方と話をして、音楽について理解してもらう労力や時間が必要になります。ましてや無名のアーティストともなれば、深い共感を得られて融資が成立するということはなかなか難しいのではないでしょうか?

しかし、クラウドファンディングであれば、実際のファンや興味のある方から、内容を見てもらったうえでお金を集めることが出来ます。
前者よりも後者のほうが、理解も方向性も深まりやすく、資金集めのハードルが低くなるということです。このように、クラウドファンディングはビジネスの有益なスキームとして、一つの選択肢として存在するのだと思います。

長井:お金を出す方のメリットはあるのですか?

石井:支援をした人には、物やサービスとしてのリターンがあります。「儲かる」というよりは、好きな物や事に「お金を使う」というお買い物の感覚に近いかもしれません。

※クラウドファンディングには様々なタイプがある

  • 購入型…物やサービス
  • 融資型…金利・利子
  • 投資型…株式・配当
  • 寄付型…善意・寄付など


起業の経緯

長井:アメリカなどでは従来からあったビジネススタイルですが、以前からクラウドファゥンディングビジネスに照準を合わせておられたのですか?

石井:当初から面白い仕組みだと着目していましたが、ビジネスとして成功させたいと思ったのは4年くらい前(2011年6月 開業)からです。もともとインターネットビジネスに狙いを定めていました。クリエイティブな事に享受するのが好きで、自分のできる範囲で何か関わりを持ちたいと思っていました。でも、音楽や映画や漫画を描くようなことは苦手でしたので…。ちょっとお金を出すことで自分の名前が出たり、意見が言えたりするような場を作ったら、皆がクリエイティブな事に参加しやすくていいのではないか…と思ったのがきっかけです。

今後の目標

長井:飛躍的に成長を遂げていますが、今後の目標をお聞かせください。

石井:今現在は、1000以上のプロジェクト、総支援額が4.4億円 12名のスタッフで運営しています。今後は、国内のマーケットとして年間100億円を目標としています。皆にとってとても良いスキームなのでもっと広めて行きたいです。アイディア次第で無限大に広がるビジネスを展開できるという利点と、クリエイティブな活動の後押しになればと思っています。


創業手帳読者へのメッセージ

長井:最後になりますが、創業手帳読者へのメッセージをお願いします。

石井:実用書や雑誌はヒントになりますが、マニュアル通りにやってうまくいくことはないので、まず自分で行動することが大切だと思います。私自身、マニュアル通りにやるのは苦手なんです…(笑)

まとめ

クラウドファンディングでは、掲載してプロジェクトがスタートした時に、目標額を募れるかどうかがポイント。金額を募る為のテクニカルなコツはたくさんあるが、その人が本当に資金を集めて目指していることを実現したいと思う気持ちと実行力があるかどうかが最も重要視されるべき点である。クリエイティブな要素を携えていれば誰でも実現がかなう位置にいるというところが、CAMPFIREの面白いところだ。

石田 光平(いしだ こうへい):東京都生まれ。2011年1月に家入一真と株式会社ハイパーインターネッツを創業。クリエイティブなアイデアの実現に必要な費用を、そのアイデアに共感した人々から少額ずつ集めることができるクラウドファンディング・プラット フォーム『CAMPFIRE』を運営。2014年現在、『CAMPFIRE』は日本最大規模のクラウドファンディング・プラットフォームとなっている。
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