「まずはやり切る!」 動画の知識ゼロから日本初の動画経済メディアを立ち上げた、ビジネスストラテジー 上田一輝氏インタビュー

創業手帳
※このインタビュー内容は2018年03月に行われた取材時点のものです。

株式会社ビジネスストラテジー 代表取締役社長 上田 一輝氏インタビュー

(2018/03/05更新)


「経済って何となくむずかしい」「もっと気軽にビジネスを学びたい」そう思っているビジネスパーソンや学生は多いのではないでしょうか。
上田一輝氏は、経済に関心を持つ人を増やしたいという想いから、経済を1分で学べる動画メディア「ビジネスオンラインチャンネル」を2017年10月に開始しました。
さまざまなことに課題を感じ、それを解決するために研究者から店舗経営者、講師から起業家と常に挑戦を続けてきた上田一輝氏。起業のきっかけと、起業時に気を付けるべきことについて詳しく伺いました。

株式会社ビジネスストラテジー 
代表取締役社長 上田 一輝(うえだ・かずき)

東京農業大学応用生物科学部醸造科学科を首席で卒業後、「経営を学びたい」という強い思いから、研究室には残らずにイオングループのミニストップ株式会社に入社。人事管理から店舗経営まで幅広く担当する。そのノウハウや経験を活かし、講師として独立。2017年4月、株式会社ビジネスストラテジーを設立。同年10月、日本初の動画経済メディア「ビジネスオンラインチャンネル」をスタートさせる。

研究者から講師へ。大学生の実情に衝撃

ーはじめに、具体的な事業内容を教えてください。

上田:日本初の動画経済メディア「ビジネスオンラインチャンネル(BOC)」の運営を行っています。経済を知るには、何も経済新聞や専門誌を読むことがすべてではありません。もっとライトな感覚で、経済に関心を持つ人を増やしたい。そんな強い想いからBOCというメディアをスタートさせました。

具体的には、企業の面白いところを中心に「コンビニ業界ナンバーワンの出店戦略とは?」 「有名居酒屋チェーンの最も利益が出る商品とは?」 「大手鉄道会社の運輸業よりも収益の高い事業とは?」そんな「経済に興味を持つ」ためのファーストステップを提供しています。現在、450本以上の動画を公開しており、2018年8月までには1,000本の動画公開を実現する予定です。

ー起業のきっかけはなんだったのですか?

上田:もともとは東京農業大学で、味噌の成分について研究をしていました。地味な研究ですが、コツコツと成分のノウハウを貯めることで、将来的には大手食品メーカーや香料メーカーにとって貴重なデータになる、大事な内容でした。しかし当時、自分たちの研究をどれほど大きな価値に繋げられるか、を考える研究者はわずかでした。もどかしかったですね。

そうして研究ではなく、よりダイレクトに成果が見えて、かつ人々を幸せにすることがしたい!という想いから、経営を学ぶべく、研究室には残らずにイオングループのミニストップ株式会社に入社したのです。そこではフランチャイズシステムを学びながら、人事管理や店舗経営を中心に担当し、多くの経験を重ねることができました。

その後、講師として独立。最初は塾講師からスタートして徐々に活動分野が広がり、数年間で大学の授業や大手企業の研修を担当させて頂くなど、順調に歩んできました。しかしそんな時、衝撃的なことがあったのです。

ある日、経済学部の大学生を対象にした講義中のこと。大半の学生が経済学部にもかかわらず、日経新聞を読んだことが無かったのです。それどころか、経済に興味すらない。愕然としました。そんな現実を見て、分かりやすく、興味を持って経済を学べるメディアをつくろうと思ったのです。

「仕事を属人化しない」経営が、スタッフを活かす

ー法人化するにあたり大変だったことはありますか?

上田:法人化したのはいいのですが、動画を製作する知識やノウハウを全く有していなかったため、とにかく壁の連続でした。
それでもPDCAを繰り返しながらいくつもの試作品を制作し、リリース時までに100本の動画を揃えられるよう、必死に日々作業をしましたね。

ーそれでも法人化してよかったと思いますか?

上田:良かったと思いますね。特に私の経営スタンスは、仕事を属人化しないこと。仮に私が倒れたとしても、それぞれのスタッフがそれぞれの得意分野を活かしながら、ビジネスを継続させることができます。その採用活動を行う際、法人格を有していることは当然、プラスに働きますよね。

また、併せてオフィスの環境も整備したことは個人的に大きな転機となりました。私は講師時代、登壇以外は自宅で仕事をしていましたが、一度オフィスを持ってしまうともう戻れないですね。自宅の時はお客様をお招きできる環境ではないので、打ち合わせはもっぱらカフェで行っていました。毎回場所を調整してカフェを探すのが面倒でしたが、今はそんな煩わしさはありません。

あとはオフィスを構えるとオンオフが明確にできること、社員を増やす気になれることがメリットですね。コストはかかりますが、法人化と併せて考えておくとよいポイントかもしれません。

ー未来のことを考えた上での法人化とオフィスの設置だったのですね。そんなビジネスストラテジー社の、今後の展開を教えてください。

上田:まずはメディアとしての成長を目指し、多くの企業様とのコラボレーションを加速していきます。現在の動画も随時ブラッシュアップさせ、より視聴者にとって魅力的なコンテンツを目指してまいります。

また、一般的に動画広告はコストが高いため、中小企業が参画しにくい状況になっています。ですから、中小企業でも気軽に動画広告ができる、広告出稿の費用対効果が高いメディアを目指していきます。

そのため、2018年2月には新サービス「動画広告.net」を立ち上げ、月8万円から動画広告を実施できる体制を整えています。

「やり切る」行動と、「切り捨てる」決断

ー最後に、起業を考えている方にメッセージをお願いします。

上田経営者は何よりも「自らやり切る」覚悟が必要だと思います。仮に方針転換しても、自分の中で「やり切った」と言えるまで、きちんと動くことが大切です。

また、「切り捨てる」ことも経営者しかできない、重要な仕事です。多くの人は「○○が重要」とは言っても、切り捨てる決断を意識的にやっていることは少ないのではないでしょうか。

この2点をしっかり守りながら、社員を大切にすることで、自然に成功に近づくと私は思っています。ぜひ皆様の事業が成功することを祈念しております。ありがとうございました。

(取材協力:株式会社ビジネスストラテジー
(取材協力:三幸エステート株式会社
(編集:創業手帳編集部)



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