店舗は重要な広告。「視界性」と「認知性」で認知を促す店舗立地を

広報手帳

”視界性と視認性”を意識した店舗立地とは

(2016/05/20更新)

前回のコラム(「導線調査」を制すものは、店舗経営を制す!売上に直結する商圏調査の基本)では、商圏調査として人口統計調査や導線調査についてお話をしてきました。
今回は商圏というよりは立地という側面でお話をしていきたいと思います。

1.店舗は24時間宣伝を行ってくれる重要な広告手段

店舗は信頼になる

前提条件として、ここ最近、経営者にとって「店舗という存在」に関しての関心が薄れているという現状があります。

店舗型ビジネスは無店舗型と比較して、店舗があることで大きな信用があるという特徴があります。

その代わりに、商圏が存在し、新規商圏を獲得するためには、多店舗展開という手段をとって商圏を獲得していく必要があります。

店舗は、最初に大きな投資を行いますが、その後は、24時間365日お客様に宣伝を行ってもらえる重要な広告手段であると考えています。

毎日どれだけの人が店舗を見るだろう

例えば、皆様のお店の前を1日何人の方が通るでしょうか?1日10,000人が通るとすれば、その10,000人のうち、10%の1,000人が認知したとしても、これを365日行う広告があるかというとそういう広告は存在しません。

どんなに、有力な媒体であってもそんなにアクセスはないはずです。

それだけ店舗は重要な広告手段となります。

特に地方ではまだまだ店舗を認知し、その後、ネットでの店舗の検索を行う傾向が強いと感じます。

店舗が広告手段と考えて頂くと非常にわかりやすいのですが、店舗の立地側面で一番重要ななことは店舗を『認知』して頂く、『視認性』と『店舗の見え方』の『視界性』の2つとなります。

今回はこの件についてお話をしていきたいと思います。

2.店舗の視認性と視界性はお客様の視点が基準

視認性と視界性が良い店舗とは

ではそういったお店が店舗の視認性と視界性が良いのでしょうか?

まず皆様が歩いているとします。そこで店舗が見えている必要があるものは10m先と言われています。

店舗を目の前の導線から左右に10m先から店舗を見て、よく見えているかが重要となります。

店舗は当然、全体が見えることが非常にわかりやすくなります。

そのため、店舗の次のことを着目して頂きたいと思います。

視認性と視界性が良い店舗にするためのポイント
  • 店舗の間口
  • ・建物間口は、4m以上が理想とされています。また、入口間口は、2m以上が理想とされています。
    ・建物の間口が広ければ広いほど、お客様からは見えやすいということになります。

  • 店舗の見える距離
  • ・徒歩で来店されるお客様から見えた方が良い距離は10m以上と言われています。
    ・車で来店されるお客様から見えた方が良い距離は100mとも言われています。
     (最低限50mから見える方が良いと思います)

  • 見えるのは店舗全体か一部か?
  • ・前述の「店舗の見える距離」から、「店舗全体」が見えるのか?一部なのか?を検討します。
    ・当然、見える範囲が大きい方が、視認性が良いということになります。

  • 交通発生源からの見え方
  • ・前回の導線調査の際にお話した集客するマグネット施設からどのように見えるかが必要になります。当然、見えた方がマグネット施設のお客様の集客が見込める可能性が高くなります。

  • 店舗の向きも需要
  • ・店舗の向きっも重要です。当然、通る導線から見て一番店舗が正面に見える方が、認知性は高い立地と言えると言えます。

  • セットバックしていないか?
  • ・セットバックとは、前面道路から店舗が大きく後ろに下がっていることを言います。
    ・視界性が良い場所であれば問題はありませんが、視界性が悪いところで、セットバックをしていると、店舗がお客様に認知されにくくなります。

ここに書いてあることは理想を記入しています。ですので、上記を満たしていない店舗も多数あります。しかし、上記を良く知っておくことで、認知されやすい店舗にするためのヒントを得ることができます。

ポイントはお客様視点

ここで重要なことはお客様の視点で見るということです。

主体者が見る場合は、どうしても客観的に店舗を見ることが出来ない状態が多いというのが実情です。あくまでもお客様の目線で店舗を見ることが重要だと言えます。

3.上記の店舗の視認性が一部満たしていない又は全く見えない店を選ぶ場合

視認性が悪い店舗を既に選んで起業されている方もいると存じます。

そういう場合はどうすれば良いのでしょうか?

その場合は看板を活用するといったことが重要です。

例えば、通り沿いに案内板となる看板を設置したり、店舗前の大きな看板を設置したりすることも出来ます。

それでも対応が出来ない場合は、広告宣伝で認知させるということになります。

多くの店舗経営者は、家賃だけに目がいき、広告宣伝を大量にかけているといった方がいらっしゃりますが、これは逆であるべきです。

当然、適正な家賃比率がありますが、後から『広告で対応すればよい』というのは、非常に危険な判断です。是非、店舗に拘り物件選定をして頂きたいと思います。

4.まとめ

今回は店舗の視認性・視界性という視点でお話をしていきました。

次回は、看板という視点でお話をしていきたいと思います。

視認性・視界性や立地で一番重要な項目です。

是非、お客様の目線で客観的に自分の店がお客様から見えているかという視点で見て頂きたいと思います。

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(監修:販路企画 田口勝(たぐちまさる)
(編集:創業手帳編集部)

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