浅田真央×エアウィーヴの影の立役者が伝授!お金をかけずに効果を生むPR方法【その4】

広報手帳

【テレビ・新聞編】小さい会社でもできるの?お金をかけずに巨大メディアに取り上げられるためのポイントや注意点

(2020/06/28更新)

エアウィーヴの国民的アイドル浅田真央さんをイメージキャラクターにして、売り上げを大幅アップさせた影の立役者笹木郁乃氏が、PRについてノウハウを惜しみなく語るシリーズの第4弾。今回はついに最終回です。
最後を飾るのは、テレビ・新聞など既存メディア編です。テレビや新聞広告は出稿費が高く、大手の企業でないと手が出せないイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。大きなメディアであればあるほど影響力が大きいのは言うまでもありません。低予算でビックメディアと上手に付き合うポイントなどを聞きました。

企業の成功率UPのためのガイドブックを発行する創業手帳では、広報ノウハウを集めた広報手帳も作成しています。少人数、低予算でも実現できる広報のコツを知りたい方は併せてご覧ください。

笹木郁乃

笹木郁乃(ささき いくの)株式会社LITA 代表取締役、PRプロデューサー

「PRをより身近に、PRの力で人生に感動を」を信念に活動を続ける。山形大学工学部機械システム工学科を首席で卒業後、「アイシン精機株式会社」に研究開発職として勤務。さらなる自分の可能性に挑戦するため寝具メーカー「株式会社エアウィーヴ」へ正社員1人目として転職し、営業・マーケティング・PRを兼務。社長と二人三脚でPRの力で年間売上1億円の会社を5年で115億円へと急成長させることに貢献。その後数社を経て現在は独立し、PR講師として3年で1200名の起業家・経営者に指導する実績を持つ。「0円PR」(日経BP社)が好評発売中。

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どのような段階を踏めばビックメディアにたどり着けるのか

ー会社やサービス、商品などがテレビに出るにはどうすればいいですか

笹木:前回の記事でもお伝えしましたが、まずはプレスリリースを作成しましょう。新商品を発売するタイミングや売り上げが急増しているタイミングなど、新規情報があるタイミングに出されると効果的です。
プレスリリースをどこに送るか、こちらもまたポイントとなってきます。プロモーションの基本である「1対1でラブレターを送る」つもりで取り組むことも必須です。

次に、具体的にしてほしいことは番組研究です。しっかり番組を視聴し番組ごと、コーナーごとに特徴を把握しながら出たい番組、出られそうなコーナーを探しましょう。そして、その番組を作っている人の気持ちを想像してみましょう。どんな商品を紹介したいか、どんな物語を伝えたいのか、どういう映像が撮りたいと思うのか。
そこまで考えることができれば、もうみなさんは「自社を売り込みたいだけの人」ではなくなります。番組の潜在的な協力者です。リリースを書く時にもその番組やコーナーをイメージしながら書く方がいいでしょう。そう、ラブレターのように。

そして、いざテレビ局の人が興味を持ってくれた時には、自社紹介資料を渡すことをおススメしています。自社紹介資料とは、キレイにまとまった会社紹介資料ではなく、社長ないし、担当者がパワーポイントで自作した会社紹介用のプレゼン資料のことです。
これは「お金をかけずに、顧客に愛されて、売り上げを伸ばす」活動をするために必須のアイテムです。自社に興味を持ってくれた番組制作者の方に、あなたの会社の魅力をもっと知ってもらうチャンスですので、ぜひ事前に自社紹介資料を作成しておいてください。

小さい会社のテレビ広告成功事例から見るポイント

ー小さい会社でテレビに出られた事例はありますか

笹木:もちろんあります。
私の主宰するPR塾で学んでいたある地方企業の広報担当者の事例です。講義中に人生で初めて作成したプレスリリースを配信したところ、その企業が主催したイベントにテレビ局5社、新聞2社、雑誌1社、タウン誌・専門誌各1社が取材に来ました。もちろんメディアが好む題材であったこともあるかもしれませんが、プレスリリース1枚にはこうしたメディアを呼ぶ可能性を秘めているのです。

また、ハードルが低い事例として、私のクライアントの中には記者クラブへ定期的にリリースを出し、地元紙に取り上げてもらっているうちにテレビ局から出演オファーがあったという事例もよくあります。

直球でテレビ番組を狙うことだけがすべてではありませんが、どちらの事例もプレスリリースから始まっています。それほど、プレスリリースは大切ということです。

ー 記者クラブとは何ですか

笹木:記者クラブとは複数メディアの記者が所属する団体で、各都道府県や商工会議所などにあります。それぞれに特徴があるので、目的に合わせてプレスリリースを配るべき記者クラブを選びやすくなっています。プレスリリースを作成したら、まずは自社が所属している業界の記者クラブを訪問し、配布をお願いするというのも最初の一歩としてはいいアプローチだと思います。

さらにおススメなのは、地元の情報を細やかに拾い上げてくれる地元の記者クラブです。地元の記者クラブには全国紙やテレビ局なども所属しているので、地元に根差したサービスや商品であればぜひプレスリリースを配布することをおススメします。
記者クラブはそれぞれに独立しているため、プレスリリースの受付方法などが異なります。プレスリリースの配布を希望する際には、電話などで問い合わせて段取りを確認しましょう。

新聞広告への近道は「人」と繋がること

ー新聞でのPRはどのように考えればいいですか

笹木:新聞に載りたいときには、とにかく記者さんを探すことがポイントです。「この記事を書いた記者さんにこのサービス(商品)を知ってもらいたい」「この情報を伝えたい」と思う記者さんを探しましょう。
全国紙の場合はその記者さんがどこの支局に所属しているかはわかりませんが、どこの面に載っている記事かをしっかり把握して、代表番号に問い合わせることも一つの方法かもしれません。その時は「○月○日の○○面△△さんの記事を見てお電話しました」と伝えましょう。そして、その記者さんとお話できる時には記事を読んだ感想も伝えてください。ここでもラブレターのようにお話しすることがポイントです。

メディア露出が増えることによる情報の一人歩きを防ぐためには

ーメディアPRを不安に感じることもあります。コントロールできない広報とどう向き合っていけばいいですか

笹木:たしかにメディア露出や記事の方向性をコントロールすることはできません。しかし、情報提供する内容やコーナーの主旨をしっかりと把握してアプローチすれば、悪いようには取り上げられないはずです。まだまだメディアの力は大きいですし、メディアに取り上げていただけることで信頼が生まれていきます。
取材くださる記者さんやテレビディレクターさんと良好な関係を築くことも一つのポイントです。メディアの人がどんなことに関心を持ち、どんなことを報道したいと思うのか、すべては記事や番組に答えがあります。しっかりと特徴を把握していれば、ある程度報道イメージは想像できるはずです。誠実に情報提供していけば、悪く切り取られる可能性は限りなく低いので安心してください。

大切なのはPRしたいものに対する熱量

ー最後に、全4回を通じて創業手帳の読者に伝えたいことをお話ください!

笹木:最後までコラムを読んでいただき、ありがとうございます。
私自身、エアウィーヴやバーミキュラがメディアに取り上げていただいたことによって会社の変化を体感しました。会社や商品の認知がどんどん広がっていき、売り上げが何倍にも拡大していきました。これまではお願いしてもなかなか取材してもらえなかったのに、何もしなくてもメディアの方から取材依頼が来るようになりました。それも、わずか数年でそのように変化していったのです。

お伝えしたいのは「会社が小さい時こそチャンス!ということ。世間が知らない情報のためメディアも飛びつきやすく、お金もかからないという強みがあります。
ぜひ、このPRの力を感じていただきたいです。

私がPR会社を立ち上げたのは、様々なPR会社にPR代行をお願いしても自分と同じ熱量でPRしていただけなかった寂しさからです。私は今でも、PRできる自社社員がいるなら、自社社員が情熱を持ってPRすることが良いと思っています。
だからこそ、エアウィーヴで広報を立ち上げたときに学びたかった広報スキルをPR塾でお伝えし、私が経験してきたことを書籍にまとめ出版いたしました。

このコラムを4回すべてお読みいただければ、メディアにアプローチできるはずですので、ぜひトライしてみてください!
PRは学ぶだけでは身につきません。実際にアプローチしていく中でスキルアップしてきます。メディアに紹介された時のことをイメージしながら頑張ってアプローチしてみてください。きっとこれまでに体験したことのない、PRの力を感じることができるはずです。

あなたの作ったプレスリリース1枚が、あなたのアプローチしたその時間が、会社を変えるかもしれません。みなさんを応援しています。

【まとめ】全4回を振り返って

成功体験に基づくお話にはどれも説得力がありました。具体的に今何をどうしたらいいのかということや、その際の注意点などを惜しむことなくお話しいただきました。

相手がテレビであれ新聞であれ何であれ、その先にあるのは人です。笹木氏が何度もおっしゃられていた「ラブレターを書くように」それこそが広告の基本と言えるのではないでしょうか。

創業手帳では、広報ノウハウを集めた広報手帳も配布しています。少人数、低予算でも実現できる広報のコツを知りたい方は併せてご覧ください。

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