お客様が応援団。クラウドファンディングで170万達成&助成金採択!「つがね食堂」の開業ストーリー

創業手帳
※このインタビュー内容は2017年02月に行われた取材時点のものです。

「つがね食堂」藤田美香さんインタビュー

(2017/02/13更新)

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「農作物を捨てたくない」の思いから開業を決意

ー食堂を営むに至ったきっかけは?

藤田:大学卒業後、病院の管理栄養士を経て、青年海外協力隊員としてアフリカのマラウイ共和国で2年活動しました。その後、東京文京区の特別養護老人ホームにて約20年間管理栄養士として勤務していました。

そんな中、7年前に夫が農業を始めると言い始め、私は東京、夫は山梨でのそれぞれの暮らしが始まりました。夫は2年間の農業研修を終えた後、山梨県北杜市の津金という地区で独立して農業を始めました。当初、私は東京で定年まで働くつもりでした。

しかし、週末津金で夫の農作業を手伝っているうちに、「ちょっと規格が合わない」、「ちょっと虫食いがある」農作物が廃棄されてしまう事がありました。これがすごく残念で、「夫の作る作物を無駄にする事なく全部食べてもらいたい…」という気持ちが強くなりました。

同時に、津金で出会った地元の方たちにとっても親切にしてもらい、次第に津金という場所で「夫の作った作物を使って食堂をしたい…」という気持ちが大きくなり、つがね食堂を開店する事になりました。これが3年前、つがね食堂の始まりです。

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ー創業するときに苦労したことはありましたか?

藤田:何と言っても資金ですね。最初の開店の時には、前職の退職金がありそれほど苦労を感じませんでした。

しかし今回のつがね食堂の移転・再オープンに関しては、最初のお店が軌道に乗る前の移転なので、移転改修費ゼロからの、非常に厳しい出発となりました。そこで、資金を調達するために、我々にできる方法を探す日々となったのです。

初めての助成金申請・・・採択されたポイントは?

ー助成金が見事採択されたということで、ポイントやコツなどあれば教えてください。

藤田:移転資金の調達に苦慮している頃、つがね食堂をいつも気にかけてくれている友人が助成金の情報を教えてくれて、とにかく挑戦してみようという事になりました。

早速申請書を作成したのですが、初めての申請なので戸惑う事ばかり。そんな中、夫が創業手帳さんのサイトを見つけました。飛び込みで相談を持ちかけたにも係わらず、とても親身にアドバイスを頂きました。申請にあたっての的確な助言をしていただき、申請書を何度も書き直しながら、何とか締切日ギリギリに提出できました。

創業手帳さんからアドバイス頂いた中で、「助成金の趣旨をしっかり受け止めて、そこを掘り下げて熱意をもって伝える」という点が今回の助成金採択の大きなポイントになったと感じています。そこに気づかせて貰えるアドバイスを頂き、創業手帳さんには本当に感謝しています。

お客様たちが応援団!クラウドファンディングで170万円調達成功

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ークラウドファンディングも利用したとのことで、そのきっかけは?

藤田:クラウドファンディングには夫が以前から非常に興味をもっており、今回の資金調達でぜひ活用したいという事で利用しました。
クラウドファンディング運営会社の担当者のアドバイスを受けながら、プロジェクトを進めていったのですが、骨子は私が作り、細部を夫が詰めるという共同作業で、目標金額150万円の所、約170万円の資金を調達し終了しました。

我々は既に実店舗を持っていたので、つがね食堂のお客様たちが強力な応援団となって下さり、勢いをつけてくれた事が、プロジェクトが注目される大きなきっかけとなり、サクセスに繋がったのだと思っています。

つがね食堂のお客さま、そして友人たちの応援なくしては、170万円もの資金を集める事はできませんでした。本当に感謝でいっぱいです。応援の気持ちがなにより嬉しく、新生つがね食堂をもっといい食堂にして行きたいという励み、原動力になっています。

ーお店のこだわりやコンセプトを教えてください。
image4(つがね食堂の外観)

藤田:私自身、独自のこだわりだらけの人間だと思います。でも、つがね食堂では、できるだけ私独自のこだわりをお客さまが感じる事なく、お客さまにくつろいで頂ける店でありたいと思います。
つがね食堂の提供するごはんは、トルコ料理やアメリカ南部の料理など、ちょっとマニアックではあります。

できる限り夫の作る農作物や地元の食材を使いながら、「ちょっと変わったごはんを食べる事ができる」、「気に入ったら自宅でも作ってみる事ができる」そんなごはんをお客様に提供しています。

これまで、つがね食堂では多くのお客さまから料理についての質問を受けました。時には初対面のお客さま同士で食べ物談義をされている事もあります。食べるという事に関して、これほどまでにお客さまたちがコミットして下さるのは地方の食堂ならではで、地方の食堂にしかないコミュニケーションではないかと思います。

新生つがね食堂も、「食べる」という事が、楽しく、くつろげ、生きるひとつの力になれるような食堂でありたいと思います。

ー最後に、これから開業される方へのメッセージをお願いします。

藤田:何かを新しく始める事は、大きなエネルギーと勇気のいる事だと思います。自分にとって、「今だ!」と思える時が熟したらぜひやってみて下さい。
何より大切なのは、人との出会い、信頼関係ではないかと私は思います。時代の変化と共に、開業に関するその方法を見極めつつ、時代がいくら変化しようとも、変わる事のない人との関係を大切に、これから開業される方はぜひ頑張って下さいね。

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日本政策金融公庫の統計からわかる飲食店が用意すべき開業資金/運転資金の安全ライン
飲食店開業をするとき、開業資金/運転資金はいくら用意したらいい?

(取材協力:つがね食堂 藤田美香)
(編集:創業手帳編集部)

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