朗報!平成27年度の商標法改正で登録料・更新料が大幅ダウン!

創業手帳

切り替えのタイミングの料金納付には特に注意しよう

(2015/08/04更新)

平成27年度の「特許法等の一部を改正する法律」が平成27年7月10日に公布されました。

職務発明が中心的な改正点のように捉えられていますが、要チェックしておかなければならないのが特許料並びに商標登録料及び更新登録料の引き下げです。なんと、商標登録料に至っては25%程度の大幅引き下げとなり、権利者の負担がかなり軽くなります。

なお、切り替えのタイミングで知っておかないと損をするポイントがありますので、ご紹介したいと思います。現在出願中の方は特に要チェックです。

平成27年度 商標法改正の要点

平成27年度の商標法改正では、大きく分けて二つのポイントが改正になります。

一つ目は、商標登録料及び更新登録料の引き下げです。

商標登録料は、現在一区分あたり37,600円のところ新料金が28,200円になり、更新登録料は、現在一区分あたり48,500円のところ新料金が38,800円となります。

当然、分割納付の場合も引き下げられていますので、詳しくは以下の表をご覧ください。

  旧料金(円) 新料金(円)
商標登録料(10年一括) 37,600 28,200
商標登録料(5年毎分割前期分) 21.900 16,400
更新登録料(10年一括) 48,500 38,800
更新登録料(5年毎分割前期分) 28,300 22,600

二つ目は、商標登録料や更新登録料の納付期限の経過後でも一定の期間内に限り救済されるといったようなユーザーフレンドリーのための改正です。

国際調和の一環で、出願人・権利者にとってありがたい改正ではありますが、基本的には期限を守って手続することが大事ですし、場合によっては割増登録料などもかかってくるので、お世話にならないようにしましょう。

いつから施行されるの?

「公布の日から起算して一年を越えない範囲内において政令で定める日」というようにされていますが、直近で料金の改正があった平成20年改正のケースでは、同年4月18日公布で同年6月1日施行でした。

昨年の改正にあった音の商標等の導入のように準備に時間がかかるものに関しては翌年4月1日施行というのが有力ですが、料金面の改正についてはもっと早い段階で施行されるのではないかというのが私の推測です。

改正法施行前後での注意点

改正法の施行前後では新料金と旧料金の境目につき、よく認識しておく必要があります。

こちらもあくまで平成20年度の改正と同様であれば、という推測にはなってしまうのですが、このようになるのではという見込みをお伝えしたいと思います。

(外部リンク)参考:平成20年特許法等改正に伴う料金改定のお知らせ

  • 原則、施行日以降の納付は新料金
  • たとえば、4月1日が施行日だとして、3月20日から4月18日までに商標登録料を納付しなければならないとします。この場合、3月31日までは旧料金、4月1日以降は新料金を払えば登録されますので、新料金施行を待って支払う方がお得です。

    つまり、商標登録料や更新登録料で、支払期限が施行日以降であれば、施行日以降に支払うことで料金の節約ができるということになります。

  • 本来、施行日前に払う必要があったものについては旧料金
  • たとえば、分割納付を選んでいる場合に、前半部分を施行日前に払っているとすると、後半部分も旧料金が適用されます。なぜなら、本来一括で払うところを分割にしているだけだからです。

    ちなみに、本来の期限が施行前にあり、その猶予期間を使って施行後に支払ったような場合、本来は施行前に払う必要があったことから旧料金が適用されます。

  • 過払いの返還は可能だが、1年間に限られる
  • しばらくは過払いのケースが増えるでしょうが、過払いのケースでも、納付日から1年間は過払い部分の返還請求が可能です。

まとめ

以上のように、今回の改正は商標出願・登録がしやすくなるいい改正だと思います。

これまで私が商標戦略をアドバイスする際にも、資金が十分でないことを考慮して、万全ではないものの費用対効果の観点からベストな選択肢をお勧めするケースが多かったのですが、今後は料金引き下げの恩恵を受けてもう少し柔軟に商標戦略をアドバイスすることができるようになるのではないかと考えています。

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(取材協力:「ベンチャー支援・外国商標・マドプロに強い商標専門事務所」
フルブルーム国際商標事務所
 髙橋伸也 弁理士)
(編集:創業手帳編集部)

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