よい人材を伸ばしていくには

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「株式会社スマイルワークス」 代表取締役社長 坂本 恒之 氏インタビュー

(2015/07/03更新)

「会計」「販売」「給与計算」「経費精算」「勤怠管理」など、さまざまなシステムをクラウドサービスとして提供している『株式会社スマイルワークス』。

人材採用と育成はどのように行なっているのでしょうか。代表取締役社長の坂本 恒之氏に話を伺いました。smile-works5_2

坂本 恒之(さかもと・つねゆき)
北海道札幌市出身。大手流通グループにて法人営業企画やセールスプロモーション、システムの企画・構築を担当。
その後、セキュリティベンチャーで事業開発、ロータス/日本IBMでビジネスパートナーマーケティングを担当。ITを活用したサービスビジネスにおける事業開発・マーケティングのエキスパートとして、各方面から高い評価を得る。
2003年に(株)スマイルワークスを設立し、代表取締役社長に就任。弥生(株)の経営に参画するなど、中小企業支援ビジネスでの実績も豊富。

 

「入社したいと言う先輩に対し“3回”断りました」

ースマイルワークスは何人で立ち上げたのでしょうか?

坂本:僕一人です。その後、サラリーマンの頃に一緒に働いていた先輩が2人入社しました。

僕は社長でしたが、社員2人はみな先輩。

実は、これがすごく良かったんです。

何が良かったかというと、僕が指示を出さなくても、勝手に仕事をしてくれる。2人ともエンジニアですが、そもそも先輩だし、とても優秀な方々なので。非常に楽でしたね。

ー優秀な先輩をどのように誘ったのですか?

坂本:実は誘ってないんですよ。

先輩から来て、僕は3回断りました。

当時は先輩たちの人生まで背負えないと思っていたし、最初は自分1人なら食っていけると思って独立しただけでしたので。

でも、しばらくしたら「やっぱり一緒にやらないか?」という話をいただき、それをまた断って。

そのようなやり取りを3回くり返しました。

そうこうしているうちに仕事が増え、あるタイミングで「お願いしたいこともあるから、じゃ、一緒にやりますか」ということで、入社していただきました。

ただ、そのあとの採用は非常に難しかったですね。

優秀な人は単価が高いですから。やっぱり、単価を抑えつつ、伸びしろがある人を採用したいと思っていたんですよね。

だからこそ、社内での研修を行うようにしています。

ポテンシャルがある人をいかに伸びていくかが非常に重要になってくると思っています。

知識を共有する場をつくること

ー研修はどのように行われているのですか?

坂本:うちでは毎週「勉強会」として行なっているのですが、勉強会には2種類あります。

一つは就業時間内の研修会で週に1回程度のものと、もう一つは任意参加の研修会です。

こちらが週1回~2回ぐらいです。

ー勉強会はどのようなテーマで行われているのですか?

坂本:バラバラですね。
この前取り上げたテーマは「マイナンバー」です。

我々は給与をクラウドで管理しているので、マイナンバーについては当然知っておかなければなりません。

かといって、研修前は社内の全員がマイナンバーに対して詳しいかというとそうではない。

そこで、マイナンバーについての勉強会を行いました。

また、最近では、クラウドのセキュリティーに関する勉強会も行いましたね。

お客様から「クラウドのセキュリティーは大丈夫ですか?」と言われたときに、ちゃんと説明できるようにしています。

ーテーマはどのように決めているのですか?

坂本:すでにトピックスを用意してあります。
勉強会が終わった後に、次週のテーマを確認しているかたちです。

ただ、その時の状況によっては、たとえば緊急のテーマに差し替えるということも行っています。

会社の価値観は「掘りごたつ」で共有する

ー社内にビジョンを浸透させるために工夫されていることはありますか?

坂本:その都度、気づいたことを、お互いに話し合うことでしょうか。

うちは社内に「掘りごたつ」があるんです。

そこで就業時間の後、たまに「懇親会」を行っています。出張先で購入したり、あるいはいただいた地酒を持ち込んで、みんなで飲みながら話をしています。

たとえば、社内のポジションについて話したりします。

サポート部隊の人たちは、お客様の代わりに業務をしているという側面があるため、ポジションは非常に高くなっています。

他社とは異なりますよね。そういったことを、掘りごたつを囲みつつ、社内の価値観として共有しています。

ユーザーコミュニュケーションも大切ですが、社内のコミュニュケーション=インターナルマーケティングも重視しているんです。

うちは転職してくる人が多いです。転職して入ってきた人は、前の会社の価値観を引きずっていることも少なくありません。

そういう人たちに対して、「問い合わせに対する対応は数ではなく、何時間かけてでも、お客様をしっかりとフォローをすることを大切にしている会社なんだ」と。

そういった価値観を、その都度話し合い、根付かせるようにしています。

(取材先:株式会社スマイルワークス
(創業手帳編集部)

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