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インキュベーターとは?

インキュベーターとは、元々は英語で「生まれたばかりの乳幼児を育てる保育器」を意味するが、そこから派生して「新しいビジネスの起業家やベンチャー企業を支援する団体、組織」を指します。

インキュベーターの概要、国内外での具体例についてくわしく説明します。
起業家やベンチャー企業が新しいビジネスを始める際に、ハードとソフトの両面において様々な不足を補って成長をサポートするのがインキュベーターです。
まずハード面でのサポートとしては、主に施設や設備の提供があります。起業家やベンチャー企業にとって必要なオフィスや有利な賃貸契約を提供することや、パソコンやOA機器などを貸し出す場合もあります。
一方でソフト面のサポートとして、経営全般へのアドバイスがあります。新しいビジネスの実現と成長のためには、経営の実務としてマーケティングや資金調達、リクルーティングなどが必要となり、インキュベーターの専門家によるアドバイスを受けられます。
このように、インキュベーターはオフィスや機材などのハード面の提供だけでなく、専門家による経営へのアドバイスといったソフト面の両方をサポートすることで、効率的に新しいビジネスを実現、成長させることを目指します。

また、国内におけるインキュベーターは行政、大学、NPO法人などと多岐にわたっています。
経済産業省では、地域経済支援の新事業支援施設として、ビジネス・インキュベータが定義されています。これらは新規事業の成長を促進させることを目的とした施設で、公的機関(国、地方自治体、第三セクター、商工会議所など)によって整備されており、全国で約500カ所以上があります。その他に、大学や民間事業者、NPO法人などによって整備、運営されている施設もあります。
たとえば、大学内のインキュベーターでは、学内で創出されたビジネスプランで選ばれたものについて、大学の施設やサービスを利用して、新規ビジネスを実現した事例もあります。

一方の海外では、アメリカのシリコンバレーを中心としたベンチャーキャピタルが多大な影響と成果をもたらしています。
これらの組織では、多数のベンチャー企業の中から選考をし、選ばれた企業の製品やサービスと経営体制を磨き上げて、投資家らからの資金調達までを可能とします。国内のインキュベーターと違って、ベンチャーキャピタルや投資家と連携した体制があることや、ベンチャーキャピタルが新しい企業の一部の株式を取得することで、キャピタルゲインによって収益を図る点が特徴です。
たとえば、シリコンバレーの著名なベンチャーキャピタルでは、合宿形式の支援プログラムを通して、民泊のプラットフォームを展開するサービスや、ファイル共有を提供するサービスを世界的な企業へと成長させました。これらの成功例は、支援をするベンチャー企業の中でもごく一部ですが、株式の取得によって数百億ドルもの収益をあげることとなります。

ここまでで、インキュベーターの概要と国内外の事例について説明しましたが、まとめると次の通りとなります。
・インキュベーターは新しいビジネスの起業家やベンチャー企業を支援する団体、組織を意味する。
・インキュベーターの役割はオフィスや設備の提供、さらには経営アドバイスなど、ハードとソフトの両面による企業の成長をサポートするものである。
・国内では行政や大学、民間などによる多数の拠点と支援体制がある。海外ではベンチャーキャピタルによるビジネス支援と投資家からの資金調達、一部の株式取得による収益化が特徴である。

また、インキュベーターと似た用語として、アクセラレーターについて補足します。
アクセラレーターは、英語で「加速する」という意味で、「3~6カ月程度の短い期間でベンチャー企業の成長を一気に加速させる団体、組織」を指します。
実際の機能や役割はインキュベーターと似ており、両者は同じ場面でも使用されます。しかし、インキュベーターは革新的なビジネスモデルや企業によってイノベーションに注力するものであるのに対して、アクセラレーターは既にある企業やビジネスの成長に特化する点が違いと言えます。

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