“旅を通じて世界中の個人とつながる” ワンダーラスト 堀江氏インタビュー

旅体験をログブック(旅行記) として記録できるサービス Compathyや、旅マガジンCompathy Magazineの運営などにより、世界中の人々が旅を通じて、異なる国々・文化を尊重・理解し合い、心の国境を無くすことを目指す、株式会社ワンダーラスト。

オンラインでのサービス提供のみならず、Compathyのユーザーコミュニティを通じて、世界の各国をテーマにした旅・文化体験の紹介イベントを開催するなど、リアルな”場”でのコミュニティ活動も積極的に行っています。

今回は、その代表取締役、堀江 健太郎氏に、創業に至ったきっかけや、自身が大事にしている考え方を伺いました。

旅の定義を変え、人々の心から国境をなくす
-創業に至った経緯はどのようなものでしたか?

幼少期より感じていた社会の問題に対する、解決者としての意識の芽生えと、”旅の定義を変え、人々の心から国境をなくす”という具体的なミッションとの出会い」が一番の契機となります。

大学生の頃は特にやりたいこともなく、戦略コンサルタントの仕事を選んだのも、もともと物事を考えることや課題解決が好きで、それを活かすことができそう、且つ成果を挙げれば挙げるほど報酬が上がること、だけが理由でした。

また、自分は会社での仕事というのは「最大の成果を出すために全力で取り組み、楽しむもの」だと思って入社したものの、実際にそういう人は少なく失望しつつ、日々の仕事のなかで目標を見失っていました。

そのような状況の中でfacebookの活躍を知ったり、刺激を求めてスタートアップのイベントに参加したりしたことで、インターネットやスタートアップへの興味が高まっていきました。

そのような背景から、世界中のWebサービスを調べていく中で”CouchSurfing”(http://couchsurfing.com/)というWebサービス知り、これを利用して海外旅行に行ったことが私の人生の転機となりました。
CouchSurfingを使って旅することで旅先の現地の方と仲良くなれるだけでなく、その国に対する偏見が消え去り、旅が一層深いものとなりました。
一方で幼少期の体験より、人種差別や偏見というものに対する漠然とした嫌悪感を持って育ってきました。そのような背景も関わり、CouchSurfingはその解決策であり、インターネットの可能性をまざまざと見せつけられるものでした。

ただ日本に帰りCouchSurfingを友人などに勧めても誰も使ってくれず、また世界では年間10億人の海外旅行者がいるにも関わらず、CouchSurfingの登録会員が世界で200万人しかいないという事実を知り、これでは自分の感じていた社会の問題の根本的な解決策にはならないことを理解しました。

このことへの気付きから、自分の中で燻っていた人種差別や偏見というものに対する嫌悪感とその解決のヒントが結びつき、「旅の定義を変え、人々の心から国境をなくす」という現在の弊社のミッションにもなっている決意が芽生え、創業を決意しました。

-起業当時に大変だったことはありましたか?

当時のことを振り返ってみると、思った以上に事業そのものに時間を割けないこと、Webサービスの開発経験がなかったことが一番苦労した部分でした。

1点目としては、会社を創業してみると思っていた以上に様々な仕事に追われることが増え、想像していたような働き方ができずにフラストレーションを溜めていました。そのような中で、一番重要なWebサービスの開発に関する仕事に対するモチベーションを下げずに取り組み続けることに苦労しました。

2点目としては、弊社には創業時からエンジニア、デザイナーがいたのですが、自分がリーダーとして彼らの仕事の仕方、スピード感を理解できておらずにコミュニケーションやスケジューリングがうまくできず、苦悩することがよくありました。
とはいえ社内の妥協点を探っていてはユーザに満足してもらえるサービスは提供できないので、チームをまとめてスピードを上げることに非常に労力を使いました。

-経営していくうえでのビジョンや、大事にしていることはありますか?

会社としては「旅を通じて、人々の心から国境をなくす」というミッションを掲げ、ミッションの貢献するサービスの提供をビジョンとしています。

上記を受け、社内では「Across the border(境界を越えること、そのために他者への無関心を関心に変えて業務に取り組むこと)」を行動指針やメンバーの評価指標の根幹に据えています。

社内は10ヶ国以上の国から集まるメンバーを揃え、国境を超えたコミュニケーションの楽しさを社内の人間から理解してもらえるように努め、また、個々人にはチームや役割に囚われず他のメンバーの業務内容や課題にも興味を持ち、主体性を持って解決していく姿勢を評価しています。

命を懸けて取り組めば必ず成功する
-メンバーをどうやって集めていきましたか?

創業期は基本的に必要な人材像を定義したあと、とにかく友人・知人のツテを辿ってメンバーを集めていきました。

それでも足りない場合は一般的な求人媒体も使いましたが、特に創業期のスタートアップ企業は給与水準も拘束時間も常識の範疇をゆうに越えているため、そのように採用したメンバーはほとんどがすぐに辞めていきました。残ったのは精神的な面で深く理解し合える、元よりの友人やその友人・知人が中心となりました。

-今後はどのように事業を展開されていきますか?

Compathyを本格的にマネタイズするフェーズに入ります。また、ユーザのデータを活用して簡単に旅行の計画・予約機能を中心とした開発・運営強化を図るとともに、海外展開を含むマーケティング施策・体制を強化することで、旅行において必要なサービスをワンストップで提供し、新しい”旅のカタチ”の実現を目指して参ります。

具体的なビジネスプランとして二つあります。まず、観光地をソートできる機能を活かし、宿泊・食べる・見る(観光)の3軸でアフィリエイトの仕組みを取り入れます。

もう一つが本命のリバースオークションというビジネスです。
旅行は滅多に行くものでもないので、ユーザーのニーズが顕在化していないと商品が売れず、旅行関連事業社は、リスティング広告を中心に集客をしています。それでもコンバージョン、ROIの高いマーケティングができていないのが現状です。

それに対し、Compathyではユーザーの旅程データを保有しています。これは、旅行関連事業社の観点では見込客のリストとも言えます。これらのデータを旅行事業者に対して公開することで、旅行事業者が自分たちの商品を売りたいユーザーを選んでもらって、ユーザーには複数の旅行事業者の提案の中から最適なものを自由に入札してもらおうというのがリバースオークションの仕組みです。

僕らとしては、アフィリエイトでCPU/CPIによる収益化、CPC/CPMによる収益化を狙いたいと考えています。Compathyのユーザーは、すでに旅行することが決まっているので、Compathy内で直接予約できるようにすればコンバージョンもROIも必然的に高くなると考えています。
また、リバースオークションで、旅行事業者からどのようなオファーをもらっているかをオープン化していきたいです。そうすることで、プロバイダー間での価格競争も起きると考えています。ユーザーがいきたい場所を選ぶだけで、プロバイダー同士で価格競争が起きるようになれば、簡単に安く最適なサービスを提供できるようになると思います。

-最後に、起業家へのメッセージをお願いします。

「起業」と聞くと、博打のような響きを感じる人も多いかもしれませんし、自分も実際に起業するまではそう思っていました。しかし、起業してみると、博打の要素は何一つないことに気が付きます。諦めずに挑戦を続ければ必ず応援者が表れ、そしていつかビジョンが実現できるものであるという実感を持っています。

もしそのようなリスクから起業を躊躇しているのであれば、ぜひトライしてもらいたいです。命をかけても取り組みたいことがある人であれば、必ず全員成功すると思います。

また現在の日本の経済状況を踏まえると、そういう人たちが増えることが最も経済に好影響を与えると考えています。皆さんの取り組みで社会が良くなっていくさまを見られるのを楽しみにしています。

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