「捨てる食べ物を無くしたい!」食をアプリで変える欧州スタートアップの創業メンバーは日本人!?mealsaver坂口レオ氏・来日独占インタビュー

創業手帳
※このインタビュー内容は2017年05月に行われた取材時点のものです。

「安くて美味しいものが食べられる」をテクノロジーで実現したい

(2017/05/25更新)

お店で余った食べ物を大量に廃棄する場面を見たことが無いだろうか?食べ物を扱う店舗では、作りすぎたり、賞味期限が迫った食品を管理上、大量に廃棄するのが当たり前になっている。そんな捨ててしまう食品と、ユーザーをマッチングするアプリで急成長している欧州のスタートアップが「mealsaverミールセイバー」(ドイツ)、「ResQレスキュー」」(フィンランド)だ。日本、アジアでの展開も計画しているとのこと。

食品は管理上、食べられたとしても、早めに捨ててしまう傾向がある。
しかし、なんら問題ない食品が多い。そういった食品を安く買えたら嬉しいサービスと言えるだろう。

なんとベルリンのグランドハイアットなど高級ホテルとも提携しており、そうした、本来捨ててしまう、でも食べることができる美味しい「あまりもの」をユーザーは安く買える。

ミールセイバーの創業メンバーの一人はドイツと日本の国籍も持ち、UCバークレーや東京大学でも学んだ坂口レオ氏。
今回、日本、アジア進出のため来日し、創業手帳本社に訪問。
社会を変えたいという思いを持つソーシャルイノベーション型スタートアップで、欧州で活躍し、日本、アジア展開を始める坂口氏からお話を伺いました。

食べ物廃棄問題をテクノロジーで変えていく


ーなぜこのビジネスを始めたのですか?

創業者は、Mai(マイ)という環境テクノロジーのエンジニアでシリアルアントレプレナーで、女性のフィンランド人です。
自分は6人にいる創業メンバーの一人で、ビジネスデベロップメントやアジア進出を担当しています。
もともと、食べ物を捨ててしまうのが非常にもったいない、それをテクノロジーで変えていくということが素晴らしいと思ったのが始まりです。

ーどういうサービスですか?

アプリ上で、食べ物を捨ててしまうレストラン、ホテル、食料品店が、捨てる情報を配信します。ユーザーはそれを買うことができます。
今、アプリは6万件ダウンロードされています。食品を提供するお店側は350店舗。定型店舗の中には、グランドハイアット、ホリデイインなど大手ホテルもあります。売買成立代金の30%を頂いています。

ー坂口さんの経歴は?

父親が日本人で熊本出身、母親がポーランド人です。
ドイツ、フランクフルト生まれで、ドイツと日本とポーランドの国籍を持っています。言葉はドイツ語、英語、ポーランド語、エスペラント語。日本語も少し話せます。
今29歳で、東京大学大学院の機械工学科に2012年に留学していました。
そのあと、ドイツの大学、アメリカのUCバークレーで研究していました。
バークレーでは食品の残り物を研究し、シリコンバレーのスタートアップを学んでネットワークが広がりました。

個人的には野球が趣味で、この帽子は西武ライオンズでライオンズファンです。
フィギアスケートを4歳から16歳までやっていて国内で優勝したり、今では審査員をやっています。DJもやっているので日本でもイベントをやる時は来てくださいね(笑)
ミールセイバーは、今まで勉強していたものと一致して、本当に素晴らしいビジョンだと思い、Maiと創業メンバー達と昨年、創業しました。

ー会社の陣容は?

昨年からスタートですが、社員はベルリンに20人、フィンランドは30人です。
今年、ベルリンとフィンランドを組織統合します。
日本を起点にアジア展開を計画しています。

まず社会を変える。ビジネスはその後についてくる

ービジョンを教えてください。

食べ物を捨てるのってもったいないですよね。
無駄をゼロにしたい。全ての街で使えるようにしたいです。
環境に良いことだと思いますし、消費者にとっても安くて美味しいものが食べられる。それをテクノロジーで実現したいのです。

日本は特に、衛生管理の基準が厳しいので、ハードルが高い一方で、それは大量の食物が無駄に捨てられているということ。つまり、成功すれば非常に大きな社会的なインパクトがあるのです。日本人はもともと食品を捨てない国民だったはずなのですが、今は、食べられるものをどんどん捨ててしまう。
例えば作りすぎた、というのが分かれば事前に分かりますから、それをミールセイバー、ResQで、食べてもらう、ということができるといいですね。
日本を起点にして、アジア展開を考えています。

ー日本の読者へのメッセージをお願いします。

食べ物は全部食べるようにしましょう。そしてお店で捨ててしまうものを少しでも減らしましょう。
欧州では、社会起業、ソーシャルインパクトのあるスタートアップが人気です。
まず社会を変える。ビジネスはついてくる。そういうスタートアップがこれから広まるといいですね。
コラボレーションしたい人は連絡ください。

フィンランド版 https://resq-club.com/

編集部より

欧州発で食の世界を変える注目のスタートアップ。アジア、日本での展開に注目が集まる。一方で、国内の提携先や協力者が不可欠と思われる。
坂口レオ氏に提携、取材依頼など連絡を取りたい方は編集部にご連絡ください。

(監修:mealsaver 坂口レオ)
(編集:創業手帳編集部)



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