取締役 松江澄人 インタビュー

(2014/4/22更新)

今回はビズシード株式会社 取締役の松江に、創業までの経歴、創業後の苦労や会社について話を聞きました。
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松江 澄人(まつえ すみと)
青山学院大学大学院を卒業後、SE兼エンジニアを経験した後に、ベンチャー立ち上げに携わる。ベンチャーを退職した後はリクルートに入り、数々の新規事業開発を経てその後独立。様々な事業の立ち上げに関わりつつビズシードに参画。

GMOメイクショップの立ち上げに参画

ー会社の設立に参加する以前はなにをしていたのですか?

松江:まず大学院を卒業した後に、NTTPCコミュニケーションズにシステムエンジニアとして入社し三年間ほど勤務していました。当時は周りに流されるままに何となく就活を行っていて、その会社に決めた理由も説明会の雰囲気が良く、初めに受かったところだからという単純なものでした。

その後、SNSを通じて知り合った友人に誘われ、ネットショップのASPを提供するGMOメイクショップ社の立ち上げに関与しました。
当時、SEOなどに早い時期から着手し、検索エンジン上で「ネットショップ」などといったビックワードでの1位に表示させることができたこともあり、会社の業績は右肩上がりで成長していきました。あの頃のSEOは今ほど難しくなかったというのもありましたね。

ーGMOメイクショップ時代に苦労したことはなんですか?

松江:当然といえば当然なのですが、何もかもやらなくてはならないという状況でしょうか。
スタートアップというのはあらゆる問題に対するゼロからのスタートであり、何もかもを自分たちで解決していく必要があります。私の場合は自分自身が比較的”なんでも屋”なのでこういうものを立ち上げていくのには向いている方なのかもしれませんが、なんでもやれる分どれも超一流ではないというのも欠点でしょうか。特に人のマネジメントには悩んだことがあります。

会社の規模が大きくなれば人を雇っていく必要があるのですが、当時は今ほどベンチャー企業でのネットを使っての人材採用の手段が充実していませんでしたし、名もないベンチャーでは採用力もなく苦労していました。そのため採用は社員からの友人紹介といったものに頼りがちだったのですが、それゆえに友人関係などからグループが形成され社内に軋轢が生まれやすくなる状況にもあったと思います。

モチベーションがなくなってしまったメンバーを盛り上げたりフォローしたりしながらも、そこからやる気になったメンバーがいるとその分他のメンバーのモチベーションが下がるという悪いサイクルにも悩まされていました。2割の人間が落ちぶれるというよくある法則が常に付き纏っていた状態ですね。

こうしたマネジメントに悩む日々が続いていた頃、知り合いの紹介でリクルートへの勧誘を受けましたね。ただ、その時点では漠然と営業会社というイメージしかなかったリクルートに興味はなかったのですが、結果的にはメイクショップを離れる機会があり、その後リクルートに入社しました。なにより人のマネジメントに悩んでいた時期があったこともあり、人材育成やマネジメントに秀でている印象の強かったリクルートに興味が湧いたというのもあります。また、意外にも技術研究部門があることなどの存在なども知り技術的にも面白そうだと思ってたという点もあります。

自分のやりたいことに真剣に取り組みたかった

ーリクルートでは何をしていたのですか?

リクルートには5年半ほどいたのですが最初の2年間はホットペッパーやホットペッパービューティーの中の新しいサービスの創出に携わった後に、さらに1年ほどカーセンサーのWeb集客チームのリーダーや開発部門のマネージメントなどを務めていました。
その後は研究・開発部門に移り、新規事業開発を中心に、WEBサービスの立ち上げや、スタートアップ支援のサービスや海外投資部門の技術アドバイザーなどを担当していました。

ーなぜリクルートをやめたのですか?

リクルートは色々な人が集まり、多種多様なものを生み出していて非常に面白く居心地が良い場所でしたが、いずれまた起業などをすることになるだろうとは考えていたため生涯勤めるつもりは元々なかったということと、リクルートが上場するというタイミングにあたり既存の退職金の制度の一部が廃止されるという状況に直面したのがきっかけです。

もちろん仕事は充実しており、辞めたいという気持ちがあったわけではないのですが、これをきっかけに自身のより本格的に取り組んでみたいことを考え、そこにさらなる活路が見出せるのであればそちらに注力しようと思いました。
結果的にはやってみたい事業への出会いがあり辞めるに至ったわけです。

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ーリクルートを辞めた後はなにをしたのですか?

結論から言ってしまうと出会いのあった事業はすぐにたたむ必要がでてしまったことから独立することになりました。
そこで、以前から個人として運営していたサイトに月間で600万PV程度のアクセスがあったので、それをマネタイズしていこうと考えました。自宅では作業に集中できないのでコワーキングスペースで行おうと思って場所を探していたのですが、どこのコワーキングも見学は行きましたが入りたいと思えるような雰囲気ではなく行き場所を見失っていました。

それならば自分でコワーキングスペースを作ってしまおうと突然思い、インターネットで呼びかけなどをしていた時に偶然にも不動産会社の方に声をかけていただき、銀座に「the SNACK」というコワーキングスペースをプロデュースすることになりました。
私のキャリアを振り返ってみてみると様々なきっかけや出会いの偶然の繰り返しですね。
銀座でやりたかったのは、もともと銀座にはあまりコワーキングスペースはなく、自分自身がリクルートを通じて銀座での生活が長かったため、集客できる自信もあったというのがあります。

独立したのをきっかけに様々な話が舞い込んできたこともあり、並行して様々な事業の立ち上げなどにも関わることになったのですが、GMOメイクショップで一緒だった大久保からも声をかけられビズシードの創業にも携わることとなりました。

当初は他と並行していたためそれを承知してもらった上で体半分で関わる予定だったのですが、他にはないユニークな事業だったことと、すぐに大きくなっていたということもあり、すぐにビズシードの事業を本業としてどっぷり浸かっていくことになりました。ビズシードの創業時はもちろんそのコワーキングを活用しました。自分でプロデュースしていたからというのもありますが居心地もよく、オフィスを普通に借りるのと比べて費用も格段に抑えられるため思いっきり活用していました。

創業手帳の認知度を高め、幅を広げてゆきたい

ー現在は会社では何をしているのですか?

基本的にはwebサイトなどのインフラやシステムの開発やサイト構築など技術領域全般を主に担当していますが、自分はやりたい事の実現のためならポジションにはこだわらないので、適材適所を前提として「自分がやるべきだ」と思ったものに積極的に取り組むというスタンスで臨んでいます。「社内にはエンジニアがいないから自分がやるべきだ」という結果ですね。

ー現在の会社の良い点について教えてください

まずは世の中の経済や景気に直結して貢献できる会社であるということですね。
また、様々な新しい事にチャレンジできる環境があることです。今すぐはお金にならなくても私達が担うべき課題は山程あり、その解決のためや将来のビジネスのための種を蒔くことができ、将来のビジネスための投資を行う余裕と環境を生み出せていることは非常に良い点だと思っています。それは、立ち上げから非常にコストの掛かるこのビジネスモデルにおいても起業直後からきちんと売り上げを出す事ができていたからというのもあります。

ー将来的にどんな会社にしてゆきたいですか?

創業手帳はまだまだ経営者層を中心にしか知られていないので、「創業するなら創業手帳」というような概念が当たり前のものになるようにしていきたいですね。
その上でいずれは創業時のみに限らず、会社の成長のフェーズに合わせ経営や人事などのあらゆるビジネスの場面に対応し、どんな場面でもどんな企業にも常に利用されるような会社にしてゆきたいと考えています。

ーどのような人材を求めていますか?

会社は人が大切なのでビジョンや思いを共有できる人がいいですね。まだまだ会社が大きいわけではないので、ただいいなりになり流されてしまうような人ではなく、答えのないことなども共に考えてゆける人が嬉しいです。毎日が問題解決の繰り返しですから。

日本で誰もやったことのないことをやる会社で、(大げさかもしれませんが)この会社の成否が日本の経済ひいては将来を左右するかもしれません。ですから日本を動かすかもしれないという大きな視点を持っている人と仕事をしてゆきたいです。

(編集:創業手帳編集部 江本)