弁護士からIT企業社長へ。華麗なる転身を遂げた鬼頭氏の「人生を楽しむコツ」とは?

創業手帳

開成東大卒弁護士が考える、勉強と人生の関係

(2015/09/16更新)

新しい価値の創造に挑戦している創業者たちの、リアルに迫る「創り手たち~THE PROCEEDERS~」。今回は、開成東大卒弁護士から「資格スクエア」というITサービスで起業した鬼頭政人氏にインタビューしました。
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鬼頭 政人(きとうまさと)
1981年生まれ。開成中学、開成高校を特別優等の成績で卒業後、東京大学文科1類(法学部)に現役で合格。同大学法学部卒業後、慶應義塾大学法科大学院に現役で進学し、同大学院在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を多面的に支援したいと考え投資ファンドに転籍したあと、「誇りをもって働く人を増やしたい」という思いから、2013年12月に資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業。

開成東大卒弁護士が教える「勉強のやり方の方程式」とは?

ー勉強が好きな人と嫌いな人、あるいは、勉強ができる人とできない人の違いはなんでしょう?

鬼頭:「承認された」経験、あるいは「承認されたい」という本人の強い思いと、彼を応援する環境が周りにあるかどうかでしょうね。

承認されたい相手は人によって様々です。親だったり先生だったり、所属している共同体だったり。そこで出された結果に対して「なんだ80点しかとれなかったのか、おまえ」と言われるのと「80点もとれたのか大したもんだ」と褒められるのでは、本人の受けとめ方が全く異なってきます。

出した結果を承認されると人のモチベーションはぐんとあがり、次の高いハードルに臆せず進んでいけると僕は思っています。

ー勉強に対する苦手意識には、かなり個人差があると思います。「勉強は嫌い、苦手。けど頑張って資格を取得したい!」という人は、どうすればいいでしょう?

鬼頭:低めのハードルから飛ぶこと。いきなり高いハードルを飛ぶとケガをしますからハードルをさげて有意義な体験をするんです。

「マンガでわかる論語」とかってあるじゃないですか。あれです。儒教や孔子に興味があるからっていきなり論語の直訳に向き合っても絶対に途中で挫折してしまう。だからまずはわかりやすい要約本から始める。

ちょっと前に大流行したドラッガー本なんてその最たるものでしょう。みんなが関心のあるものを思いきりハードルを下げて提供してヒットした。

ー免許や資格を新しく習得しようと心に決めても、慌ただしい毎日の中で挫折する人も多いかと思います。勉強で目標を達成するためには、何が必要だと思いますか?

鬼頭:2つあります。1つは、続けること。もう1つは、効率よく行うこと。

継続することで初めて結果につながるので、勉強を続けるモチベーションが必要です。他者から承認されることは、モチベーションを高めることにつながるので、互いに応援しあえるコミュニティなどは非常に有益だと思います。

勉強で成果を出せる人は、効率のよい勉強の仕方を知っている人です。しかし、そのノウハウは無形であるため共有されていません。そのため、学習のプロセスを言語化し、システム化することで、誰でも目標が達成できる仕組みを作りたいと考えています。

僕たちは、これらをわかりやすく「勉強のやり方の方程式」と呼んでいて、「資格スクエアクラウド」というサービスを通して広めています。

弁護士でなくITで起業した理由

ー29才で投資ファンドへの転職を経て起業されたときに、鬼頭さんには弁護士として独立するか、それとも起業を選ぶかという選択肢があったと聞いています。最終的に、なぜ起業を選ばれたんですか?

鬼頭:理由は2つあります。1つは、社会的インパクトが大きいと考えたからです。せっかく事を成し遂げるのであれば、より多くの人に影響を与える事業を起こしたいと考えました。

もう1つは、起業、それは僕の過去の経験や知識からは計り知れない、とてつもなく異質な世界だったからです。職業を比較するのはナンセンスですが僕から見たときに慣れ親しんだ弁護士業で独立することと、新しいビジネスを興し起業家になることでは難易度が桁違いに違っていました。その難易度に惹かれたんです。

難しければ難しいほどおもしろいですし、それに挑戦する自分でありたいと思いました。自分が年をとって人生を振り返ったとき後悔しない生き様はどちらかと自分に問いかけたとき、その答えは、僕にとっては、弁護士業ではなかったんです。

ー弁護士としてのキャリアを捨てたと言っても過言ではないと思いますが、弁護士業に未練はなかったのですか?

鬼頭:はい。弁護士として独立すれば、ほどほどの成功は得られるなという目算があったので、起業に対する意欲が圧倒的に勝っていました。

というのも、弁護士はあくまでもクライアントが持って来てくれる仕事を引き受ける「受注産業」なので、そんな中で、僕が能動的に営業・提案すれば、成功する確率が高いと思ったのです。

ー葛藤や迷いなんて全くなかったんですか?

鬼頭:葛藤?そんなもんないです。不安もないです。

弁護士という資格をすでに僕はしっかり持っていますし、そのための勉強も徹底的にやってきた後でしたから、まず何かを「失う」という感覚がない。僕の乗る船は間違いなく沈むな、そう思って冒険する冒険家なんていませんよね。

ー起業した後に、一番苦しかったり辛かった時期とは?

鬼頭:ヒマだったときですね。起業して3ヶ月目くらいに激しくヒマだったんですよ。

1ヶ月目は新しいフィールドで新しい人との出会いが楽しいでしょう。でも結局それはただの名刺交換と知り合いづくりです。すぐに面会の数も減っていくでしょう。それまでは弁護士、受注産業だったからボーッと待っていれば大きな仕事がドカンと来た。

しかし起業はそうじゃない。自分がじっと待っていたらもう何も来ないわけですよ。事前に予想はしていたけれど現実のものとなって自分がその只中にいると、さすがに危機感がありました。

コワーキングスペースで働いていたので、忙しそうにしている他の起業家を尻目に「…俺、いま熱心にパソコン開いて仕事しているフリしてるけど、実はネット見ているだけなんだよね。」という時も(笑)。自分からガンガン積極的に動いていかないと何ひとつ始まらないということをピリピリと感じた頃でした。

そこでムダな繊細さを捨て、ちょっとうざいくらいの提案型のキャラでいこうと決めました。出版や書籍に関する新提案に全力投球し、気持ちをとにかく明るく切り替え、新提案を重ねていったのです。

ー大変なときに明るい気持ちで挑むことについて。成功した人々の多くがポジティブでネアカだな、そう見えることがあるのですが。

鬼頭:いや、彼らは心底ネアカじゃないと僕は思いますよ。ネアカなフリをしているだけ。明るくしないと生き残れないんですよ。経営者の心理的な防御反応でしょう。

経営者って毎日が嫌なことばかりです。数字のこと、クライアントのこと、そして部下や仲間たちとの意思疎通の難しさ。思い通りにならないことがウジャウジャしています。そのなかでいちいち悩んでいたら身も心も何より事業がもたない。日々がサバイバルですからパカッと開けた明るいこころの状態で進んでいかないと、潰れちゃうんですよ。

人生を楽しむコツとは?

ー「資格スクエア」サービスをつくった経緯について教えてください。

鬼頭:起業して生き残るためには得意分野で突き抜けるしかありません。得意分野で戦うことが成功への近道だと思ったとき、自分が慣れ親しんで、かつ知識もある分野はどこかというと弁護士業や難易度の高い資格試験の分野でした。

「資格スクエア」は、基本はスキルアップのためのインフラ。人気のある講師の授業がオンラインで低価格で受けられるというサービスです。地方の人はチャンスが限られるのでそこにチャンスを見たいと思いました。

といっても教壇に立てるレベルの講師が必要です。そこで人気講師を探しに行って、これぞという人物に熱心に思いを伝えたところ、相手が快諾してくれました。そこから気持ちが一気に固まりました。第三者を巻き込んだからには絶対に失敗しまい、成功させたいと僕自身が腹をくくれたんです。

ー受講対象者に、どんな人物を想定しているのでしょうか?ターゲットは?

鬼頭:「資格スクエア」は、やる気のない人をなんとか引っ張り上げるという発想ではありません。やる気のある人にチャンスを与えるというスタンスです。とりわけ最近は、地方を重視しています。

現在は30代、40代の社会人を中心に利用してもらっています。行政書士や弁理士等の資格において徐々に合格者が増えてきたので手応えを感じはじめています。

人生はプライドをもって楽しんで仕事をやっているほうがいい。矜持ある生き方がいいと思っています。資格取得はそのためのツールです。

ーこの「矜持」という言葉を、鬼頭さんは好んで使われていますよね?

鬼頭:それは、ある人物との出会いがあったからです。

裁判の資料を集めるために、あるクレーンの整備をしている会社に聞き込みにいったときのこと。取材した人がすごくスキルフルなエンジニアでした。僕の質問にいくら応えたところでその人には一銭にもならないのに、クレーンの構造を全身全霊で僕に教えてくれたんです。自分の仕事を多くの人に知ってもらいたいという思いが彼の全身から溢れていました。あれこそが矜持なんですよ、僕にとっての。

彼はその仕事が人に価値を与えることを確信していたんです。学歴とか肩書きとか会社名とか事業名とかそんなもの関係ないんだ。ああいう人をひとりでも日本に増やすために、皆さんに僕たちが立ち上げたサービスを活用してステップアップして欲しい、そう心から願っています。

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(編集:創業手帳編集部)

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