有限会社と合同会社と株式会社の違い、分かりますか?

創業手帳

有限会社と株式会社の違いって?押さえておきたい注意点4つ

【保存版】株式会社設立の「全手順」と流れをどこよりも詳しく解説!

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皆さん、「会社設立をする」というと、「株式会社」を連想するのではないでしょうか。実は、会社設立には、有限会社・合同会社・合名会社・合資会社・一般社団法人・一般財団法人など、様々な種類があります。今回は、有限会社と株式会社の違いや、公益法人NPO法人を除く、「会社設立」においての相違点やメリットを解説します。
事業内容や売上規模などに応じてどのような法人の種類がよいか選択することができます。また、起業をし始めたタイミングや、事業が軌道に乗ってきたタイミングなどによって、法人の種類を変えることもできるでしょう。

まずは、しっかり法人の種類ごとの特徴を理解することが重要です。

法人の種類によってメリット・デメリットはありますが、運営のノウハウにおいては、法人という点では大きく変わりません。創業手帳は、経営に必要なノウハウをまとめた冊子版の創業手帳(無料)を発行しています。この冊子は、月に1.5万部を発行し、そのたびに最新の情報にアップデートしています。起業家・専門家による生の膨大な情報を収集・検証しているため、信頼され全国で活用されています。

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(創業手帳編集部)

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会社設立時に選択されやすい法人形態ー「株式会社」「合同会社」

会社設立の際に選択されやすい種類として「株式会社」「持分会社」「一般社団法人」「一般財団法人」の4つがあります。なお、持分会社とは「合同会社」「合名会社」「合資会社」の3つの形態の総称のことです。この3つの形態は、それぞれ社員の責任の範囲が異なります。
ここでは、選択される件数が多い「株式会社」「合同会社」をご紹介します。

まずは、一番耳にする機会が多い、「株式会社」について見ていきます。

株式会社とは

株式会社とは、株式の発行により資金調達が可能となる法人格の1つのことです。原則、会社の経営(代表取締役)と所有(株主)を切り離したのが株式会社の考え方ですが、設立時には、発起人がそのまま株主になる場合が多いです。現在では株券の発行の必要もないので、会社設立時に多く選ばれる法人の種類のひとつです。

株式会社の特徴は以下です。

  • 社員の責任は、有限責任
  • 設立に必要な人数は1人以上
  • 設立者の名称は、「発起人」となる
  • 設立時に必要な資本金は、1円以上
  • 設立費用は、約24万円(登録免許税15万円、公証人手数料5万円、定款収入印紙4万円)
  • 設立時に定款認証が必要となる
  • 最高意思決定機関は、「株主総会」となる
  • 業務執行する役員は「取締役」となる
  • 役員等の任期もあり、原則として取締役2年、監査役4年となる(定款の定めにより取締役と監査役は10年まで延ばすことが出来るので設立時注意しましょう。)

持分会社(合同会社)

2006年の新会社法の施行にともない、アメリカのLLC(Limited Liability Company)を参考に導入された法人の種類です。同年に廃止された有限会社の考え方に近い法人形態です。経営者と出資者が同じであり株式会社の次に多く選ばれています。

  • 社員の責任は、有限責任
  • 設立に必要な人数は1人以上
  • 設立者の名称は、「設立時社員」となる
  • 設立時に必要な資本金は、1円以上
  • 設立費用は、約10万円(登録免許税6万円、定款収入印紙4万円)となる
  • 設立時の定款認証は不要
  • 最高意思決定機関は、「社員総会」となる
  • 業務執行する役員は「業務執行社員」となる
  • 原則として役員等の任期はない

株式会社と合同会社の違いって?

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株式会社と合同会社を紹介したところで、2つの違いやメリットを見てみましょう。

株式会社のメリット

株式会社の設立には手続きや用意する書類が多くなるので、時間や労力がかかります。一方で、新規の法人相手に営業かける場合、株式の方が信用度があるので有利になります。また、将来的に増資や出資を必要としている場合は、株式会社を設立するのがよいでしょう。

合同会社のメリット

同会社は、社会的な信用という意味では株式会社よりもあまり高くない場合もありますが
合同会社のほうが、簡単な手続きで済むという特徴があります。また、設立時のコストをおさえることもできます。個人のお客様や既存のお客様がメインの場合は、法人としての信頼度は変わらないので良いかもしれません。

なお、株式で資金調達したり、上場したりする予定がないのであれば、合同会社の方が、良いでしょう。

資金調達の方法や、調達できる額などを知っていると、株式会社か合同会社かを選ぶことに役立つでしょう。冊子版の創業手帳では、融資や出資など、資金調達方法について詳しく解説しています。(創業手帳編集部)

一定の条件が合致する場合に選択される法人の種類ー合資会社、合名会社、一般社団法人、一般財団法人

事業内容や会社設立時の条件によっては、株式会社や合同会社以外を選択することもできます。それぞれの特徴やデメリットを理解して適切と考えられる場合、設立を検討するとよいでしょう。

合資会社(持分会社)

原則、株式会社よりも簡略的に法人を設立できますが、事業を行う社員は無限責任であり、資本金を提供する社員が有限責任である法人の種類です。

  • 社員の責任は、有限責任と無限責任
  • 設立に必要な人数2人以上
  • 設立者の名称は、「設立時社員」
  • 設立時に必要な資本金は、1円以上
  • 設立費用は、約10万円(登録免許税6万円、定款収入印紙4万円)となる
  • 設立時の定款認証は不要
  • 最高意思決定機関は、「社員総会」となる
  • 業務執行する役員は「業務執行社員」となる
  • 原則として役員等の任期はない

注意点として、合資会社の場合には、死亡による退社によって合名会社又は合同会社に変更してしまうことがあります。

合名会社(持分会社)

合意会社同様に、株式会社よりも簡略的な法人ですが、個人事業主が複数人以上で共同で事業を進める必要がりあります。

  • 社員の責任は、無限責任
  • 設立に必要な人数2人以上
  • 設立者の名称は、「設立時社員」となる
  • 設立費用は、約10万円(登録免許税6万円、定款収入印紙4万円)となる
  • 設立時の定款認証は不要
  • 最高意思決定機関は、「社員総会」となる
  • 業務執行する役員は「業務執行社員」となる
  • 原則として役員等の任期はない

一般社団法人

一般社団法人とは、個人又は法人の集団に法人格を与えたものです。非営利法人として活動をしていく場合に設立でき、自由度の高い活動を行うことができます。

  • 設立に必要な人数2人以上
  • 設立者の名称は、「設立時社員」となる
  • 設立時に資本金は不要
  • 設立費用は、約11万円(登録免許税6万円、公証人手数料5万円)となる
  • 設立時の定款認証は必要
  • 最高意思決定機関は、「社員総会」となる
  • 業務執行する役員は「理事」となる
  • 原則として役員等の任期はない

※役員等の任期もあり、原則として理事2年、監事4年となります。(定款の定めにより監事の任期を2年に短縮可能です。)

一般財団法人

一般財団法人とは一定の目的のために拠出された財産に法人格を与えたものです。一般社団法人と同じく、非営利活動をおこなう場合に設立できます。

  • 設立に必要な人数1人以上
  • 設立者の名称は、「設立者」となる
  • 設立時に資本金は300万円以上
  • 設立費用は、約11万円(登録免許税6万円、公証人手数料5万円)となる
  • 設立時の定款認証は必要
  • 最高意思決定機関は、「評議員会」となる
  • 業務執行する役員は「理事」となる
  • 原則として役員等の任期はない
  • 役員等の任期はあり、原則として理事2年、監事4年、評議員4年となる(定款の定めにより監事の任期を2年に短縮可能で、評議員の任期は6年まで延ばすことが可能です。)

次に掲げる要件のすべてに該当する一般社団・財団法人と

① 定款に剰余金の分配を行わない旨の定めがあること。

② 定款に解散したときはその残余財産が国若しくは地方公共団体又は次

に掲げる法人に帰属する旨の定めがあること。

上記いずれの会社組織を選択しても、定款が電子的記録により作成された定款(電子定款)の場合は4万円の収入印紙は不要です。

また、登録免許税は最低の金額を示しています。設立時の登録免許税は資本金の額の1000分の7となります。上記の金額に満たない場合は、上記の金額は払う必要があります。

株式会社と一般社団法人の違いとは

平成20年に公益法人制度改革が行われた結果、一般社団法人は誰でも設立可能となりました。特例を除いて、税制もほとんど同じのため、株式会社とほとんど変わりがないように思います。

これを踏まえて、一番の違いをお話します。

株式会社は「営利活動」を行う法人であり、一般社団法人は「非営利活動」を行う法人であるということです。

「非営利活動」とはいえ、もちろん、収益を1円も生み出していけないという訳ではありません。

収益事業は行えますが、利益を、株主などに「分配」してはならない、ということが違いです。

(参考)有限会社について

有限会社とは

続いて、有限会社についてお話しておきます。
ご存じの方も多いかと思いますが、有限会社は2006年5月1日の「会社法施行」によって廃止されてしまいました。

有限会社(ゆうげんがいしゃ)とは、日本において過去に設立が認められていた会社の形態の1つである。2006年(平成18年)5月1日の会社法施行に伴い根拠法の有限会社法が廃止され、それ以降、有限会社の新設はできなくなった。
会社法施行の際に存在していた有限会社は、以後は株式会社として存続するが、従来の有限会社に類似した経過措置・特則が適用される。かかる株式会社の詳細は「特例有限会社」を参照。また、社名の変更も強制されないため、現在も有限会社を名乗る企業が多数存在する。
以下の記述は、有限会社法に基づく有限会社に関する歴史的記載である。条文は有限会社法。(Wikipediaから引用)

株式会社と比べて、株式の公開ができなかったり、資本金の額が300万円以上必要だったり、決算の公開義務がなかったりという違いがあります。

株式会社と有限会社の違いって?

続いて、有限会社と現在の株式会社の違いについて解説します。

前述の通り、2006年に新会社法が施行されて以降、有限会社は「特例有限会社」になりました。
しかし、有限会社から特例有限会社になったとはいえ、特別な手続きをする必要はなく、現在ある会社については存続期間の制限はない状態です。

有限会社から変更された特例有限会社は、会社法や既存のの有限会社に関連した制度を継承している部分が大きいです。とはいえ、株式会社とは少し違いがありますので、一部を簡単に解説しておきます。

まず商号については、それぞれ「有限会社」「株式会社」と入れる必要があります。
最低資本金額については、現在の有限会社は300万円、株式会社が1円~となります。
株式の公開は、現在の有限会社は公開できないのに対して、株式会社は公開が可能となります。
代表取締役に関しては、現在の有限会社は任命は任意であるのに対して、株式会社は任命が必須となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

会社組織には色々あります。起業をお考えの方には自分がどの組織形態があっているかを吟味のうえ、スタートをきってください。

ただ、まだ起業していないので、どの組織形態があっているのかを具体的に想像するのは難しいかもしれません。冊子版の創業手帳では、手続きや、販路拡大の方法、資金調達方法など、起業後に必要となるノウハウを解説しています。会社経営について想像しやすくなるでしょう。

また、資料請求時に、Web版の創業手帳の無料会員登録が行えます。会員向け創業コンサルティングを行っています。無料で利用できますので、ぜひご活用ください。(創業手帳編集部)

【保存版】株式会社設立の「全手順」と流れをどこよりも詳しく解説!

(監修:眞喜屋朱里税理士事務所 代表 眞喜屋朱里(まきや あかり)
(編集:創業手帳編集部)

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