企業組合にはメリットがいっぱい!会社設立でも個人事業でもない第3の起業方法

創業手帳

その会社設立ちょっと待った!企業組合の概要と特徴を知ってからでも遅くない

【保存版】株式会社設立の「全手順」と流れをどこよりも詳しく解説!

Fotolia_33738771_S

(2015/05/08更新)

企業組合という事業形態を知っていますか?

平成19年の中小企業等協同組合法改正により、企業組合制度が改善されメリットがたくさんある制度になりました。

株式会社や個人事業にはないメリットが多数あるため、企業組合の内容を知らないために損をしている人がいるかもしれません。

そこで、企業組合とはどのようなもので、どんな人に向いているのか見ていきたいと思います。

本文を読む

企業組合ってなに?

企業組合とは、個人事業者や勤労者などが4人以上集まり、それぞれの資本や労働力を持ち寄って、あたかも1つの企業体のように活動を行う組合のことをいいます。

そもそも組合には様々な種類のものがあり、それぞれの根拠法に基づいて設立され運用されることが義務付けられています。

その中でも企業組合は、勤労者や主婦や学生など事業者以外の者でも組合員として加入することができ、その行う事業自体も限定されないことから自由度の高いものとなっています。

企業組合は、組合員がともに働くという特色を持っており、自ら安定した職場を確保するという意味合いや、小規模な事業者が経営規模の適正化を図るという意味合いも有しています。

それでは、実際に企業組合はどの程度活用されているのでしょうか。

全国中小企業団体中央会が発行する「中小企業組合ガイドブック(平成26年度)」によれば、平成26年3月末現在で事業協同組合を中心とする中小企業組合全体の数が37,713団体あって、そのうち企業組合は1,877団体となっています。

この数字からいえることは、株式会社を含む中小企業が全国に3百数十万社あるといわれているのに対して、中小企業組合はその1%程度となり、さらに企業組合となるとその中でも特に希少な存在ということになります。

このように超レアな存在の企業組合ですが、様々な面で優遇された制度で、活用の仕方によっては非常にメリットのある事業形態なのです。

そこで、以下においてその特徴を見ていくことにしましょう。

企業組合の特徴

1.設立費用ゼロ円でOK!

定款にかかる印紙税や認証手数料、設立登記時の登録免許税が免除されているので、自身で設立手続を行えば、設立費用ゼロ円で設立することができます。

2.税務上の優遇措置が適用される

組合と組合員の間で発行される受取書に対する印紙税が非課税になる他、株式会社と同じで、普通法人として出資総額が1億円以下の場合だと年間所得800万円以下の部分に対する法人税について軽減税率が適用されます。

3.最低資本金制度はなし

株式会社と同じで、最低資本金のような制度はないため、少額の出資金額で設立が可能となります。

4.組合員には有限責任制度が適用される

株式会社と同じで、企業組合には有限責任制度が採用されています。組合員はそれぞれの出資額を限度として組合債務の弁済に対して責任を負えばいいのです。

5.組合員の発言権は平等

組合員には出資額の多寡にかかわらず議決権が平等に与えられるので、組織の民主的な運営が確保されています。

この点は出資額に応じて議決権が与えられる株式会社等の組織とは異なりますね。

6.事業に従事する組合員には勤労者としての地位が与えられる

組合員は株式会社の株主に該当し、性質上、従業員とは異なるものの、組合員が企業組合の事業に従事したことに対して受け取る所得は事業所得ではなく、給与所得となります。

また、健康保険、年金保険、労働保険(雇用保険・労災保険)の適用についても勤労者と同じ取扱いを受けることができます。

7.営利を目的にできる組織である

企業組合は株式会社と同様に営利を追求できる組織です。つまり、NPO法人等とは異なり、利益を出資者である組合員に分配できるのです。

また、組合を解散することなく株式会社に組織変更することも可能です。

8.組合員として法人も参加できる

組合員は個人だけでなく、特定組合員として法人も参加することができます。これにより資本の充実を図り、企業体としての機能を強化することにつなげることも可能となります。

これら1~8の特徴は利用する立場によってはすべてメリットと呼ぶことができるかも知れません。それでは、この企業組合の設立方法について見ていきましょう。

設立の方法

企業組合の設立は以下のような手順で行われます。

1.定款、設立趣意書、事業計画、収支予算等の作成
発起人は4名以上。出資引受および設立同意書も作成・送付。

2.創立総会の開催
定款、事業計画、収支予算の承認。役員の選出。

3.理事会の開催
理事長、専務理事の選任。組合事務所の決定。

4.設立認可申請

5.行政庁の認可

6.発起人から理事への事務引継
出資の払込請求、出資払込の完了。

7.設立登記
出資払込から2週間以内に設立登記する必要があります。

設立手続においては、発起人が4名以上必要となる点や、事業計画、収支予算等を提出して行政庁の認可を受ける必要がある点は、株式会社の設立とは異なり、ネックとなる可能性もあります。

また、個人組合員の割合や事業に従事しなければならない組合員の割合等も定められており、基準を満たすかどうかも重要となります。

企業組合はこういう人に向いている

上記の設立手続以外にも、決算関係書類の提出等、行政庁への報告義務が要求される点は負担が大きいといえます。

しかし、負担を考えたとしても、企業組合に対する優遇措置やメリットは魅力的なものです。

気の合う仲間同士で起業する際にこの企業組合を利用するもよいですし、すでに事業をおこなっている個人事業主が結束して新しい市場を開拓するために企業組合を設立するのもよいでしょう。

また、個人と法人が協力関係を築くためのプラットフォームとして利用することもできるでしょう。

たとえば、個人事業主が集まって企業組合を形成する場合では、従来、それぞれ別個に行っていた事業所得の確定申告が不要になり、法人税申告や社会保険および労働関係の事務を企業組合でまとめて実施することも可能です。

このように使い方次第で大きなメリットを得られる企業組合ですが、自身の状況に合っているかどうか分からないという場合は、地域の自治体や中小企業団体中央会、企業組合に詳しい士業に相談してみるのもひとつの方法かと思います。積極的に利用していきましょう。

【保存版】株式会社設立の「全手順」と流れをどこよりも詳しく解説!

会社設立のメリット・デメリットを確認しよう
会社設立のメリット・デメリットの勘所を押さえてスムーズな起業をしよう!

【関連記事】起業家・経営者必見!知らなきゃ損する中小企業倒産防止共済
【関連記事】【保存版】起業の資金調達方法メリット・デメリット総まとめ
【関連記事】新創業融資制度で資金調達するメリット・デメリット

(監修:信濃橋税理士法人 北川ワタル 公認会計士・税理士)
(編集:創業手帳編集部)

創業手帳

カテゴリーから記事を探す