海外企業との取引で発生する税金入門

資金調達手帳

海外の会社に経費を支払うときの税金は?

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今やスタートアップベンチャーにとっても、創業期から海外企業との取引を考えるというのは特別な考え方ではない。

成長著しいマーケットを求めて海外市場に進出する場合もあるだろうし、コスト削減のために人件費のかかる生産やソリューションサービスの拠点を海外に置く場合もあるかもしれない。

では、海外企業の取引する場合、税金はどのように考えればよいのだろうか?日本の会社と取引する場合と比べてどこが異なってくるのだろうか?

海外の会社とライセンス契約

「これは日本でやったらすごくいい!」

海外の会社とライセンス契約をして日本でこれを売り込みたいと考えたことはないだろうか?

海外の会社にロイヤルティを支払うと、日本の税法では源泉徴収が必要になる。現在源泉徴収税率は20.42%だ。

先方に支払う金額が大きければ大きいほど、源泉徴収税額は大きくなり、その時点での先方の手取りが少なくなってしまう。

ただし、もし相手の会社の国と日本とで租税条約が交わされていれば、20.42%よりも低い税率を使うことができる場合がある。また、場合によっては免税になったりする場合もある。

源泉徴収税額の減免を受けるには?

まずは相手国と租税条約があるかどうか確かめることが第一のポイントだ。取引内容が租税条約の規定でどういう扱いになるかを確認する。

それから源泉徴収税額の減免を受けるための届出をする必要がある。届出には多くの添付書類が必要なことも多く、手順を間違えると大変なことになる。取引には時間的な余裕を持って必ず国際税務や手続きを熟知した税理士に相談するのがベターだ。

海外との取引の消費税の扱い

その取引が国内取引に該当するかの判断も難しいものだ。国外取引に該当すれば課税仕入には該当しない。源泉所得税と合わせて消費税の扱いも要注意だ。

支払い相手が外国にいる場合

不動産の賃借料や貸付金の利子など、支払い相手が外国にいる場合には注意が必要だ。

ロイヤルティの支払いだけに限らず、支払先が非居住者の場合、源泉徴収しなければならないものは実は数多くある。

不動産の賃借料や貸付金の利子はその一例だ。

取引に国境をまたぐ要素がある場合は慎重に課税関係を確認するようにしよう。

取引内容は多種多様。迷ったら専門家にご相談を

海外が絡む取引は、国内だけで取引するよりも、税務面で慎重に検討しなければならない。思わぬところで追徴課税を受ける可能性もあるから注意が必要だ。

租税条約による減免については必ず受けられるとも限らないので、まずは適用できるのかどうか国際税務の専門家に相談するとよいだろう。減免を受けるためには検討期間に余裕を持たせて相談することがポイントだ。

(監修:税理士きふね事務所 木船麻衣子 税理士
(編集:創業手帳編集部)

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