「失敗は成功の母」 新商品・サービス開発に必要な 3つの発想方法と精査の際の4箇条

創業手帳

アイデアを一本釣りしないとヒットに近づく?

(2015/12/05更新)

商品・サービスを考えるのは、何も起業時だけではありません。
同じ商品・サービスだけを取り扱い続けるだけでは市場ニーズなどの変化に対応することが難しいため、状況の変化に合わせて商品・サービスを開発し続ける必要があります。

新しい商品・サービスを考えるときはどのようにされていますか?いきなり一本釣りで結論を出してしまおうとしていませんか?
そういったやり方はお勧めしません。
なぜなら、うまく行った時は良いのですが、ダメだった場合に原因分析が非常に難しいからです。

ダメだった場合、何から何まで全てダメだったというケースばかりではないでしょう。
何がダメだったのか立ち返って改善するためにも、そういったことが可能な発想法を行った方が、より精度が高まります。

世の中には色々なアイデア発想法がありますが、例として以下の方法を挙げさせていただきます。ご紹介した順番に行っていただくと思っていただいて結構です。
また、出すべきアイデアや企業によって、向き不向きや他にもっと良い手法もあるかと思いますので、色々カスタマイズしてみてください。

アイディアの発送方法 3つ

1.二軸図

自社の商品・サービスを特性やターゲットの属性などで定量的に可視化するツールです。

自社の商品・サービスで二軸図上に配置したら、競合の商品・サービスも同じ二軸図上に配置してみてください。

これにより、エアポケットになっている部分や、競争の激しいところが分かるので、狙うべきターゲットが明確になります。

図1

2.ブレインストーミング

ブレインストーミング(ブレスト)とは複数の人がアイデアを出し合うことで互いにアイデアの誘発や発想の連鎖を狙った方法です。

実際にされている企業も多いのではないでしょうか。

あえて、ブレインストーミングを最初に行わず、2番目にもってきたのは意味があります。

最初にやってアイデアが出たとして、そのアイデアが既存商品・サービスとカリバニゼーション(自社商品同士の共食い)を起こすようなアイデアだった場合や、競合が多くて利益の少なそうなセグメント向けだったら、またやり直す必要があります。

ですから、最初に二軸図である程度の絞り込みを行った中で、アイデア出しを行います。

3.親和図法

ブレインストーミングで出したアイデアを、関連するグループに分類します。

グループごとに内容を統合するとアイデアが明確になっていきます。

グルーピングも基準を変えて複数回やってみても良いでしょう。

いささか簡単ではありますが、アイデア発想の方法をご紹介いたしました。

アイディア精査の4箇条

次に、そのアイデアも精査が必要になります。精査の際の4つの注意点をご紹介します。

1.シーズ思考になっていないか

技術、ノウハウ、商品を仕入れられる……等々

当たり前の話ですが、ニーズがないと売れません。

提供するものありきでニーズを後から考える、ニーズがあることにするというのは失敗の可能性が高まります。

しかし、世の中にないユニークな商品・サービスの場合はニーズがありませんので、シーズ思考になるのは仕方がありません。

とはいえ、ニーズを喚起できるか、利益を出せるだけの市場を見込めるか、その市場にリーチできるか、その市場は成長が見込めるか、これらのことを考えるのはニーズから開発するのと同じです。

2.ニーズには注意

市場のニーズは非常に重要です。

ニーズが無ければどんな商品・サービスも売れませんし、値段設定も低いものにならざるを得ません。

アイデアを出した後に、市場調査を行うケースもあるでしょう。

しかし、ユーザーのニーズを汲み取れば売れるものが作れるわけではありません。

なぜなら、市場調査などを行う際にユーザーは顕在化しているニーズを提示することはできますが、潜在的なニーズを提示することができないからです。

市場調査の結果をどれだけ反映させるかは、バランスを見る必要があります。

3.これから提供する商品・サービスという意識

IT業界のように5年も経てば様相がガラッと変わる業界の場合、既存の成功例の改良版では、リリースした時はすでに市場ニーズが変わってしまって、賞味期限が切れているなんてこともあり得ます。

開発期間などを踏まえつつ、リリースした時には旬が過ぎていないか、先を見据えた商品・サービスの開発が必要なケースもあります。

4.最初のアイデアに飛びつかない

苦労してアイデアを出すと、どうしてもそのアイデアに固執しがちになります。

アイデアが一つ出た時点で終わるのではなく、最初から複数アイデアを出して、企業や市場の状況から判断してそれぞれを個別に検討すれば良いでしょう。

もちろん、アイデアが没案になることもありえます。

おわりに

当てにしていることが10個あったら、10個とも当てが外れるなんてことは珍しいことではありません。

しかし、ご紹介させて頂いたように、手順を経てアイデアを出していけば、商品・サービスをリリースしたが芳しい結果を得られなかった、そういったときにステップを1つずつ戻っていくことで原因を特定しやすくなります。

その原因をクリアにすることで、よりヒットしやすい商品・サービスの開発が可能になるのではないでしょうか。

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(編集:創業手帳編集部)

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