M&Aする際の相談相手を選ぶポイントとは?

資金調達手帳

企業売買をするときの3つの相談先のメリット・デメリット

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(2015/05/27更新)

前回はM&Aのメリット・デメリットを紹介し、業績の良い、悪い会社の特徴を解説しました。
【前回の記事】「そのビジネスモデル、買った!!」 覚えておきたい“会社を買うための心構え”

今回は、実際に会社を売却したい、あるいは会社を買収したいという相談をどこに、誰にしたら良いのかを紹介していきます。M&Aのときに相談する相手として考えられるのは、大きくわけて3つあります。

それぞれの相談相手のメリットデメリットを確認していきましょう。

M&Aの相談相手はこの3つ!

  1. 税理士や会計士
  2. 銀行や証券会社等の金融機関
  3. M&A専門の助言(仲介)会社

税理士や会計士

税理士や会計士のメリット

税理士や会計士などにM&Aの相談をする最大のメリットは、会社の決算業務などをお願いしている場合に、会社のことを経理面からよく知っているということが挙げられます。

また、定期的に顧問業務として面談をしていることによって、信頼関係が出来上がっているということもメリットとしては大きいと考えられるでしょう。

税理士や会計士のデメリット

デメリットとしては、エリアが限定的ということが挙げられます。それぞれの士業の方が持っているネットワークや関与先の範囲内での案件検討となり、良いパートナーを広い範囲から複数検討することが難しくなるのです。

なお、日本M&AセンターなどのM&A仲介会社は、こういった士業の方々をネットワークして案件組成を行っているので、デメリットを限定的と考えることができます。その場合は『M&A専門の助言(仲介)会社』のメリットとデメリットについてもよく理解をしておく必要があるでしょう。

銀行や証券会社等の金融機関

銀行や証券会社等の金融機関のメリット

金融機関にM&Aの相談をするメリットは、経理面についてある程度理解をしていることに加えて、広範な取引先をもつ金融機関のネットワークを最大限活用できるという点が挙げられます。定期的に融資担当者が訪問している場合は、その担当者と信頼関係を作れていることもあり、併せてメリットとして考えることができます。

また、対応する金融機関によってはM&Aの専門部署をもっているところもあり、高い専門性や経験を活用することも可能です。

銀行や証券会社等の金融機関のデメリット

デメリットとしては手数料が高いことと、対応に時間がかかるということが挙げられます。金融機関という大きな組織を運営するため、最低手数料が高額に設定されていることもあり、小型のM&A案件を行った場合は手数料負担が重くなってしまいます。

また、決裁等の意思決定に時間を要することもあり、迅速な対応が期待できない場合があります。

M&A専門の助言(仲介)会社

M&A専門の助言(仲介)会社のメリット

M&A専門の助言(仲介)会社にM&Aの相談をするメリットは、専門の知識と経験を持っているために、ワンストップで案件相談から最終契約締結まで一貫して対応できる点にあります。担当が変わることはあまりなく、迅速に案件を成就できるように、それぞれの助言(仲介)会社が持つ幅広いネットワークの中から、最適なパートナーとのマッチングを目指すことができます。

また助言(仲介)会社ごとに手数料の基準が違っており、金融機関に相談をするよりも、割安に助言(仲介)を受けられるというメリットもあります。

M&A専門の助言(仲介)会社のデメリット

デメリットは、仲介というスタイルによる場合、利益相反の問題があるということ。仲介という取引は、会社を売却したいという方と、会社を買いたいという方の間を取り持ち、両者から成功報酬として手数料をいただくものです。ですから、この取引からできるだけ高く会社を売却したいという方と、できるだけ安く会社を買いたい方との利益は相容れないということになり、利益相反の関係になるのです。

こういったデメリットを解消するために、自社に不利な価格算定が行われていないか、第三者からセカンドオピニオンとして価格算定をとることをオススメいたします。

まとめ

以上、3つのタイプの相談相手についてメリット・デメリットを簡単に紹介しましたが、では、誰に相談をしたら良いのでしょうか? 私見ですが、どの会社であろうと、相談相手の個人をよく見極めて決めることが肝要だと考えています。すなわち、担当者個人が以下の条件に当てはまるかどうかを見ていくことが重要なのです。

・M&Aの経験や実績はあるか?(個人として)
・相性の良さはどうか?(相談しやすい、知識がある、わかりやすいなど)
・対応は迅速か?
・自分(会社)のことを理解しようとする姿勢があるか?

これらの条件を充たすM&Aの専門家に対して、まずは相談をしてみるのが良いでしょう。

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(監修:株式会社共生基盤 代表取締役 中村亮一
(編集:創業手帳編集部)

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