ホームページは“安く・正しく・柔軟に”

創業手帳

スタートアップ・中小企業のための集客できるホームページの作り方

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「会社にとってのホームページは、ビジネスマンにとっての名刺だ」と言われることがある。業種を問わずほとんどの企業がホームページ作成する時代になり、ホームページは低コストで自社のサービスや製品を不特定多数の人にPRしたり集客するための半ば必須の手段となっている。

一方で、「せっかく綺麗にホームページを作っても、ホームページが見てもらえない」という悩みを抱える企業も少なくない。

逆説的に言うと、ユーザに見てもらえるような集客力のあるホームページを制作することができれば、低コストで大きな効果を生むことができ、事業を進める上で大きなメリットになる。自社のサービスや製品のPRにコストをかけることができないベンチャー企業や中小企業こそ、そのメリットは大きい。

ここでは、ベンチャー企業や中小企業向けに、初期費用無料のホームページ作成サービスを展開しているアンドバリュー社 代表取締役社長の鈴木氏に、スタートアップや中小企業が、集客力のあるホームページを構築する際のポイントについてお話を伺った。

鈴木 良治(すずき りょうじ)
アンドバリュー株式会社 代表取締役社長
京都大学農学部卒業後、リクルートに入社。ベンチャー企業取締役やコンサルタントを経て、アンドバリュー社を設立。同社代表取締役社長。

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資金力のないスタートアップにこそホームページが必要な時代

― そもそも事業を始めるにあたってホームページは必要なのでしょうか?

鈴木:はい。資金力がない中小企業やスタートアップ企業にとってこそ必要だと思います。その理由は3つあります。

第一に「ビジネスマンはやはりホームページを見る」からです。みなさんがある会社に業務を依頼しようと思ったり、提携先を探したりする時など、まずホームページをみると思います。これは初対面でまずその人の名刺をみるように、その会社の情報を短時間で知る方法として定着しているので、ホームページがないとビジネスチャンスを失うことにもつながります

第二に「世界中のあらゆる人に分け隔てなく情報発信できる」からです。確かに最近はTwitterやFacebook などのSNSやアメブロなどのブログもあり、ホームページなしに会社を運営することも可能ですが、ホームページはSNSやブログとは異なり、すべての人に情報を伝えることができます。

これはオープンなメディアかクローズドなメディアかの違いで、SNSやブログはクローズドなメディアだといえます。なぜならTwitterはTwitterを使っている人へ、FacebookはFacebookを使っている人への情報発信に最適化されており、それ以外の人には届きづらい場合があるからです。例えばアメブロでは有名人ブログが優遇され、一般人や中小企業のブログには行き着きにくいですよね。

一方でホームページは、個別のサービスに最適化されているわけではなく、全ての人に分け隔てなく情報を伝え集客出来るオープンなツールです。こちらから情報発信しないとなかなか認知されない中小企業にとって、これは大切なことだと思います。

第三に「それぞれのサービスのハブとなるような使い方が出来る」からです。例えば、私たちはホームページで作成した記事を、FacebookやTwitterに自動反映させる機能を提供していますが、このような機能を持ったホームページを利用することで、複数メディアを管理する際に必要なコストも下げることが出来ます。ですからホームページは、資金力がない中小企業やスタートアップに非常に適したツールだと思います。

会社のPRのためには先ずホームページを作成し、必要に応じてSNSやブログなどを追加して行くのが良いでしょう。

ホームページは「家を設計するように」制作しよう

― ホームページをつくるには、まずどのようなホームページにするかを考える必要があります。構想時に大切なことは何ですか?

鈴木:一言でいえば「家を設計するように」ホームページを構想することです。家を設計するときは、最初に完成型をイメージすると思います。現時点では予算や必要に応じた間取りや規模で作成するとしても、例えば将来子供が生まれた時に部屋を増やせるように、また両親を迎える時に増築出来るように、しっかりと土台や導線を考えておく必要があります。それを怠ると、行きにくい部屋が出来たり土台が耐えられず倒壊したりしてしまいます。

ホームページでも同じことが言え、将来のことから逆算して設計しないと、利用者が非常に使いにくくなるだけでなく、管理や機能の面でも複雑で運用出来ないものとなってしまいます。

―「完成型のイメージ」を考えることが大切ということですね。ただ、ビジネスモデルが途中で変わってしますこともあります。そのような会社はどう構想すればよいのでしょう?

鈴木:将来の事業展開があまり決まっていない場合は、次の2点を考慮するとよいです。第一に「自由度の高いシステムを使っておく」ことです。変更できる余地のあるシステムや、近い将来必要になる機能をもったシステムを使うことが大切です。

第二に「管理しやすいシステムを選ぶ」ことです。後々コンテンツを変えたいとき、もちろん業者に頼むこともできますが、何度も行えばその分お金がかかります。自分の知識量に合わせて、自分で操作できるようなシステムを選び、必要に応じて変更しながら作成していくことをお勧めします。

また、細かいことを言えば、よくタイトルなどを画像で作成しているホームページがありますが、画像ではなくテキストで作成した方が変更が楽になります。これはSEO対策においてもプラスです。

― 実際にホームページをつくるとき、業者に頼むか?自分でつくるか?を迷うと思いますが、どのように考えて判断すればよいでしょうか?

鈴木:これは私見ですが、自分たちでつくる方がよいと思います。なぜならきちんとしたホームページをつくろうとすると、どんなに安くても30万円程かかってしまうからです。これはお金のないスタートアップにとっては大きな負担です。もちろん5万~10万円で作ってくれるところもありますが、それらは正しいコードで書かれていなかったり管理が十分にできていなかったりと、なかなかツールとして機能しません。業者に頼むと、その後のメンテナンス費用も高くなりがちです。

最初のホームページの役割は、名刺に付随するパンフレットのようなものだと思います。ですから、まずは会社名を検索してトップページに表示されることや最低限の情報発信ができる機能を持ったサービスを利用して、ホームページをご自身で作成するとよいと思います。

必ずすべき「SEO対策」の具体策とは

― ホームページをつくるとき、よくSEOの話があがると思います。そもそも「SEO」とは何なのでしょうか。

鈴木:SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、日本語では「検索エンジン最適化」といいます。Googleなどの検索エンジンで検索した際、検索結果のページの上位に自らのWebサイトが表示されるように工夫することを指します。自分のホームページを上位にランクインさせるためには、検索エンジンが認める「価値あるコンテンツ」を作成し、検索エンジンが用意している「このように情報を発信してください」というルールに従って情報発信することが必要です。

― 具体的に上位に表示されるようにするにはどうすれば良いのですか?

鈴木:自分でできることとして2つあげられます。それは第一に「良いコンテンツをつくる」ことです。Googleなどの検索エンジンは、利用者が良いコンテンツに行き着けなければその存在価値を失ってしまうため、その存在価値をかけコンテンツの良し悪しを評価しています。近年、この評価技術はものすごく高くなっており、これからも進化していくでしょう。ですから、検索結果を上げるには、検索エンジンを騙すのではなく、検索エンジンが求めている人にとって必要で有益なコンテンツをつくるのが近道です。また、良いコンテンツをつくることだけでなく、それを頻繁に発信していくことも必要です。更新も頻繁に行いましょう。

第二に「外部リンクをその都度貼ってもらう」ことです。外部リンクは人気投票のようなものです。他のホームページからリンクがたくさん貼られているサイトは良いサイトとして評価されます。したがって、外部リンクをもらえるときは貼ってもらうとよいでしょう。結果的にページの評価が上がります。

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正しいホームページ作成サービスを選ぼう

― 業者に頼まず自分たちでホームページを作る場合、コードを書くスキルがない限り、コードを書かずに作成できる「ホームページ作成プラットフォムサービス」を使うことになります。このようなサービスを選ぶときに注意することはありますか?

鈴木: 特にSEOの観点からいうと、第一に「正しいコードを利用しているサービスを選ぶこと」です。Googleなどの検索エンジンも人力でホームページの情報を集めているわけではないので、正しいコードで書かないと内容を正確に伝えることが出来ません。「正しい」と言いましたが、ホームページで利用するプログラミング言語は複数有り、またそれぞれに文法があります。必要に応じ適切な言語を使い、正しい文法で書かないと検索エンジンに正確に理解してもらえません。そこで正しいコードを書いてくれるサービスを利用することが大切です。

第二に「ホームページの構造や更新・修正の情報を検索エンジンに伝えるシステムを備えたサービスを選ぶこと」です。例えば、検索エンジンがホームページの構造を確認するために利用するXMLサイトマップを自動で作成・通知してくれる機能などがそれにあたります。検索エンジンは、XMLサイトマップを頼りにホームページの情報を確認しに来るので、これがあることで検索エンジンにコンテンツ情報を漏れなく伝えることができます。

XMLサイトマップに関しては、一般的にドメイン直下にファイルを置くことが多いので、ご検討のサービスで作成されたサイトのURL末端にsitemap.xmlを加えたURLにアクセスし、XMLサイトマップが表示されるか確認するのが最も簡単な確認法です。(アンドバリュー社の場合:http://andvalue.co.jp/site-map.xml)

ただ、システムの都合で弊社ではXMLサイトマップのファイル名をsite-map.xmlにしているように、基本的にファイル名や置き場所は自由なため、この方法で見つからないからと言って、XMLサイトマップがないとは言いきれません。しっかりと確かめたい場合は、サービスを提供している会社に直接確かめるようにしましょう。このようにして、やっておくと良いことをしっかりと行い、検索エンジンに対してしっかりとアピールしてくれるサービスを選ぶことが大切です。

なぜこのようなことを申し上げるかというと、世の中には安いだけで必要なことを行っていないホームページ作成サービスが多々存在し、結果、効果のないホームページを高いランニングコストで運営しなければならず困っている方に沢山お会いしてきたからです。これはあくまで一例でしかありませんが、上記のような選び方をすると、登記したてのスタートアップ企業でも短期間で検索結果の上位に表示され、ビジネスチャンスが拡大する可能性があります。

ホームページ作成サービス FunMaker

鈴木社長率いるのアンドバリュー株式会社は、中小企業やスタートアップのために、Funmakerというサービスを提供している。Funmakerを利用すれば、自分で安く簡単にホームページを作成できる。もちろんSEO対策もバッチリだ。その高い自由度や発展性から、京都大学や有名イラストレーターにも利用されている。

funmaker_logo

ホームページ作成サービス「FunMaker[ファンメイカー]」
初期費用無料、月額5000円(サーバー、メールサーバー料込)


(インタビュー・編集 田中 嘉)

ココ重要!
  • ホームページの設計は家を設計するのと同じだ。最終形のイメージを固め、それに最適な構造と導線を考える。
  • 創業間もない企業でもSEO対策をしっかりと行うことにより、検索結果の上位に表示され、認知度が高めることができる。
  • SEO対策の具体策その1 良いコンテンツ、人に必要とされるコンテンツをつくること
  • SEO対策の具体策その2 他サイトから自社サイトへのリンク(外部リンク)を貼ってもらうこと
  • SEO対策の具体策その3 ホームページ作成サービスを選ぶときは、正しいコーディングをおこなっていることや、ホームページの構造や更新・修正の情報を検索エンジンに伝えるシステムを備えたサービスを選ぶこと
さあアクション!

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