クラウドファンディング失敗、プロジェクト未達成の場合どうなる?

創業手帳

失敗から学ぶ「プロジェクト成功の心得」

(2017/06/13更新)

自身が思い描くモノやサービスを作りたい、世の中の問題を解決したい、など幾多のアイディアやプロジェクトを持つ起案者たち。最近は資金調達を行うためにクラウドファンディングを利用する方も多いですが、誰もがみんな成功するとは限らないのが、世の常です。

今回は、実際に未達成に終わったプロジェクトに学ぶ、失敗しないようにするためのクラウドファンディング必勝法を解説します。

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プロジェクト未達成の場合、どうなる?

クラウドファンディングにおける失敗とは、プロジェクトの未達成と言えるでしょう。未達成の場合は、クラウドファンディングの支援タイプによって、その後の対応が変わります。

非投資型プロジェクトの場合

非投資型のプロジェクトの場合は、達成後支援型と、即時支援型の2種類があり、返金の対応も分かれます。

達成後支援型

起案者のプロジェクトが目標達成された場合のみ資金調達がされます。よって、目標達成に至らなかった場合には支援金は全額返金。主に商品開発の資金調達などに多く見られる分配方法です。まさに、オール・オア・ナッシング。

即時支援型

プロジェクトの目標金額の達成に関わらず実行され、返金はない制度です。寄付型とも呼ばれ、震災復興や貧困の国に住まう子供たちの物資など、見返りを求めない目的の場合に利用されます。

投資型プロジェクトの場合

投資型プロジェクトでは、高い金利を得るための融資型、成果によって報酬が得られるファンド型、非上場企業の株を購入する株式型の、3タイプに分かれます。

投資型プロジェクトは、基本的にファンドが成立しなかった時点で振り込まれたお金が支援者の口座に返金される仕組みになっています。よほどのことがない限り、返金トラブルは発生しません。

どのプロジェクト形式が一番合っているかは、起案者の目的や用途・企画内容によって変わってきます。十分に検討してから取り組んでいきましょう。

未達成プロジェクトの共通点

未達成プロジェクトに見られる共通点として、以下のものが挙げられます。

プロジェクトに対する金額に根拠がない

いわずもがな、そのプロジェクトに対して、それほどの価値があるのかが不明瞭だと資金は集まりません。「これをするためのお金だから、いくら必要なんだ!」というのをハッキリさせましょう。

資金を集める目的が不明瞭

説明内容に資金を集める目的が明確に書いていないと、失敗することが多いです。
熱意を伝えるのは大切ですが、掲載する文章で印象が決まってしまいます。
説明文を載せる際にはどうすれば伝わるのかをしっかり考えましょう。

約束したプロジェクトが実行に移されない

クラウドファンディングは、単なる資金調達の方法ではなく、調達後にしっかりとプロジェクトが実行に移されることが最大の目的です。起案者がそれを勘違いし、目標とするところにプロジェクトが向かわない場合、支援者の共感を得られません。

プロジェクトの目的が個人的すぎる

起案者自身が興味を持っていることや趣味に関することをプロジェクトにすることもありますが、その内容があまりに個人的過ぎてもいけません。何の役に立つかわからないと支援者は思ってしまいます。

犯罪行為を危惧される人の発起したプロジェクト

当然ですが、犯罪行為に関わるものも、掲載してはいけません。
殺人事件を起こした夫を釈放するために、妻がクラウドファンディングキャンペーンを開始。しかし、サービス自体に犯罪行為への関与が疑われる人のサポートが許可されていなかったので、あえなくシャットダウンしたのだとか。

プロジェクト成功のために「支援者の共感」は必要不可欠です。共感を得られるような内容のあるプロジェクトを提案しましょう。

クラウドファンディングの失敗から学ぶ「成功の心得」

根拠のある金額設定にする

そのプロジェクトを達成するために、本当に必要な金額なのかを明確にしましょう。多すぎても駄目ですし、少なすぎるのも望ましくありません。

金額設定はプロジェクト前に行うものですが、「成立した後にどのように活動を継続していくのか」まで明示しましょう。
目標金額に達成したにもかかわらず、プロジェクトが動かなかったり、支援者にリターンが帰ってこなかったりするトラブルもあります。目先の資金調達に気を取られて見落としがちな部分なので、注意しておきましょう。

何のために資金を集めるかを文章で明確にする

「見え方」も大事な部分です。先述した通り、プロジェクト達成のカギは、支援者から共感を得ること。よって「目的が明確でわかりやすい」「資金調達後のリターンをしっかり示す」「それが何の役に立つか」というあたりを文章で明確に伝えましょう。

資金調達手帳では、クラウドファンディング「READYFOR」の代表取締役CEOの米良 はるか氏にインタビューを行っています。そこでも、PRの仕方や文章がプロジェクトの達成において重要である、と仰っています。また、専門家目線の、クラウドファンディングを成功させる方法についても知ることができます。

支援してくれる方に、直接訪問やメッセージなどでお願いする

支援者へのお願いも必須です。どんなに素晴らしいプロジェクトでも、資金を提供しているのは人間です。起案者に魅力と、その気概が無ければお金は集まりません。自分の思いが伝わるように、なるべく多くの人に支援を促せるように声をかけましょう。

まとめ

思いを形にするためのクラウドファンディング。しかし、思いが形にならなかった場合に、支援者がどのように感じるかも考えるべきです。
未達成に終わってしまう場合は、お金の問題もさることながら、支援をしてくれた方を少なからず裏切る結果となってしまいます。
そうならないためにも、しっかりとした計画を立てて、魅力のあるプロジェクトを提案していきましょう。

クラウドファンディングを成功させるための方法論は、出資による資金調達にも応用できるはずです。資金調達手帳では、複数のベンチャーキャピタリストのインタビュー記事を掲載しています。ここでは、どうやって投資をしてもらうか、ベンチャーキャピタリストはどのような起業家に投資したいのか、などを語っていただいています。クラウドファンディングでプロジェクトを公開する際にも、出資を受けようとする際にも参考になるでしょう。

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(執筆:創業手帳編集部)

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