「会議」に対するコスト意識、ありますか? 経営を蝕む悪習を変えるには

創業手帳

無駄に長い会議は、経営を圧迫する!

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(2016/10/11更新)

一般的に会社員が8 時間勤務する中で、1日約 1.2 時間が会議に費やされているといわれています。そして会議は、開催にまつわる“召集”、“物理的な 準備・手配”、“資料作成”、“議事録”など、前後を考えれば、もっと多くの時間と人的リソースが費やされているでしょう。

また、「会議」と聞いた瞬間、”長い“、”頻繁“、”結論が出ない“など、ネガティブなイメージも多いかもしれません。しかし、本来「会議」とは、多くのメンバーが一同に会し、同じ時間を共有しあう、創造的な場であって欲しいものです。
今回は「ダメな会議ワースト3」、また従来の会議のイメージを変える事例などもお伝えしたいと思います。

“ダメな会議”ワースト3とは

まず会議においての問題点ワースト3は、

  • 無駄な会議が多い
  • 会議の時間が長い
  • 頻度が多い

この3つになります。その上この3つが揃えば、1週間、1ヶ月の単位で見たときに、相当の時間が会議に費やされていることがわかるでしょう。

会議にも下記のように、様々な種類があります。

  • 部署内での週間や隔週で行われる定例会議
  • 出張レポート
  • トラブル対応
  • 営業フォーキャストなどの進捗
  • イベント終了後の結果を伝える報告型の会議
  • 四半期ごとや半年に一度の全社会議
  • 意見やアイデアを十分に議論するディスカッション型の会議
  • 部署を横断するようなプロジェクト会議など

管理職ともなると、より一層会議に召集されることが多くなります。

1日約8時間という勤務時間のなかで、従業員が業務をする上で何に時間を割かれているかというと、「会議、メール、移動時間、紙」に関することとも言われています。「会議」とは、この全ての要素を含んでいるのではないでしょうか。

会議を設定するための調整に始まり、召集、議事録をメールで行います。また会議の場所が離れていれば、移動時間も取られます。会議には出席人数分の資料が必要なことも多く、その資料の作成、印刷には、紙が使われます。

さらにもっと1日を俯瞰してみてみましょう。この「会議、メール、移動時間、紙」の4つの要素以外の時間が、会社の要である売上に繋がるための創造の時間だったり、行動の時間だとしたら、その時間をできる限り多く確保することが重要なことは明らかです。

その「会議」の本来の目的は?

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先日ある企業のCEOの方がこんなことをおっしゃっていました。

「私の会社では、定例会議をやめました」と。

会社の規模感に関わらず、「定例会議」というのはどちらの会社もあるのではないでしょうか。なぜ、この企業は「定例会議をやめた」のでしょうか。

それは、「時代のスピードに追いつけない」からだそうです。定例会議は、一般的には週に一度決まった曜日と時間に開催されることが多いかと思いますが、多様化、情報化社会の現代において、1週間後には状況が変わってしまっているので開催が「1週間後では遅い」と感じているのです。

必要なら、その場で会議をする

必要であれば、適切なメンバーをすぐに召集して議論するのはどうでしょう。ベンチャー企業ならなおさら、「すぐに集まり、アイデアをまとめ、行動に移す」といったことが重要となってきます。

「会議」というのは、ただ聞く、参加するというのが目的ではなく、最も大切なのは「会議の後」です。会議を行うことによって、具体的なアクションに繋がり、その会議を開催したリーダーは進捗を把握する。会議の主催者は、部署の管理職やプロジェクトオーナーであることが多いと思いますので、常に今行っているその会議は、企業の生命線である売上に繋がっている会議なのか?を意識することが重要です。

「会議」の固定観念を変えてみる

ITの発展で、いつでも、どこでも「会議」に参加できるようになっています。しかもSkype、Googleハングアウトなど無料で使えるWeb会議システムを使用すれば、コストをかけることなく迅速に会議ができます。

会議の問題として冒頭にあげた3つの点のほかに、「召集したいメンバーの予定が合わずにすぐ開催できない」という問題もあります。この問題は、時代の流れのスピードを考えたときに致命的になります。少しの遅れが、大きな差となることがあるからです。

また、もっと先進的な企業では、基本的に「定例会議および報告会議はしない」というのを徹底しているところもあります。face to faceやビデオ会議などの口頭での会議の代わりに、「チャット会議」というものを導入しているのです。プロジェクトメンバーにはいつでも、どこでもネットに繋がってさえいれば、すばやく資料を共有したり、チャット上での会話が議事録のように残ったり、必要であればビデオ会議もできます。ビジネスの上で導入社数も増加しているChatwork社のアプリを使用すれば、無料もしくは安価で、ビジネスに特化したかたちでセキュアに導入することができます。

このように経営者も社員も頭を悩ませる「会議の時間」を、従来からの視点を変え、ITを駆使することで、もっと時間を生かせるようになってきます。

まとめ

100歳を超えてもなお現役医師としてご活躍の聖路加国際病院名誉院長・日野原重明先生をご存じでしょうか。

医師として働くこと以外に、小学校で子供達に「いのち」について授業をされたり、多くの本を執筆されています。その日野原先生の言葉をお借りするならば「時間」というのは「いのち」を意味します。自分の持っている時間、そこで働いている社員の時間は「いのち」と考えたときに、勤務時間は企業の「いのち」となります。

ぜひ今一度「会議とそれにまつわる時間」を見直し、企業にとって、社員にとって有意義なものにしていきたいものです。

(執筆:プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー® 久保田一美(くぼた かずみ)
(編集:創業手帳編集部)

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