実例で学ぶカンタン3C・4C分析!起業家必見です。

創業手帳

3C・4C分析を使い倒して経営戦略・事業戦略を立案しよう


(執筆:城西コンサルタントグループ理事中小企業診断士 小野靖)

(2016/06/08更新)

Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の三者の視点から重要成功要因を導き出す3C分析、Co-Operator(協力者)を加えた4C分析。今回は、サラリーマンの人間関係を例に解説します。

意外と身近な3C・4C分析

サラリーマンの山田君は同じ部の恵子さんに好意を寄せていましたが、大山君というイケメンのライバルがいます。

山田君は顔では敵わないので、貯金がたくさんあることを恵子さんにアピールしました。

山田君、大山君の恋のバトルは一進一退。そんなある日、山田君は金子部長が恵子さんを良く呑みに連れていくことを知りました。

「そうだ!金子部長にプッシュしてもらおう」

金子部長に説得されたのが効いたか、山田君は目出度く恵子さんとゴールイン!めでたし、めでたし…。

さて、既にお気づきの通り、この話は3C・4C分析に基づいています。

山田君は恵子さんにアタックするのに顔では勝負できないので、貯金をアピールしました(3C分析)。

更に、後一押し必要なところで金子部長を担ぎ出しプッシュしてもらいました(4C分析)。

いかがでしょうか。

3C・4C分析のようなフレームワークは経営戦略だけではなく、実生活にも意外と役立つとは思いませんか?

3C・4C分析とは

Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の三者の視点から重要成功要因を導き出すのが3C分析、Co-Operator(協力者)を加えたものが4C分析です。

実は冒頭の話には裏があって、何と金子部長と恵子さんは不倫関係にあったのでした。

新たな不倫相手を見つけて恵子さんと縁を切りたがっていた金子部長はこれ幸いと恵子さんの説得に乗り出し、恵子さんもここで部長に恩を売っておこうと山田君を選択した訳です。

お暇な方は金子部長をCompany(自社)とした4C分析を作ってみて下さい。

この場合、Co-Operator(協力者)には誰が入るでしょうか?

3C・4C分析のポイント

ここからは少し真面目に話しましょう。

(1)何のために分析を行うのか

ただ三者間の関係を説明しただけでは意味がありません。山田君が貯金をアピールし、はたまた金子部長を利用しようとしたように(もしかしたら利用されたのかもしれませんが)分析に基づいたKFS(Key Factor for Success)=重要成功要因までつなげなければなりません。

(2)ターゲットとする顧客、顧客層が適正か

自分が求めている顧客、顧客層は本当に自社の強みを欲しているのでしょうか?ターゲティングをしっかりと行いましょう。

(3)競合先が本当にターゲットとする顧客、顧客層と競合しているか

レストランの競合は筋向かいのライバル店だけではなく、デパートの中食、コンビニ弁当、宅配、いろいろあると思います。視野を広げましょう。

(4)分析の順番は① 顧客、② 競合、③ 自社、④協力者

何事も顧客第一に考えていきましょう。

(5)変化に着目する

顧客、競合に何か変化が起きていませんか?変化があれば、それに対応して自社の戦略も変わってきます。小さな変化にも敏感になりましょう。

(6)ロジックツリーを利用して漏れなく、ダブリなく書き出す

(7)協力者の範囲を広く考えているか

大阪梅田の蔦屋書店とスターバックスコーヒーの併設。

ビックカメラとユニクロのビックロ。最近異業種コラボレーションが目を引きます。

固定観念に捕らわれることなく、協力者を考えましょう。 

企業経営への活かし方

一般的な3C・4C分析の使い方としては、事業戦略を立案するための現状分析と検証に用いられることが多いと思います。

今業績が落ち込んできたとしましょう。その原因はどこにあるのか?3C・4C分析のロジックツリーで漏れなく洗い出しましょう。

もしくは新規事業のアイディアがふっと頭に閃いたとしましょう。

会社としてそれを推し進めても良いのかどうか、直観のみに頼ることなく3C・4C分析を使って検証してみて下さい。

3C・4C分析とはフレームワークの一つです。フレームワークとは、考え方をまとめるためのツールですので、使おうと意識すればいくらでも使えます。

例えば、創業手帳Web 2015年4月13日の「小規模事業者持続化補助金にトライしよう!」では、補助金申請に際して、3C分析をすることを勧めています。

〜「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」3C 分析の視点を盛り込むことで、あなたの事業計画はより練り込まれたものとなるでしょう〜(一部引用)

同じく関連記事「SWOT分析とクロスSWOT分析を使い倒して経営戦略・事業戦略を立案しよう」でも述べていることですが、フレームワークはツールです。

ツールは知識として知っているだけでは余り役に立たちません。ぜひ使い倒してみてください。

(監修:城西コンサルタントグループ理事 中小企業診断士 小野靖
(編集:創業手帳編集部)

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